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From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 30条と49条 (罰則関係 	)
Date: 27 Sep 2000 18:52:48 +0900
Organization: Center for Information Science, Wakayama University
Lines: 71
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References: < m3zokv22we.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp>  < 8qq4eu$9q4$1@news.trc.rwcp.or.jp> 
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Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11942


ひで@和大、です。
話が混乱しているみたいなんで、私なりに整理してみました。
抜けている部分や間違いがあったら御指摘して下さい。

kameyama@trc.rwcp.or.jp (Toyohisa Kameyama) writes:
>  亀山です.

>  そのように言ったつもりなんですが...
>  (もう少し厳密に...)

うーむ、頭が豆腐になってるのかも知れん....:-)

>  この引用の中のポイントは
>  
>  > >    49条所定の行為をなすには、著作権者の許諾を得るか、もしくは、
>  > >  複製、翻案に関する著作権の制限規定に該当しない限り、複製、翻案
>     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>  > >  禁止権の侵害となる。
>  
>  という部分です.

はい。ここまでは「複製」って部分ですよね。
この部分での議論は、

1. 30条に基づいて複製された著作物が存在する。
2. 例えば、教員が「授業の過程における使用に供したい」と思った
    場合、教員は1の複製物を使用することができるか?

ではありませんか?
35条における「使用」は、学校設備を使っての上映なんて行為も含ん
でいますよね。35条で直接的に権利が制限されているのは、授業の過
程における使用の為に、公表された著作物を複製する行為ですよね。

で、著作権審議会にしても先に引用した田村先生の著書にしても、仮
に当初は30条に基づいた複製物であっても、他の制限条項に合致する
限りは、事後転用しても良い、ってことですよね。

# ここまでは誰も異義を唱えていないと考えます。

>  38 条は複製に関する著作権の制限規定でない (たとえば, 4 項なら貸与権の制限)
>  ので, 複製権の侵害になる, という話なんですが...

で、こっちの問題は、38条4項ですよね。

>  コンメのように, "他の制限事項の適用" とだけ書かれていると
>  38 条にも適用するような感じをもってしまう可能性は高いかもしれませんね.

田村先生も、38条については「複製物が適法に作成されたことを要件
としていない」と書かれています(前掲171頁)。
従って私の考えは次の通りです。

1. 30条に基づいて複製された著作物(映画の著作物の複製物ではな
    い)が存在する。この複製物の存在は、適法。
2. 38条4項は、著作物の複製物(映画の著作物を除く)を無償・非
    営利で貸与により公衆に提示する行為を「権利の制限」と定めて
    いる。
3. 1の複製物は、2の要件を満たす限り、著作権者に無断で貸与
    したとしても、不法行為には問われない。
4. 1で示した通り、1の複製物の存在は適法である為、113条1項
    2号を適用する必要はない。

で、亀山さんは、

4'. 1で示した通り、1の複製物の存在は適法であるが、それを目的
    外に使用していることを使用者本人が承知している以上、113条
    1項2号を適用する必要がある。

ってお考えなんですよね。
違ったら御指摘下さい。

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