一変数多項式
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f : N → Nつまり、N から N への関数を考える。4則演算で定義された場合は、例えば
f( x ) = ( x²+ x - 1 ) / (x + 1)となる。
これは自然数に(逆数や負数と同じように)記号xを付け加えたものだとみなせる。
x の記号を使って四則演算したものをxの多項式という。その時、f(x) は多項式関数と呼ぶ。
複数の記号x y z を使って拡張したものも考えられる。f(x, y )とか g( x , y , z )とかで表す。(f x y , g x y z と書く構文もある)
多項式の逆元
単に記号的に処理すれば良い
x + (- x) = 0 x * (1 / x) = 1が成立するとする。ただし、多項式に 1 / x がある時には、x ≠0 という仮定があるとする。
f(x) / g(x) の逆元は g(x) / f(x) なる。この時に g(x) ≠0 , f(x) ≠0 という仮定があるとする。
問題 5.1 *
任意のxの多項式を3つ(f,g,h)作り、それぞれの足し算掛け算の逆元を求めよ。0除算の条件を明示すること。
多項式の分配則
今までと同じように多項式に関しても分配則が成立するとする。
( f(x) + g(x) ) * h(x) = f(x) * h(x) + g(x) * h(x)
変数の置換、関数の評価
上の f(x) で f(1) とは、x を 1 で置き換えて計算したものになる。
f( 1 ) = ( 1²+ 1 - 1 ) / (1 + 1)x を -1 とすると、f(x) は未定義となる。x + 1 ≠0 という仮定があるから。
この操作を多項式f(x)のxへの代入、あるいは f の 1 への適用という。
問題 5.2 *
任意のxの多項式を三つ定義し、そのグラフをその多項式の特徴がわかる形で Grapher / gnuplot で作成せよ。
多項式の標準形
多項式 f(x) は分配則などを繰り返し用いて( aₙ xⁿ + aₙ-₁ xⁿ⁻¹ ... a₁ x + a₀ ) / ( bₘ xᵐ + bₘ-₁ xᵐ⁻¹ ... b₁ x + b₀ )という形に変形できるはずである。ただし、元の式の0で割らない条件は残る。
問題 5.3
以下の多項式を標準型にせよ
1/(x-2) + 1/(x-3) + 1/(x-5) (x-3)(x-5)/(x-2)(x-4) (x + 3)² / (x - 3)²結果を Python または Wolfram alpha で確認せよ
問題 5.4
上の問題に類似した面白い問題を作成せよ
問題 5.3 *
変形前に代入しても、変形後に代入しても(0で割らない条件に反しなければ)結果は同じになる。(代入の可換性)任意のxの多項式を使って、変形前、変形後の代入と計算を並行して行うことで、これを例示せよ。
(証明しても良い)
問題 5.4 *
任意のxの多項式を3つ(f,g,h)作り、( f(x) + g(x) ) * h(x)と
f(x) * h(x) + g(x) * h(x)が同じ標準形を持つことを確認せよ。他の人と違う多項式を用いること。
Wolfrumalpha を用いて良い。
組立除法
(aₙ xⁿ + aₙ-₁ xⁿ⁻¹ ... a₁ x + a₀ )/ (x - b )を考える。aₙ' xⁿ + aₙ-₁' xⁿ⁻¹ ... a₁' x + a₀ ' と余り b' / (x - b) になるはず。
この割り算が割り切れる、つまり、 aₙ' xⁿ + aₙ-₁' xⁿ⁻¹ ... a₁' x + a₀ 'となる条件は何か?
問題 5.5 *
自分で例題を作り、組立除法をいくつか実行し、割り切れるように a₀ の値を調整せよ。
問題 5.6
(x + y)ⁿの係数の一般形を示せ (調べて良い)
問題 5.7
(x-3)(x-5)(x-2)(x-4) (x-2)(x+2)を展開し、組み立て除法が正しく動くことを確認せよ
既約と可約
xの多項式ψ(x)をゼロにするxをψ(x)の解という
ψ(x) = 0もし多項式が積の形で書けるなら、問題を分解できる。何故なら
x y = 0 ならば x = 0 または y = 0ということが言えるから。(証明は?)
xの多項式ψ(x)を χ(x)φ(x) のように多項式の積に書ける場合を可約、できない場合を既約という
既約性は、係数に使える数の性質に依存する。つまり、自然数、整数、有理数で答が異なる
可約な例
x² - 2x + 1 x² + 2x + 1
有理数上で既約な例
x - 1 x² - 2
n次多項式は n 個の一次式の積で書けてほしいが... x² - 2 とかがあるので有理数上ではできない。
で、どうする?