■授業内容と方法 |
人間にとっては、たやすいことだが、それをコンピュータで実現することが難しいもののひとつに、パターン認識がある。パターン認識とは、情報の現実世界における出現形態である文字パターン、図形、音声波形などのパターン情報を認識して、約束された概念、カテゴリーとして同定することをいう。パターン認識の研究分野は,人間の知的機能の情報処理の仕組みの解明とコンピュータを用いた機能の実現を目指す、認知科学の基礎をなしている。本講義では、認知科学を工学的に研究する分野を「認知工学」と呼ぶことにし,この分野の理論的基礎を述べる。 毎回、重要な課題ごとに理論、例題、宿題の形式で行う。宿題のテーマは、その日の目標が明確になるように、授業のはじめに提示する。
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■達成目標 |
下記に示す各項目において、パターン認識に関する用語の具体的内容及びその有効性、適用範囲を説明できること(専門性(H-2))、パターン認識の理論が応用できる新たな対象を提案できること(課題解決能力と創造性(G-1))、およびパターン認識の基本的なアルゴリズムをプログラミングできること(実践性(F-1))である。
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■評価基準と評価方法 |
評価基準:以下のことができること。 (1)パターン分類の対象の例を示す。G (2)相違度尺度の例を作り、数学的な意味で「距離」であるかどうかをチェックする。H (3)DP のプログラムの作成と考察。F (4)統計的決定法の例を作る。G (5)単語音声認識の論文を読んで考察。H (6)HMMにおける尤度の計算。H (7)パターンの境界面の方程式を求める。H (8)パーセプトロンの実行。F (9)排他的論理和をニューラルネットで構成。F (10)KL変換の計算。H (11)クラスタリングの応用例を提案。G (12)遺伝的アルゴリズムの応用例の提案。G
評価方法: 受講状況(20%)、宿題(20%)、中間試験(30%)、期末試験(30%)を総合して判定する。
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■履修条件 |
線形代数学、確率および統計、情報理論を履修していることが望ましい。
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■授業計画 |
第1回(4/12) 認知工学とは 第2回(4/19) パターンの類似度と最近傍決定則 第3回(4/26) 時系列パターンの照合 I 第4回(5/10) 時系列パターンの照合 II 第5回(5/17) システムの評価 第6回(5/24) 統計的決定理論 第7回(5/31) 距離と統計的決定 第8回(6/ 7) 時系列パターンの確率モデル 第9回(6/14) 中間試験 第10回(6/21) 識別関数 第11回(6/28) パーセプトロンと学習の定理 第12回(7/ 5)ニューラルネット 第13回(7/12) 特徴軸の選択 第14回(7/19) クラスタリング 第15回(7/26) 遺伝的アルゴリズム 第16回(8/ 2) 期末試験
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■事前・事後学習 |
予習:シラバスを見て教科書の当該部分を読んでおくこと。 復習:毎回宿題があるので、できれば2日後に課題をこなして、次週必ず提出すること。チェックして次の週に返却するので、添削されたところを復習しておくこと。宿題に3時間以上かかった場合は、その旨レポートに記述すること。
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■教科書 |
ISBN |
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■参考書 |
ISBN |
鳥脇純一郎「認識工学」コロナ社
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4339010596 |
石井・上田・前田・村瀬「わかりやすいパターン認識」オーム社
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4274131491 |
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■備考(メッセージ) |
ニュースグループ: ura.ie.classes.recognition WebClass 教科書は、授業の1時間目に販売する。(1,000円)
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■オフィスアワー |
火、木の9:00-10:00
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■メールアドレス |
takara@ie.u-ryukyu.ac.jp
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■URL |
http://www.iip.ie.u-ryukyu.ac.jp/iip/takara.html
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