■授業内容と方法 |
離散数学は有限な集合についての性質を取り扱う分野である。その応用は計算幾何学、計算代数を始めとしたディジタルシステムを学ぶ上で不可欠な数学である。また、離散数学は、計算機のハードウェア、ソフトウェアの基礎となる重要な数学的骨組みである。本講義では、まず、離散数学の立場から、有限集合を取り扱う。特に、有限の数の集合の中での整数論を講義する。整数論は数学の女王と呼ばれ、ピタゴラス以前から研究されてきた分野である。この理論は、非常に美しく、また、現代の情報科学の分野においては、符号理論、暗号理論などの分野で広く活躍している。本講義では、整数の成り立ちから始まり、素数の定義、その生成法、さらに、剰余類を詳細に説明する。そして、有限の整数の集合とその演算に関する性質である群・環・体の基礎を解説する。また、その応用分野として、符号理論、暗号理論を概説する。
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■達成目標 |
達成目標は以下である。 0)整数の性質(四則演算)から始まり、ユークリッド互除法を完全に理解する。 1)剰余類の計算を修得する。 2)合同方程式ax+by=d (mod c)の解法を学ぶ。 3)素数の性質と判別法、生成法について理解する。 4)中国人の剰余定理(連立合同方程式)を学ぶ。 5)群、環、体の理論を理解する。 6)符号理論・暗号理論の基礎を学ぶ。
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■評価基準と評価方法 |
上記達成目標をクリアすることが評価につながる。特に、自ら計算を行い、ユークリッド互除法をコーディングし、また、素数判別法のアルゴリズムを理解できることを評価としている。 評価方法は、まず、週ごとの演習問題を完全に解法してくること(20点)。また、中間テスト40点、期末テスト40点とする。
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■履修条件 |
情報数学1を履修しているほうが望ましい。高等学校の四則演算の知識で十分です。
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■授業計画 |
1.情報数学2概説と和の性質 2.ユークリッド互除法入門から拡張ユークリッド互除法。 3.出張のため演習を課す。(11月6日は補講:ユークリッド互除法演習) 4.整数論の基本定理(素因数分解野一意性)から素数入門。 5.フェルマーの小定理とエラストテネスのふるい。 6.オイラーの定理からオイラー関数 7.合同方程式入門(1)(合同方程式入門(2)) 8.中間試験(これまでの範囲) 9.群論入門 (群論入門演習) 10.環、体論入門 11.連立合同方程式(中国人の剰余定理) 12.多項式環とその演習 13.符号理論入門 14.符号理論入門とこれまでのまとめ 15.本講義の総括 16.期末試験
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■事前・事後学習 |
事前学習:高校時代に修得した最大公約数、最小公倍数の勉強を行っていてください。 また、素数というものはどんな数であるかを調べていてください。 事後学習:とにかく、紙と鉛筆、そして、ときどきコンピュータで計算を行います。楽しみながら勉強できるように頑張りましょう。 特に、ハミング符号や公開鍵暗号に関する分野を調べていてください。
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■教科書 |
ISBN |
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■参考書 |
ISBN |
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■備考(メッセージ) |
情報数学は、情報工学、情報科学を学ぶために必須となる科目です。特に、整数論は楽しく学べますので、しっかり計算しましょう。
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■オフィスアワー |
月14時-15時30分 (後は随時受け付けます。メールで事前連絡お願いします)
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■メールアドレス |
shiro@ie.u-ryukyu.ac.jp
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■URL |
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