コンピュータネットワーク-基礎から簡単な応用・小規模家庭内LANまで

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講義の予定

プロトコルの基礎、LANのプロトコル、インターネット、

TCP/IPプロトコルなど。簡単な実例として家庭内LAN構成法などを含む。1日8時間1日連続講義。

大変もうしわけありませんが、夜、8:30からの講義はキャンセルさせていただきます。

講師:琉球大学工学部情報工学科 助教授 河野真治

99/09/30

 9:30〜12:00 
       Internet 入門
		 IP
		 Ethernet/PPP/ISDN
		 arp
		 DNS
		 routing
		 router/switch/hub
		 Voice of IP
		 無線LAN

13:00〜14:30
       LAN構築の実際
		配線
		DHCP
		DNS
		Unix と Windows
      実習
		Ethrnet/IPの設定

15:00〜17:00
	 実習
		MN128 SOHOの設定
		Network 接続
		NAT
		PHS
		Voice of IP

20:30〜22:30 cancel


Internet 入門

	
    


インターネットとは

インターネットとは、複数のネットワークがつながったものです。特に、Internet というと、アメリカのArpanetを起源とした Unix と TCP/IP を中心に構成されたインターネットをさします。

internetの図


ネットワーク

ネットワークとは、ネット=網、ワーク=作品、ということで網状の構成をもつものという意味です。ここでは、特にコンピュータどうしを接続したものをさします。ネットワークには基本的には二通りあります。


バス型のネットワーク
同じ線に複数のコンピュータを並列に接続するもの。安価であり、代表的なイサーネット(Ethernet)は爆発的に普及しました。長さに制限があり(数百メートル)ビル内などの接続に向いています。


ポイント対ポイント型のネットワーク
二つのコンピュータを繋げるもの。比較的長い距離をつなげられます。家庭や1台のコンピュータをInternetにつなげる時には、この方式を使います。

最近では、ネットワークの能力を高めるために、この二つを合わせたような星型の接続を行うことが多くなっています。

networkの図

Internetでは、このようなさまざまな形のネットワークが相互に接続されています。


インターネットの技術

Networkの図


Unix
アメリカのベル研で作られたOS。主として大学や研究所で使われていた。開放的なOS。最近では「Free」なものもたくさん登場しています。


TCP/IP
Internet Transmission Control Protocol インターネット上で通信される方式。これもUnixが起源です。プロトコルというのは儀礼という意味で、決まった手順で通信することをさします。つまりプロトコルが異なると、そのままで通信できません。TCP と IP の二つの階層に分かれます。
  • TCP 連続したデータの流れ
  • IP 単発のデータ


アドレス
TCP/IPで使われるネットワーク上のアドレス。アドレスは全世界でユニーク、つまり、同じアドレスは世界で二つ以上あるということはありません。しかし、2の32乗しかないので、みんなが困っています。このアドレスは、ネットワークとホストというように二つに分けることができます。さらに同じホスト(コンピュータ)の中では、ポート番号というのがついて、複数の接続ができるようになっています。


ポート番号
いくつかのインターネットのサービスは、決まったポート番号が振られています。例えば、WWWだったら80とか。1024以上は、自由に使って良いことになっています。基本的に早いもの勝ちで使います。1024以下は、世界中で統一して決めることになっています。


PPP
Point to Point Protocol 電話線やISDNでTCP/IPを通すためのプロトコル。


ISDN
高度情報通信ネットワーク。電話のデジタル通信版。普通の電話として使うこともできますが、TA(Terminal Adaptor)というものが必要です。2回線使うことができ、普通の2回線分よりも安い値段設定になっています。


CATV
ケーブルテレビの回線を利用したネットワーク。下り方向に高速であるという特徴を持ちます。


PHS
弱い電波を使った携帯電話。64kbps と携帯電話の中では比較的高速。PIAFS というISDNと相性の良いプロトコルを使います。


ドメインネーム(階層型名前づけ)
番号では人間が扱うのに向いてないし、政治的にも不便です。そこで、階層型の名前づけが用意されています。日本では以下のようになっています。
  • jp 日本を表す。
  • ac.jp 大学や高校 (academic)
  • co.jp 企業 (company)
  • ne.jp ネットワークプロバイダ (network)
  • go.jp 政府機関 (goverment)
  • or.jp 非政府組織 (organizatoin)
  • u-ryukyu.ac.jp 琉球大学
  • u-tokyo.ac.jp 東京大学
  • ie.u-ryukyu.ac.jp 琉球大学の情報工学科
  • cr.ie.u-ryukyu.ac.jp 琉球大学の情報工学科の並列研究室



インターネットのサービス


WWW

World Wide Web (世界的規模の織物) インターネット上のサービスの一つ。画面のボタンを押すだけでさまざまな情報を得ることができます。個々の情報は URL という一種のアドレスがついています。URLを決まった方式で書いておくことにより、その情報と別な情報をつなげることができます。これをリンクといいます。例えば、<a >これが</a>HTMLの使い方です。というように使います。


HTML
Hyper Text Markup Language。WWWの情報を記述するプロトコルです。SGMLというより一般的な規約の部分になっています。


E-Mail
電子メール。インターネット上でやりとりする手紙です。普通の郵便よりも速く、電話と違って相手がその場にいなくても良く、多量のデータを送ることができます。


E-Mail address 電子メールアドレス
kono@ie.u-ryukyu.ac.jp のようにドメイン名にユーザ名を付けることによって個人のアドレスを表します。一人の人が複数のアドレスを持つこともあります。しかし、逆に一つの電子メールアドレスを複数の人が使い分けるのは良いとはいえません。電子メールアドレスは全世界で通用しなければなりませんから、alphabet を使う必要があります。


Netscape
最初のWWWを見るための道具(Broswer ブラウザ)Moasicを作った人達が作ったブラウザ。Microsoft は、Internet Explorer というのを対抗して出しています。


情報検索サービス
WWWでは、情報はランダムにリンクされています。それを検索するためのサービスです。WWWを自動的に検索するロボットで作られるものだったり、情報提供者に登録してもらうものだったりします。Yahoo が有名ですが、その他、いろいろなものがあります。


その他のサービス
  • メーリングリスト
  • ネットニュース
  • ftp
  • IRC
  • CGI




インターネットへのつなぎ方

日本のインターネットは、最初は慶応大学、東京工業大学、東京大学の3つがつながって始まりました。これは、村井純という先生が、大学をこの順序に渡り歩いたからです。昔は「人がつながって、初めてネットワークがつながる」という感じでした。今では、プロバイダ(提供者 provider)という会社があるので、そこに接続を申し込めばいつでもつなげることができます。プロバイダは、普通は大きな容量を持つネットワーク(バックボーン、背骨、Backbone)を持っています。それを共用で使わせてもらう代わりに使用料を払うことになります。




インターネットの礼儀

インターネットは、最初、大学や研究所で広まったために、比較的自由な雰囲気を持っていました。どちらかというと、生善説的な感じでした。特に、「give and take」として、自分が情報を得る代わりに、自分も情報を提供する、自分の情報を中継してもらう代わりに、相手のにも中継してもらうというところがあります。自分だけが一方的に得をするような使い方は望ましくないとされています。例えば、一度にたくさんの人(千人とか)にダイレクトメールを送り付けるのは良くないとされています。また、ネットワークの容量を占有するような使い方、メールアドレスなどを偽造したりするのは良くないとされています。

また、生善説を取って来たインターネットでは、セキュリティが十分であるとは言いがたいところがあります。特にアドレスの偽造や盗聴に弱いことが知られています。それは各人で気を付けるか、より防御的で(ある意味で不便な)ものを使う必要があります。Firewall、SS、OTPなどは、そういう防御的な技術の例です。

インターネットは異なるポリシー(policy)を持つ個人や集団の集まりです。自分の考えを相手に押しつけたり、相手の考えを一方的に否定したりすることは争いの原因になります。そういう時は、頭を冷やす、無視する、というのが普通です。




インターネットにかかる時間

知らず知らずのうちに時間を使ってしまうのがインターネットです。不規則な生活にならないように気を付けましょう。




インターネットにかかるお金

まず、コンピュータがないと話になりません。最新式のものは高価です。また、今は2年で「まったくの時代遅れ」になってしまいますので、個人で最新式に追従するのは不可能です。性能の低いコンピュータでインターネットを活用するのは、技術のいる作業です。しかし、技術で補えるものだとも言えます。TAは最近大変安くなって1,2万円で手にはいるようです。

次に、電話代とプロバイダのお金がかかります。もし24時間接続したいのならば、月6万程度かかると考えれば良いと思います。しかし、一日2-3時間なら1万円から2万円というところでしょう。24時間接続は便利ですが、個人では不要なものです。しかし、法人(学校とか企業)では24時間接続が基本です。琉球大学ではSINETという大学を中心としたネットワークに接続しています。

もし自分で情報を提供するとすると、その情報をおく場所を用意する必要があります。24時間接続を持っていれば、それは自分のコンピュータで構いません。しかし、アクセスが集中するようなら、それなりの能力のあるコンピュータを用意しなくてはなりません。一方、プロバイダがそのような場所を提供していることもあります。その情報の量(何メガバイトか)に応じてお金をとることが多いようです。

ISDNにする必要があるか? ISDNでも普通の電話でも速度の差はほとんどありません。しかし、ISDNの方が最低限の通信品質を保証しているのが大きな利点です。2回線の電話を使うよりはISDN1回線の方が経済的にすぐれています。インターネットと通常の電話を使いわけるのは困難ですから、ISDNにする方が良いといっていいわけです。ただし、デジタル接続は、離島特例がありませんので、距離に応じて課金されてしまいます。デジタル接続の場合は、同一局にプロバイダのアクセスポイントがあることが必須と言えるでしょう。ISDNのアナログ接続では、098ならば3分10円です。

ISDNでは、TAからアナログとデジタルの二つのつなげ方ができます。アナログは既存の電話とまったく同じと考えてよいものです。ここでのデジタルというのはコンピュータの後ろに付いている通信のための端子(RS232C)のことです。普通の電話からデジタル信号を取り出すにはモデムが必要です。ISDNでは、TA から直接にデジタル信号を取り出すことができます。この方が効率よく信号を送ることができます。ただし、アナログの技術もあがってきたので昔ほど効率に差があるわけではありません。また、TAからPPPを通して、直接にネットワークを構成することもできます。このようにすると、コンピュータは、ISDNをまったく意識せずに普通のネットワークとして扱うことができます。今後は、このような接続が一般的になっていくことでしょう。


本来、インターネットの技術は、距離と時間に依存しない技術です。その意味で大都市や一極集中型の社会を大きく変える可能性があります。しかし、WWWは、インターネットの技術としては未成熟で距離と時間に大きく依存してしまいます。これから、また、WWWを大きくしのぐ技術は出て来ると思いますが、それでもWWWは、既得権的なアクセス・プロトコルとして残っていくことは間違いありません。


インターネット上の商売

インターネット上の商売は二つに分かれます。
  • インターネット上で閉じている
  • インターネット上で閉じていない
yahooやプロバイダのような商売は、インターネットの外とまったく関係しない商売ですから、インターネット上で閉じているものです。最近は、インターネット上のダイレクトメールや鼠講などもありますが、これらは不道徳的とされています。

インターネット上の通信販売や宣伝はなどは、インターネットは補助的に使われているだけでインターネット上で閉じているわけではありません。このようなものは、普通の商売と代わりないと言えるでしょう。

電子マネーや認証技術等を使って、よりインターネット上で閉じたサービスを充実させようという動きもありますが、特にそれが重要だと言うわけではないと思います。

インターネットは単なる商売の場ではなく、むしろ、新しい距離と時間を越えたコミュニケーションの場です。その場を商売としてではなく、自分を表現するための場所、自分の存在を確認するための場所、そして、他人の存在を尊重するための場所として開拓していくことが重要だと僕は考えています。




インターネットの詳細


IP


Ethernet/PPP/ISDN


arp


DNS




routing


router/switch/hub

イサーネットでつながっているネットワーク

長さに制限があります

ブリッジはイサーネットとほとんど同じ

長さを伸ばすことができます (回数に限界あり)

ルータはブロードキャストを通さない代わり、いろいろな制御が可能だったり、長さや回数の制限を逃げることができます

ルータは2枚のイサーネットアダプタから作ることができます


Voice of IP


無線LAN


Mail



	


LAN構築の実際

		


Unix と Windows


配線


DHCP


DNS


実習


Ethrnet/IPの設定


MN128 SOHOの設定


Network 接続


NAT


Virtual IP


PHS


Voice of IP


連絡先

Kono's home page http://www.cr.ie.u-ryukyu.ac.jp/~kono</a>


持ってくもの

	note PC 300CT  x  4
	Think PAD x 1
	dumb hub x 2
	CISCO 3600 x 2
	電話機 x 2
	コンセント
	ケーブル
	10baseT ケーブル作成キット
		10baseT 4
		クロス 1
	Projector

Shinji KONO / Fri Oct 1 07:09:52 1999