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From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 30条と49条 ( 罰則関係 )
Date: 03 Oct 2000 21:58:48 +0900
Organization: Center for Information Science, Wakayama University
Lines: 56
Message-ID: < m3d7hiytbr.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp> 
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ひで＠和大、です。

yamane@ic.src.ricoh.co.jp writes:
>  「2)」の例として「第三者へ貸与したりする」とあるのが「30条によって適法
>  に複製された複製物でも目的外使用は著作権者の許諾を得なければすべて違法」
>  という解釈を生んでいるのでしょうが、ここを「個人使用のために録音したテー
>  プを事後に事業のために使用したり、個人使用のために録音したテープを事後
>  に事業のために第三者に貸与したりする」と読むと、これはたしかに著作権者
>  の許諾を得ないと49条(?)によって違法行為になりますよね。

どうして「事業」なんて概念を持ち込めるんだろう......
「第三者」の解釈論なら判るけど、何の脈略もなく「事業」って概念
を持ち出す理由は何？
そもそも、49条は「業であるか否か？」を要件とはしていません。
あくまでも「公衆への提示」がその要件であって、「公衆への提示」
は「業」とは全く関係のない概念です。

なんか、「と」な雰囲気が醸しだされている気がするけどなあ.....
「ここを・・・と読むと」なんてのは、典型的な「と」な論理だと
思うんだけどなあ.......
無茶を通り越しているよなあ......

＃ ちなみに、私個人は、「第三者」解釈論を誰か持ち出してくれない
＃ かと密かに期待していたんだけどなあ....

「権利の制限」の中で「業」って概念が直接出てくるのは38条ぐらい
じゃないかなあ。この場合、業であっても無償・非営利ならば貸与に
よる公衆への提示が許される訳で......
そもそも、教育なんてのも私にとっては「業」な訳で......

＃ 自動車免許を有しているものが、如何なる状況であれ、運転中に
＃ 人身事故をおこして人を死に追いやったとするなら、それは「業
＃ 務上過失致死」に当たる訳で。意図的なら殺人罪の適用も視野に
＃ 入れないといけないけど。法律で言う「業」ってのは、このレベル
＃ なんだけどなあ.....

>  あと、「III 1.」にある「3)の場合の詳細については、「IV.その他の録音・
>  録画に関する著作権問題」で取り扱うこととする。」というのは多少変だと思
>  います。「3)」の例として「教員が自己の私的使用のために作成した録音・録
>  画物を、自己が担任するクラスの授業において使用するときなど」とあるのに、
>  「IV.その他の録音・録画に関する著作権問題」にあるのは「授業の過程にお
>  いて使用することを目的とする複製」なのですから。

だから、30条の私的使用目的の複製以外の「権利の制限」も複製の事後
使用目的としてに適用できる、としたのが「III.1」の「3)」であり、
30条以外の「権利の制限」に対する考察が「IV」なんでしょう？
「3)」のケースに該当する事例については、「IV」で述べるものを準用
してね、って論理でしょう？どこが「変」なんでしょう？

蛇足：
必死で昭和56年報告の荒探しする人がいるけど、各論は別にして、構図
そのものはさほどおかしなものではありませんよ。むしろ、論理的には
良くできた報告書だとみなせます。ただ、その中で論じられている事象
については、議論の余地は多々あると考えますが........