CCNA1(1) の補足, Fri, 20 Apr 2007
From: tnal@ie.u-ryukyu.ac.jp (Naruaki TOMA)
Newsgroups: ura.ie.classes.studentlabs.info1
Subject: CCNA1(1) の補足
Date: Fri, 20 Apr 2007 09:58:17 GMT
Organization: Dept. of Info. Eng., Univ. of the Ryukyus, Okinawa,
Japan
當間@情報工学科です.
CCNA1(1) の復習用に,初回にやった分に関して補足
しておきます.
<設定したネットワーク>
ネットワークアドレス: 192.168.0.0/24
ルータの fa0: 192.168.0.1
mask: 255.255.255.0
PCのEthernet: 192.168.0.2
<設定の流れ>
トラブルシューティングをしやすくするため,幾つか
の設定を並行して進めないように,ルータ側のみの設
定を最初にやり,そこをクリアした後で PC 側の設定
をやりました.具体的には以下のようになります.
1.上記ネットワークを設定するために,ルータのイ
ンタフェースを設定する.LANケーブルを挿した
時点で,
コンソール→fa0
へ ping が成功しない場合,ルータ・ケーブルの何
処かの設定がおかしいことになります.PC側の
TCP/IP は無関係です.
2.PC側の TCP/IP を設定し,
Router の fa0 → PC の IP
PCのターミナル→ Router の fa0
の双方向に ping が成功しない場合,PC側の設定が
おかしいことになります.ルータ側の設定は「基本
的には無関係」です.例外的に,ネットマスクを間
違えて「想定外のネットワークセグメントを指定し
ていた」等の間違いがあると,リンクが確立しない
事があります.
<設定コマンド>
以下のコマンドは省略して書いている部分があります
ので,タブで補完すると良いでしょう.また,「想定
しているのと違う階層にいる」状態で想定しているコ
マンドを入力してもエラーが出力されるだけですので,
プロンプトを見ることで「今どの状況/階層にいるのか」
を確認したり,エラーログ,通常のログ出力を確認す
るようにしてください.
<ターミナル1: コンソール接続>
ibook> jerm /dev/cu.usbserial
USB-シリアル変換ケーブル経由でコンソール接続を確立
Router> enable # 特権モードへ移行
Router# # 特権モードトップレベル
Router#
Router# show start
初期設定ファイルを確認.デフォルトでは存在しません.
Router# show run
動作状況を確認.実験中には,OSのバージョン,
インタフェース fastethernet 0 を確認.
*ルータによっては fa0/0 のように記載されている事もあります.
Router# conf term # 設定変更開始
Router(config)# # 設定変更モード
Router(config)#
Router(config)# int fa 0 # インタフェースの設定変更開始
Router(config-if)# # インタフェースの設定変更モード
Router(config-if)#
Router(config-if)# ip address <IP> <netmask>
IPアドレス・ネットマスクを設定
Router(config-if)# no shut # インタフェースを起動
Router(config-if)# end # 設定終了→トップレベルへ移動
Router#
Router#
Router# ping <fa 0 の IP> # コンソールから fa0 の確認
この時点では LAN ケーブルを挿していなかったので ping は失敗.
Router# show int fa 0 # トラブル時のインタフェース確認
最初の1行目のログより,line protocol が down している
事を確認→LANケーブルをルータ・PCに挿す.
Router# ping <fa 0 のIP>
この時点で ping が成功していなければケーブル・設定
の何処かがおかしいです.成功するまでトラブルシュー
ティングすること.
Router# ping <PC のIP>
この時点では PC 側の設定を変更していないため,成功
しません.
→iBook の内蔵 Ethernet の TCP/IP を手動設定.
Router# ping <PC のIP>
成功するまでトラブルシューティングすること.
*成功すると,LANケーブル経由でリンクが確立している
ことが確認できたことになります.
<ターミナル2: iBook側> fa0 へリンク確認
iBook> ping <fa 0 のIP>
成功するまでトラブルシューティングすること.
*実は,ルータ側からPCへ ping が成功している時点で
反対側からのリンクは確立することが保証されています.
ここら辺は ping の原理について調べてみると良いでしょう.
<予習・復習に関して>
CCNA2の教材をダウンロードし,第1-3課の「ラボ実習」
に目を通しておくと次回の流れが理解しやすくなります.
また,実習機材(ルータ)は実験室にそのまま置いてあ
りますので,自習したい場合には利用してください.
ルータを使う場合には,必ず
・はじめる前にチェックリストに記入されている機材
が揃っていること(番号も確認)を確認し,
・終わったら別の番号と混在しないように元に戻し,
チェックリストに記入.
するようにしてください.
<良くあるトラブル>
・コンソール接続する際に「/dev/cu.usbserial」が見つ
からないと言ってくる.
上記のデバイスは,USBシリアル変換ケーブルをPCに
挿していないと出てきません.普段は存在しないデバ
イスですので,USBシリアル変換ケーブルを挿してから
jerm するようにしてください.
・正しくコマンドを入力しても,エラーが返ってくる.
config モードで「show run」したり,
config モードで「ip address」したりしてもエラーに
なります.各コマンドは正しい階層で使用しましょう.
例えば,インタフェースAにIPを設定する場合には
特権レベル・トップ階層
→ config 階層
→ interface A階層
にいないと「ip address」コマンドは正しく使えません.
・LANケーブルを挿しても「line protocol is down」のまま.
ケーブルが物理的におかしい可能性が高いです.テスター
で合格したとしても,信用しすぎないようにしてください.
*テスターによってどこまで詳細にチェックするかが
異なります.
・「show int fa 0」で line protocol も up になっているが
接続先とリンクが確立できない.
論理的なトラブル(設定ミス)の可能性が高いです.
IPアドレス/ネットマスク等が間違ってないか確認して
ください.
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Naruaki Toma
E-mail: tnal@ie.u-ryukyu.ac.jp, Tel: 098-895-8830
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