No. 732/1090 Index Prev Next
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From: Hideaki Iwata
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: fj 社会での公正
Date: Sun, 10 Sep 2000 18:15:39 +0900
Organization: WAKWAK Internet service
Lines: 85
Distribution: fj
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Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11730
ひで@自宅、です。
自分自身の頭の整理のために、状況をまとめてみます。ご異論がありましたら
お申し出下さい。
議論の対象は
「“見逃しました。録画した人、テープ貸して下さい”という依頼記事をfjに
投稿した人」
と
「同依頼記事に反応し、自らが30条に基づいて録画したテープを貸そうとした人
(それまでは全くの他人であり、両者の間に友人関係は見受けられない)」
の人間関係
です。ただ、この問題はもう少し深く分析できます。つまり、今まで赤の他人
だった二人が、fjで知り合った直後の人間関係です。よって「fjで知り合った直後
の人間関係」を「fj知人」と称し、fj知人に基づく貸与を「貸与関係」と称します。
一方で、著作権法では人間関係を語る上で二つの用語を用いています。一つは
「公衆」であり、もう一つは「家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」です。
後者は長いので、以降は「家庭内準拠」と称することにします。
その上で、「貸与関係」が「公衆」や「家庭内準拠」にどう関係するか、が議論
の焦点と分析します。
説1:「fj知人」は「公衆」に含まれる。
説2:「fj知人」は「公衆」に含まれず、「家庭内準拠」に含まれる
説3:「fj知人」は「公衆」にも「家庭内準拠」にも含まれない
各説が成立する理由はちょっと横に置いておきます。非常に重要な議題ではあり
ますが、現在は問題点の洗い出しに専念する予定です。
説1を採用した場合、貸与行為が実際に行われたとすると、49条1項に従い、貸与
行為を行った本人が「21条の複製を行ったものとみなす」必要が生じます。
従って、権原者の許諾なしに貸与行為に及ぶと、権利侵害となります。また、この
場合は119条の罰則規定も適用される可能性が発生します。
説2の場合、二つのケースを考える必要があります。
説2α(^_^;;)では、30条の解釈が焦点となります。30条は「複製できる」とし
ているため、複製行為時の状況を規定しているだけであり、複製時に30条の規定に
則った複製著作物の、後の利用規定を定めたのは49条のみである、という考え方
です。
その場合、説2によって「貸与関係」は「公衆」に含まれませんので、貸与を
行ったとしても49条違反にはなりません。また、26条の3の貸与権及び26条の頒布
権では、例えば「その複製物の貸与により公衆に提供する権利」と定められており、
あくまでも「公衆」がターゲットとなっている権利です。従って、「公衆」に含ま
れない「貸与関係」は、もともと著作者の専有事項ではなく、よって、実際に貸与
を行ってもいかなる権利も侵害することはない、となります。
説2βでは、30条の「複製できる」という表現は、複製時の状況のみならず、複製
後の複製著作物の利用形態まで縛っている、という解釈を採用します。
つまり、「私的使用目的に限り」「複製可能」である以上、後々まで同複製物の私
的使用目的以外の使用は許されない、という考えです。
仮にこの解釈を採用したとしても、説2αで示した通り、貸与権や頒布権は「公衆」
にのみ限定されているため、公衆に含まれない「貸与関係」には影響を与えません。
従って、実際に貸与を行ってもいかなる権利も侵害することはない、となります。
ただし、説2αとβのいずれでも、「貸与関係」は「家庭内準拠」に含まれるため、
「○月×日の△時から放送予定のチョメチョメという番組を、事情により見ること
ができません。ビデモの予約も事情によりできません。そこでどなたか、代わって
録画してくれませんか?」(以降、同依頼を「fj知人による録画依頼」と称す)
という趣旨の依頼行為に答えたとしても、それは30条に示された私的使用目的の
複製に合致することになります。
説3でも、説2と同様にαとβに区分する必要があります。
が、その結論は説3αは説2αと、説3βは説3αと同一となります。
つまり、いずれの説でも実際に貸与を行ってもいかなる権利も侵害することはない、
です。
しかし、録画依頼に答えた場合の扱いは説3αとβのいずれでも権利侵害となります。
「fj知人」は「家庭内準拠」に属さないため、30条の要件を満たさない為に複製行為
自体が許されない訳です。
なぜなら、21条は「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」と述べており、
貸与権や頒布権の様に「公衆」が要件に含まれていないからです。
ここまでとは異なるベクトルに、30条の解釈論があります。30条における「使用」と
いう概念に、「家庭内準拠の者に見せる or 聞かせる」という行為が含まれるか否か、
です。このベクトルを上記分析に加えると、話が一層ややこしくなるので今は置いて
おきます。というか、両者は区分して考えることが可能であり、区分しても特に問題
はないので、今は置いておきます。
で、亀山氏が考える「小倉説」は上記説のいずれに当たるのでしょうか?
あるいは、私の分析は不十分で、説4こそが小倉説となるのでしょうか?
お暇でしたら、お教えください。
# ちなみに、岩田は説1です:-)
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