Posts Tagged ‘4年次’

(Ref/提言) 魔法の 10000 時間

月曜日, 8月 10th, 2009

(出典: あなたも「天才」になれる? 10000 時間積み上げの法則

自分も考えてみるに、「どんなデータでも解析できる」「研究に必要な基礎技術は全部身に付いた」と自信が持てるまでには、修士から数えて約8年かかりました。この集中した時間の投入があったからこそ、なんとか一人前になれたわけで、これ以外には方法はなかったように思います。

しかし「なんだ、それではやはりダメじゃないか」「自分には時間がないから無理だよ」と決めつけるのは早いと思います。10000 時間の積み上げは、なにも 10000 時間経たないと変化がないと言っている訳ではなく、常に上昇しながらの 10000 時間だからです。

もし、あなたが一生を費やしても実現したい、大成させたいと願っているスキルがあるのなら、次の 10-12 年、毎日何らかの形でそのスキルを磨く「仕組み」を取り入れるのは有効かもしれません。

似たような事例は他にもいろいろと出ていますので,それぐらい普遍的なことなのでしょう.

そして,上記引用先でも触れられていますが,仮に1万時間を10年かけてやろうとすると1日3時間弱で達成できますが,仕事をしながら毎日3時間別のことのために確保し続けるのは容易ではありません.だからこそ【学生時代の積み上げがいかに大切かということを表しているといっていいと思います。(同出典)】なのです.

あなたは人生をかけてやり遂げたいものがありますか?
もしあるのなら,今からどのぐらい時間を割くべきか考えて行動に移すべきです.
もしないのなら,まずは夏休みをそれを探すための時間に使ってはどうですか?

関連URL

夏休みの(継続して実行する)目標設定のススメ: プログラミング編

金曜日, 8月 7th, 2009

学生の皆さんはそろそろ夏期休暇に入りますね.
だいたい40日ぐらいになるようですが,この機会に何か一つで構わないので続けて頑張る目標を見つけ,継続して実行しましょう!

どんな苦手な物であっても,文字通り毎日少しで構わないので続ける事で得られる物があります.
何でもやらないまま放置しているとあっという間に失ってしまいますが,継続することで定着率が大きく変わります.

以下,1〜3年次向けの「夏休みの課題」設定例です.


(Opinion) プログラミングが何やってるのかサッパリ分からない!

ターミナル上で動かすことを前提としたゲームで構わないので,ミニゲームを作ってみましょう.

  1. まずはポーカーのようなトランプゲームや,数当てゲーム,バックギャモンのようなボードゲーム等,何かしらゲームを一つ選びます.
  2. そのゲームをどのように実行したいか,ユーザとしての立場から使い方を設計します.
  3. ユーザを希望通りに遊ばせるために,システム側がどのような入力を受け取り,どのように処理し,どのように出力すべきかを検討します.
  4. ゲームの開始から終了までの動作フローを整理し,疑似言語やフローチャートでプログラミングします.
  5. 疑似言語やフローチャートとしてシステム全体を描く事ができれば,その設計図を元に一つずつ機能を実装&テストを繰り返していきます.
  6. 全ての機能を実装し終えたら,システム全体を通した動作確認を行い,何も問題が出なければそれで終了!

このように,「プログラミング」はシステム開発全体における一部分でしかありません.何か作りたい物を最初に決め,その詳細を検討してから実現に向けて取り組む事で,少しでもプログラミングの意味が見えてくるのではないでしょうか?

(Quiz/4年次) 学科システム/サービスのあるべき姿

木曜日, 8月 6th, 2009

2009年8月時点で,情報工学科が提供している学科サービスには以下のようなものがある.

  • LANインフラ: 有線/無線LAN.最近無線LANは総合情報処理センターのサービス管理下に移行.
  • 学科基幹サーバ: DNS, Mail, Web, NFS, EasyPackage など.
  • PCクラスタ: 180台を用途別に編成.希望次第で仮想OS占有可能.
  • iMac: Adobe CS2かCS3あたりを数台にインストール済み.
  • Edy認証機
  • 鍵付きロッカー
  • 自習室(講義室兼用を含む)

一方,情報工学科が掲げる人材育成像が以下のように示されている.

(出典: 情報工学科学科概要

本学科では、情報工学に関する学識とともに、自ら判断し行動する豊かな創造性を持つ人材を育成しています。
このため、一人一台のノート型パソコンを購入してもらい、入学後直ちに利用技術を実践的に学ばせるとともに情報専門教育を開始し、学生の学習意欲に応えています。
また本学科では、システム情報工学、知能情報工学の2大講座を設け、システムと知能を融合させた特色ある教育研究体制を敷いています。
高度情報化社会を牽引するハードウェア、ソフトウェア、システム技術等について学び、実践的能力を身につけた情報技術革新に対処し得る幅広い知識と柔軟な思考を有する人材を育成しています。

上記を踏まえて,以下のクイズに答えよ.

  • 現在提供されている学科システム/サービスは,上述の人材像を育成する場として十分機能しているだろうか?十分足りているだろうか? 機能していない/足りていない点があればそれを指摘せよ.
  • 情報工学科を卒業する人材像として,不十分な点があればそれを指摘せよ.
  • その欠落している点を補う為の次善策について検討せよ.

(Quiz/4年次) 情報処理学会: 会誌「情報処理」 Vol.50 No.7, 特集記事「ライフログ」

木曜日, 7月 30th, 2009

(出典: 会誌「情報処理」 Vol.50 No.7 目次

特集 ライフログ
0.編集にあたって (大橋正良)
1.ライフログの実践的活用:食事ログからの展望 (相澤清晴)
2.プライバシ保護を考慮したケータイ行動ログの利活用について (佐藤一夫)
3.ケータイ・ライフログとしての実空間プロファイルと流通・管理技術 (小塚宣秀・森川大補)
4.ライフログに基づく実世界でのコンテンツ利活用 (木俵豊・是津耕司・河合由起子・水口充・宮森恒・柏岡秀紀)
5.ライフログ経験:センサが人生を変える (矢野和男)
6.虚血性心疾患に対するライフログの可能性 (中川晋一・八尾武憲)

(実際に記事を読みたい人は,私や情報処理学会に入会している先生らへお願いしてください.)

上記を踏まえて,以下のクイズに答えよ.

  • 「ライフログ」とは何だろうか?
  • あなたの生活の中で「ライフログ」として使えそうなデータは何があるだろうか?
  • そのデータを活用する事でどのようなサービス提供が考えられるか?

zshのススメ

金曜日, 7月 24th, 2009

金曜日はクイズじゃなくていろいろ紹介でもする曜日にしてみるテスト.
実体としてはその週毎に異なると思いますw

閑話休題.

栄えある(?)1回目は「zshのススメ」.
何はともかくやってみるべし.


Step1: zshをインストールする.

EasyPackage.app を起動して,shells/zsh をインストールしましょう.
これで分からない人は,以下のようにしてください.

  1. EasyPackage.app を起動.
  2. 上部メニュー「パッケージメニュー」から【一覧を取得】を選択.「Log」にいろいろ出力されると思いますが,2009年7月時点で以下のように local と latest のバージョン番号が 0.2.26 になっていればOK.もし異なっていたら,上部メニュー「EasyPackage」から【EasyPackageの更新】を選択しましょう.

    local epkg ver.0.2.26
    latest epkg ver.0.2.26

  3. アプリケーション内の左パネルから[shells]をクリックし,右パネルに表示される[zsh]を選択.
  4. 上部メニュー「パッケージ」から【インストール】を選択.


Step2: 動かしてみる.

漢のzshを開いて,「第24回 グッバイ野郎ども! コピペではじめるzshファイナル」から設定ファイルをコピペして動かしてみるべし.

これで分からない人向けの解説.

  1. 黒背景で表示されている「リスト1 コピー&ペースト対応${HOME}/.zshrc ファイル」をコピー.
  2. emacs でファイル .zshrc を新規作成する.

    prompt> emacs -nw ~/.zshrc

  3. 開いた .zshrc に,さっきコピーした設定ファイルをペーストし(張り付けして),保存する.
  4. zsh を起動する.仮起動するだけなら以下のようにするだけです.

    prompt> zsh


Step3: 何が凄いのか.

まずは漢のzshの第1回から3回ぐらいまでを読んでみましょう.

これで凄さが分からない場合には,ヒストリ機能の凄さを味わうために取りあえず以下の手順1〜手順3を試してみてください.

(手順1) 「test」と書いたhoge.txtを作成し,Webサーバにアップする.

accountは各自のアカウント名(e095700など)にしてください.

prompt> emacs hoge.txt
prompt> rsync -auvze ssh ~/Sites/ account@www.ie.u-ryukyu.ac.jp:~/public_html/

以下のように暗号化の為に RSA キーを使うかの確認が始まりますが,必要な事ですので yes と答えて接続してください.

The authenticity of host ‘www.ie.u-ryukyu.ac.jp (133.13.48.7)’ can’t be established.
RSA key fingerprint is xx:xx,,,xx.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?


(手順2) ファイルがアップロード出来た事を確認する.

Safari で以下のURLを参照しましょう.test と表示されますか?

http://www.ie.u-ryukyu.ac.jp/~account/hoge.txt


(手順3) ファイルを更新して再度アップロードする.

まずは hoge.txt を開いて,test2 にするなり少し編集して保存しましょう.

prompt> emacs hoge.txt
prompt>

 ここで,通常のシェルでヒストリを利用するには「カーソルキーで上(もしくは Ctrl^p)」を押したりします.今みたいに「ついさっき」使ったばかりのコマンドであればそれでも簡単に見つかりますが,いろいろ作業しているとごちゃごちゃするし,「1週間前,1ヶ月前」のコマンドだったりする事もあるでしょう.
 そんなとき,zsh であれば「rsync」まで入力してから「カーソルキーで上」を押すと,そのコマンドに関するヒストリだけを遡ることが出来ます.つまり,

prompt> rsync

まで入力してから「Controlキー + P」を押すと

prompt> rsync -auvze ssh ~/Sites/ account@www.ie.u-ryukyu.ac.jp:~/public_html/

青字部分が自動で補完されます.

 もちろん,同じ rsync コマンドを使った異なる履歴(違う引数を指定して実行した履歴)があれば,「Controlキー + P や、Controlキー + N」を押す事で随時遡ったり,前に進んだり出来ます.


関連リンク

(Quiz/4年次) 科学論文の英語用法百科: according to

木曜日, 7月 23rd, 2009

以下は「科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現, pp.12-17.」からの抜粋です.

[1] According to the entropic effect, the polymer tends to occupy a large spatial region.
[2] According to the primitive method of obtaining these curves, they contain some unnatural parts.

上記は,according to の誤用であり,結果として異なる意図が伝わってしまう.

  • それぞれどのようなニュアンスで according to を使っているだろうか?想定出来る解釈を述べよ.
  • それぞれ曖昧さを回避するためには,どのように表現するべきか?

(Quiz/4年次) 科学論文の英語用法百科: about

木曜日, 7月 16th, 2009

以下は「科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現, p.6」からの抜粋です.

[1] These values are all about 2.0.
[2] These cross sections are all about the same.

上記は,about を使うことによって表現が曖昧になる例文である.

  • 「表現が曖昧になる」とは,複数の解釈が考えられてどう解釈したら良いのかが分からないという意味である.それぞれどのようなニュアンスで about を使っているだろうか?想定出来る解釈を述べよ.
  • それぞれ曖昧さを回避するためには,どのように表現するべきか?

P.S.
この本はいろんな誤用・表現が網羅されてるだけでなく,検索出来るようにPDFファイル(英語版)がCDに収録されているので,お勧め!

(Quiz/4年次) 卒業研究: 科学的方法

木曜日, 7月 9th, 2009

Wikipedia:科学的方法より)
科学的な方法のプロセス [編集]

科学的方法には、そのプロセスに以下のような要素が含まれるという特徴が有る[1][3][13][14][15]。簡単に言えば、科学的な調査手法は「仮説の構築」と「その検証」の延々たる繰り返しとみなせる[1]。

  1. 先行研究のリサーチ:過去の論文などを調べ、何が分かっていないのか、自分の知りたいことを解明するにあたり、有効な手法がないか、比較、参照する上で有益なデータがないかを調べる。
  2. 予備実験、基礎検討及びその解析:リサーチクエスチョンの抽出や仮説、モデルの構築、オーダーエスティメーション実験の問題点などの評価、最適条件の探索のために行う実験。
  3. 仮説の構築 (Hypothesis) : 観察事象について思索を巡らし、仮説を考案すること。仮説とは、推測ではあるが、観察した現象や事実を説明できるものである。例えば、なんらかの周期性や法則性などはそれに当たる。
  4. 実証実験 : 仮説が正しいか、否かを、客観的な形で検証するための、デモンストレーションを前提とした実験。
  5. 解析、整理、論文執筆:
  6. 公表 : 結果を他者に伝えること。

上記を踏まえて,以下のクイズに答えよ.

  • 自分の研究テーマで分かっていない事,明らかにしたい事は何か.関連文献を十分に調査したか.
  • 調査結果を踏まえた上で,先行研究との違いはどこにあるのだろうか.その違い(新しい点)はどのぐらい取り組む価値があるのか.
  • そのテーマを客観的な形で評価するにはどうすれば良いか?

(Quiz/4年次) 卒業研究・情報英語: 代表的な参考文献

木曜日, 7月 2nd, 2009

社会は情報を共有し合い,新たな情報を生み出す事で発展してきたという側面がある.学術研究においてはこれをより効果的に実現するために,成果を論文(ジャーナル)として発表し,それに関連する文献を参考文献として示す事が一般的に行われている.これは,その論文が学術的にどのような位置にあるのかを示す役割,既知知見を冗長に引用する事を省略する役割,そして先行者への敬意といった事が主な目的である.

上記を踏まえて,以下のクイズに答えよ.

  • 自分の研究テーマに則した代表的な参考文献(英語)は何だろうか.ここではメディア(ジャーナル/書籍/Webサイト等)を問わないものとする.
  • その代表的な参考文献が引用している文献には何があるだろうか.
  • これらを踏まえて,自分の研究がどのような場所に位置づけられるのか,検討せよ.

(Quiz/4年次) セミナー: 輪読

木曜日, 6月 25th, 2009

目的ややり方は多種多様であるが,一般的に輪読とは

(大辞泉より)
【輪読】
数人が一つの本を順番に読んで解釈をし、問題点について論じ合ったりすること。「徒然草を—する」「—会」

というグループワーク形式で行われる勉強会の一つであり,「(主に担当者が)調査→解釈→整理→発表→(全員で)討論」といったプロセスで実施する事が多い.

大抵は参加者の理解度が低いものを勉強対象としており,それをグループワーク型で実施するため,例えば以下のような効果が期待出来る.括弧書きは一人でも可能であるが,他人とのインタラクションによりそれを強化出来るという意味で記載している.

  • (関連文献をサーベイする行為の定着.)
  • (大量の文献を対象とする事による俯瞰視点での捉え方.)
  • 他人の解釈・意見等を交えた討論で様々な考え方に触れる事による相乗効果.
  • 分かりやすく伝える(資料作成を含めた)プレゼンスキルの向上.
  • 分かりやすく伝えるといっても,限られた時間で終了する必要がある事から,時間を有効活用する工夫に関する自助努力の定着.
  • 解釈や討論を通した問題発見・課題設定力の育成.

上記を踏まえて,以下のクイズに答えよ.

  • 輪読担当時に工夫している事を述べよ.
  • 他の担当者の発表や,討論を通して得られた知見を述べよ.
  • これらの事を後輩にうまく伝えるためにどのような方法が考えられるか,検討せよ.