極限、最大、最小、中間値の定理
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Infinite Interval
a から b までの区間が位置xに依存するΔxで分割されているとする。分割された区間を全部足すと、長さになるようにする。やりたいのは関数f(x)の面積だったりするので、このΔxをできるだけ細かくしたい。つまり、Δxを無限小にしたい。すると分割は無限大回になる。つまり、超自然数を使って分解するようにしたい。この時にΔxは均等な大きさであるとしよう。
\[ \] \[ \sum_{a}^{b} Δ x = b - a\] \[ \]
という記法を用いる。aからbまでΔxを足していく。
\[ \] \[ Δ x + Δx ... Δx = b - a\] \[ Δ x * H = b - a\] \[ \]
Δx が無限小の時に このΔxの数は無限大Hになる。\( H = (b-a)/Δx \) とすれば良い。この計算は有限な値の時と同じ形式になっている。
自然数の等式や関数があった時に、そこに出てくる自然数を超自然数に置き換えても成立するという性質がある。これは超限解析の公理(natural extension)で、モデルから証明することができる。
一つのΔxだけ別に抜き出すと以下のようになる。
\[ \] \[ \sum_{a}^{b+Δx} Δ x = b - a + Δx\] \[ \]
これは最後の一つの項を分離したともみなせる。あるいは、\(\sum\)の無限小に対する定義がこれだと思っても良い。この式はΔx が有限でも無限小でも成立する。
このように有限な数で成立する論理式や等式は、超自然数や超実数に入れ替えても成立する。これを、natural extension 自然拡張という。
連続
Δx が無限小な時に、
\[ \] \[ f ( x + Δx ) ≈ f (x)\] \[ \]
または、同じことだが、もう一つの無限小Δyがあって\[ \] \[ f ( x + Δx ) = f (x) + Δy\] \[ \]
が成立することをxでf(x)が連続だという。Δx > 0 の時にのみ連続とかも定義できる。2つめの式はΔxとΔyが有限であっても成立する。
連続の例
\[ \] \[ f ( x ) = x の場合 f ( x + Δx ) = x + Δx なので Δy = Δx \\\] \[f ( x ) = x^2 の場合 f ( x + Δx ) = x^2 + 2xΔx + Δx^2 なので Δy = 2xΔx + Δx^2 \] \[ \]
どちらも Δy は無限小なので(全域で)連続
\[ \] \[ f ( x ) = x < 0 の時に 0、x >= 0 時に 1、x = 0 で f (x + Δx ) = f (x) + 1、それ以外で f (x + Δx ) = f (x) \] \[ \]
1は無限小でないので x = 0不連続
中間値の定理
f(x)が、aからbまでの区間で連続の時に、f(a)<0∧f(b)>0 ならば、f(x)=0となるa<x<bが存在する。一つとは限らない。
\[ \] \[ \sum_{a}^{b} Δ x = b - a\] \[ \]
を考える。無限大な超自然数H (0,...,(b-a)/Δx) を使って a から b の間にある点 y, y' を
\[ \] \[ y = Δx * H + a\] \[ y' = Δx * (H + 1) + a\] \[ \]
と表すことができる。y,y' はΔx の長さの区間になる。つまり、y' = y + Δx 。これは直接計算して確かめられる。Δx が無限小ならf(x)がyで連続ならば。\[ \] \[ f(y) ≈ f(y') = f(y + Δx)\] \[ \]
となる。2分法を超自然数Hに対して使って\[ \] \[ f(y) \le 0 ∧ f(y+Δx) \ge 0 な y = Δ x * h + a\] \[ \]
を見つけると\( f(y) ≈ f(y') \le 0 ∧ f(y) ≈ f(y') \ge 0 \) から、\( f(y) ≈ f(y') ≈ 0 \) がわかる。
平均値の定理
a から b までの区間が位置xに依存するΔxで分割されているとする。f が[a,b]全域で微分可能なら
\[ \] \[ f(x) + f'(x) Δx\] \[ = f(x) + (f(x+Δx) -f(x))/Δx * Δx\] \[ = f(x + Δx)\] \[ \]
この式はΔxが無限小の時に正確に成立するが、有限の時には誤差がある。有限な場合には、Δx > 0 で
\[ \] \[ f(x) + f'(x) Δx = f(y)\] \[ \]
となる y がx とΔx の間(x+Δy)にある。(Δy > 0で Δy<Δx)
これを示すには中間値の定理をf'(x)に使う。(めんどくさい)
テーラー展開
平均値の定理を繰り返す。f'(x) は
\[ \] \[ f'(x) + f''(x) Δy\] \[ = f'(x) + (f'(x+Δy) -f'(x))/Δx * Δy\] \[ = f'(x + Δy)\] \[ \]
だから、
\[ \] \[ = f(x + Δx + Δy)\] \[= f(x + Δy) + f'(x + Δy)Δx\] \[ = f(x) + f'(x)Δy + (f'(x) + f''(x)Δy)Δx\] \[ = f(x) + f'(x)(Δy+Δx) + f''(x)ΔxΔy\] \[ \]
Δx + Δy = Δz とする。
\[ \] \[ (Δx + Δy)^2 = {Δx}^2 + {Δy}^2 + 2ΔxΔry \] \[ΔxΔy = \frac{(Δx + Δy)^2 - {Δx}^2 - {Δy}^2}{2}\] \[ \]
なので、
\[ \] \[ = f(x + Δz)\] \[= f(x) + f'(x)(Δz) + (1/2)f''(x)({Δz}^2) + ? (あれ?)\] \[ \]
一般的に\(f^{(n)}(x)\)をn階微分だとして
\[ \] \[ = f(x + Δx)\] \[= f(x) + f'(x)(Δx) + (1/2)f''(x)({Δx}^2) + ...\] \[
+ (1/n!)f^{(n)}(x){Δx}^n\] \[ \]
となる。Δxが無限小なら正確に成立するが、有限の場合は誤差がある。
これは、無限階微分可能なら、関数の一点xの回りの無限小の挙動を全部知っているなら微分係数が連続な範囲で関数の値をすべて予測できることを意味している。
ただ、この級数が収束すればの話である。
指数関数のテーラー展開
\(a^x\) を考える。a≠0 だとする。
\[ \] \[ a^(x+Δx) = (a^x)(a^Δx)\] \[ \]
なので、\[ \] \[ a^(x)' \] \[= (a^(x+Δx) - a^x) / Δx\] \[ = (a^x)(a^Δx) - a^x) / Δx\] \[ = a^x ((a^Δx) - 1)/Δx\] \[ \]
ここで、((a^Δx) - 1)/Δx は、x に依存しない定数になってる。
つまり、指数関数\(a^x\)の導関数は、ある定数があって\(ka^x\)。
\[ \] \[ f'(x) = kf(x)\] \[ \]
というのが指数関数の特徴になってる。テーラー展開から、そういう関係があれば項が一つずれるので
\[ \] \[ f(x+Δx) = f(x)f(Δx)\] \[ \]
という性質があることがわかる。(ほんと?)
実際、指数関数をxの任意の値に対して、テーラー展開を使って計算できる。
これは、指数関数の入力を整数から実数に拡張したことに相当する。