学科長挨拶

21世紀は情報化社会といわれ,社会のあらゆる分野で情報処理技術が駆使されています.それに伴い,情報工学や情報科学の分野は現代社会を支える総合的基盤として必要不可欠なものとなっています.

急速に押し寄せる情報化社会の波の中,本学科は平成5年10月1日設置され,日進月歩発展するコンピュータ技術に対する教育・研究の中心的役割を担っております.本学科は,計算機システム,情報通信,ソフトウェアの教育研究を担当するシステム情報工学講座,また,知能情報処理,人工知能,知的制御を担当する知能情報工学講座の2大講座で構成されており,情報システムと知能システムを融合させた特色ある教育研究体制を構築しています.そして,情報化社会の中核となる総合職,技術職,研究・教育職に向けて,幅広い基礎学力と実践力,問題解決能力を備えた人材の養成を目指し,様々な事業に取り組んできました.たとえば,高等学校情報科教員の課程認定の取得(平成13年度),博士前期課程入試弾力化の実施(平成12年),インターンシップの導入(平成9年度),さらには,国際的にも注目されているLSI設計コンテストの主催(平成10年度),修士・博士課程学生の海外大学・研究機関への派遣(平成13年度)等を行なってきました.

本学科の教育上の特色は,入学後間もない1年次においてコンピュータの利用技術を実践教育で徹底的に学ばせ,コンピュータを自由自在に駆使する能力を養うと共に,勉学への自覚を培う方針を打ち出しています.また,2年次,3年次では,1年次で培ってきた技術を基礎として,コンピュータのハードウェア,ソフトウェアに関する原理や構造,情報システムの基礎技術を学びます.さらに,4年次では,各研究室に配属され,指導教員とともに,情報工学分野の基礎及び応用のテーマについて,研究を実施します.本学科のもう一つの大きな教育上の特色は,学生個人が問題解決能力を身につけるための実践的講義や,英語教育に重点を置いていることです.そのために,学外より,起業家や専門家を招いた講義や,英語力スキルアップのための講義を学科独自で開講しています.また,全国の大学に先駆けて,大学院博士前期課程の語学試験(英語)はTOEFLを採用しています.

本学科のハードウェアの環境としては,高性能サーバー,PCクラスタ,デスクトップPCなど,ソフトウェア環境としては,各種プログラミング言語,シミュレーションソフトウェア,LSI設計ソフトウェアなどを用意しております.さらに,ネットワーク環境として,学科内LAN(有線,無線LAN)を,また,学外への接続に対しては,インターネットはもとより,データ通信回線や衛星通信回線,高速ギガビット回線が構築されております.これらの環境は定期的に更新しており常に時代の先端機器となっています.

さて,近年,技術の社会的影響がますます高まると共に,また,企業活動のグローバル化に伴い,国際的に通用する技術者教育が非常に重大な課題になってきております.このため,高等教育機関における技術者教育に対する評価の必要性から,1999年11月に日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education: JABEE)が発足しました.これは,大学学部および高等専門学校専攻科レベルの教育を対象として,工学教育を中心とした技術者教育プログラムの認定を行い,その国際的な同等性を確保すると共に,質の向上を目的としています.本学科は2005年にJABEEの認定を受けましたが,これは全国の情報系学科の中でもかなり早い時期での認定となりました.以上のように,琉球大学情報工学科は常に新しい改革を求めて教育・研究活動に取り組んでおります.このような教育環境の中で,本学科卒業生が,国内のみならず,広く世界の企業や教育・研究機関,及び官界で活躍することを期待しています.