回路でいうと最終課題のFMレシーバーの下記赤線で囲んだ部分に相当する。
動作の概要は
<17,0,u> | 10進数表現(整数表現) | |
最大値 |
1 1111 1111 1111 1111 |
0.99999237060546875 |
最小値 |
0 0000 0000 0000 0000 |
0.0 |
となり、累積してゆくと1.0を超えるとその部分は捨てられ0.0に戻ることになります。
前回やった、CLIP処理はなしで使います。
これは三角関数はちょうど2πで1周するの等価で、0から1.0でちょうど三角関数の1周期に対応します。
ライブラリ宣言 | library IEEE; use IEEE.STD_LOGIC_1164.all; use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.all; |
今回は入力信号として、2の補数表現を用いた正・負混合の信号を用いるので、P63コラム4の算術演算用パー-ケージで説明されているように、std_logic_arithを用いる。 |
エンティティ宣言 | entity COSROM is port ( data : out std_logic_vector(7 downto 0); addr : in std_logic_vector(9 downto 0) ); end COSROM; |
データ入力:addr(8ビット) データ出力:data(8ビット)
|
アーキテクチャ宣言 | architecture RTL of COSROM is begin |
|
process (addr) variable iaddr : integer; type rom_type is array(0 to 1023) of std_logic_vector(7 downto 0); constant rom_table : rom_type := ( "01111111","01111111","01111111","01111111","01111111", "01111111","01111111","01111111","01111111","01111111", 省略 "01111111","01111111","01111111","01111111","01111111",
"01111111","01111111","01111111","01111111","01111111",
"01111111","01111111","01111111","01111111"
); |
記述は単純で、1K*8ビットのCOSINEのデータが多い。
回路合成すればこのような多数の値を出力する回路が合成される。 >>賢いツールである。 |
ライブラリ宣言 | library IEEE; use IEEE.STD_LOGIC_1164.all; use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.all; |
今回は入力信号として、2の補数表現を用いた正・負混合の信号を用いるので、P63コラム4の算術演算用パー-ケージで説明されているように、std_logic_arithを用いる。 |
エンティティ宣言 | entity NCO is port ( CLK : in std_logic; RESET : in std_logic; DELTA : in std_logic_vector(11 downto 0); -- <12,-6,t> OFFSET : in std_logic_vector(16 downto 0); -- <17, 0,u> COSOUT : out std_logic_vector(7 downto 0)); -- <8,0,t> end NCO; |
CLK:クロック入力 RESET:’1’でFFをリセット DELTA:加算の1入力で0中心の正・負の小さな値を入力 OFFSET:加算のもう1入力で、正の大きめの値を入力 COSOUT:正弦波出力 |
アーキテクチャ宣言 | architecture RTL of NCO is component COSROM is port ( DATA : out std_logic_vector(7 downto 0); ADDR : in std_logic_vector(9 downto 0) ); end component; signal sum : std_logic_vector(16 downto 0); -- <17,0,u> signal accm : std_logic_vector(16 downto 0); -- <17,0,u> signal accm_d : std_logic_vector(16 downto 0); -- <17,0,u> signal addr : std_logic_vector(9 downto 0); -- <10,0,u> signal data : std_logic_vector(7 downto 0); -- <8,0,t> begin |
|
-- INPUT ADDER INPUT_SUM: process(OFFSET,DELTA) variable var_vext : std_logic_vector(16 downto 0); -- <17,-1,t> variable var_tsum : std_logic_vector(16 downto 0); -- <17,-1,t> begin var_vext := DELTA(11)&DELTA(11)&DELTA(11)&DELTA(11)&DELTA(11)&DELTA; var_tsum := signed(OFFSET) + signed(var_vext); sum <= var_tsum; end process INPUT_SUM; |
最初の加算器
2の補数と符号無し数の加算なので、どちらも2の補数にして加算している。 ビット幅、小数点の位置を合わせている。 |
|
-- ACCUMULATOR accm <= unsigned(sum) + unsigned(accm_d); ACCM_DFF: process(CLK, RESET) begin if(RESET = '1') then accm_d <= "00000000000000000"; elsif(CLK'event and CLK = '1') then accm_d <= accm; end if; end process ACCM_DFF; |
加算器
リセット付フリップフロップ 初期値の値が累積するので、初期値を’0’にリセットする機能が必要。 |
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-- COSINE ROM addr <= accm(16 downto 7); U1: COSROM port map (data, addr); |
入力アドレスを10ビット可
COSINEROM |
|
-- OUTPUT FF OUT_FF: process(CLK) begin if(CLK'event and CLK='1') then COSOUT <= data; end if; end process OUT_FF; |
上図の回路にはないが、合成のタイミング制約をしやすくするために、出力にFFを置いている。 | |
end RTL; | 出力生成 |
ライブラリ宣言 | library IEEE; use IEEE.STD_LOGIC_1164.all; use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.all; |
|
エンティティ宣言 | entity TESTBENCH_NCO is end TESTBENCH_NCO; |
テストベンチであるので、中味は空である。 |
アーキテクチャ宣言 | architecture SIM_DATA of
TESTBENCH_NCO is
component NCO is port ( signal OFFSET : std_logic_vector(16 downto 0); signal COSOUT_REAL : real; signal COSOUT_OFFSET : std_logic_vector(7 downto 0); begin |
今回テストされるNCO回路をコンポーネント(部品)宣言している。
realの信号はsciroccoで小数を表示するための信号 COSOUT_OFFSETは正・負の2の補数を波形表示するために、すべて正の領域にずらした信号。(オフセットバイナリ-表現) |
-- CLOCK GENERATION CLK <= not CLK after 5 ns; -- RESET release |
クロック信号、初期リセット信号の生成 | |
-- DATA VALUE P2: process begin OFFSET <= "00010000000000000"; -- 1/16 DELTA <= "011111111111"; -- +0.0156 (+1/64) wait for 1000 ns; DELTA <= "100000000000"; -- -0.0156 (-1/64) wait for 1000 ns; DELTA <= "011111111111"; -- +0.0156 (+1/64) wait; end process; |
OFFSET値は1/16で固定、
DELTAを1/64、-1/61、1/64と1000 ns ごとに変化させている。 |
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-- DUT U1: NCO port map (CLK, RESET, DELTA, OFFSET, COSOUT); |
NCOが置かれている。 | |
-- MONITOR COSOUT_REAL <= real(CONV_INTEGER(signed(COSOUT))) /128.0; OFFSET_REAL <= real(CONV_INTEGER(signed(OFFSET))) /2.0**17; DELTA_REAL <= real(CONV_INTEGER(signed(DELTA))) /2.0**17; COSOUT_OFFSET <= (not COSOUT(7)) & COSOUT(6 downto 0); end SIM_DATA; |
モニター用信号生成
COSOUT_OFFSETは2の補数表現のMSBを反転している。これで、波形が正の領域に移動する。 |
|
configuration CFG_NCO of
TESTBENCH_NCO is for SIM_DATA end for; end CFG_NCO; |
今回は、前回の実習で使用した正弦波データが<8,0,t>フォーマットと仮定する。そうすると、前回の波形は-1から1の区間を振動する正弦波となる。この正弦波の値を2乗した正弦波を今回生成する。出力も同じく、<8,0,t>フォーマットとする。実際には2乗すると
0) 作業ディレクトリに、上記3つのファイルをコピーする。
1) Sciroccoにて正常動作を確認せよ!
2) 今回の設計は2つのファイルから構成されているので、デザインアナライザーでnco.vhd、cosrom.vhdの両方を読み込む。
3) NCOのクロックピンを選択して、サイクルタイムのターゲットを 10 ns に設定する。
4) NCOを選択して、回路の合成を行う。
Tool -> Design Optimization
デフォルトの設定でOK
これで、以下のような回路が合成される。
5) TOPの回路の中にあるすべてのBOX(他の回路が違うレベルにある)を展開(同一レベルに)する。
BOXをクリックして選択、
edit -> ungroup
を用いて展開する。
これをすべてのBOXに対して行う。
以下のような回路が得られる。
6)回路のクリティカルパスを表示する
7)性能をレポートで確認する。
Analysis -> report で
area および timingをチェックしてApply
今回の課題では1/16=0.0625のような小数点以下の数をデジタル回路で取り扱う必要があります。たとえば4ビットの2進数”0111”ですが、小数点をどこの位置に置くかで表す値が変わってきます。たとえば、”01.11”ならば10進数表現では+1.75、”0111.”ならば、10進表現では+7です。
また、4ビットの2進数ですが、それが符号無し数すなわち正または0の数を表しているか、2の補数表現で正または負の数を表しているかを区別する必要があります。”11.10”は符号無し数であれば、10進表現で+3.50となり、2の補数表現であれば、10進表現で-0.50となります。
すなわち、同じ4ビットの2進数でも、「小数点の位置」と「符号無し表現か2の補数表現か」を明確にしないとまったく異なった数に対応してしまいます。
ここではSignal Processing Workbenchで用いられている固定小数点の属性表記方法を解説し、用います。
<8,2,t>
と表記すると、その信号は
8 : 全体のビット数が8ビット
2 : 整数ビットが2ビット
t : two's complement
ということで2の補数表現、すなわち最上位ビットは符号ビットとなる
という意味です。したがって、”01101111”なる8ビットの数の属性が<8,2,t>とすると、
0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
符号ビット | 整数部 |
小数部 |
ということになり、小数部は5ビットとなり、10進表現では+3.46875に対応します。
<8,2,u>
と表記すると、その信号は
8 : 全体のビット数が8ビット
2 : 整数ビットが2ビット
u : unsignedということで、符号無し数すなわち負の数を表さない
という意味です。したがって、同じ8ビットの数”01101111”の属性が<8,2,u>とすると、
0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
整数部 | 小数部 |
ということになり、小数部は6ビットとなり、10進表現では+1.734375に対応します。
整数部のビット数が多いほど表現できる最大数すなわちレンジが大きくなり、小数部のビット数が多いほど表現できる最小数が小さくなり、解像度が向上します。
以下の表1に4ビットの数が<4,2,u>の属性を持つ場合と<4,1,t>の属性を持つ場合の10進表現を示します。
表1 属性による値の違い
4ビットの数 属性<4,2,u>の場合の
10進表現属性<4,1,t>の場合の
10進表現0000 +0.00 +0.00 0001 +0.25 +0.25 0010 +0.50 +0.50 0011 +0.75 +0.75 0100 +1.00 +1.00 0101 +1.25 +1.25 0110 +1.50 +1.50 0111 +1.75 +1.75 1000 +2.00 -2.00 1001 +2.25 -1.75 1010 +2.50 -1.50 1011 +2.75 -1.25 1100 +3.00 -1.00 1101 +3.25 -0.75 1110 +3.50 -0.50 1111 +3.75 -0.25
以下の表2に4ビット長の固定小数点の属性の幾つかの例と、対応する2進数、値のレンジ、解像度を示します。表2からもわかるように同じ4ビット長を用いて多様なレンジと解像度の数値を表現できます。当然のことですが、解像度を悪く大きな値にすると、より広いレンジを表すことができます。
表2 4ビット長の固定小数点の属性の幾つかの例と、対応する2進数、値のレンジ、解像度
属性 2進数表現
Sは符号ビット
Xはデータビットレンジ 解像度 整数 <1,1,u> X. 0 to 1 1 <4,4,u> XXXX. 0 to 15 1 <4,3,t> SXXX. -8 to 7 1 小数 <4,0,u> .XXXX 0.0 to 0.9375 0.0625 (1/16) <4,0,t> S.XXX -1.00 to +0.875 0.125 (1/8) その他 <4,2,u> XX.XX 0.0 to 3.75 0.25 (1/4) <4,2,t> SXX.X -4.0 to + 3.5 0.5 (1/2) <4,5,u> XXXX0. 0 to 30 2 <4,5,t> SXXX00. -32 to 28 4 <4,-1,u> .0XXXX 0.0 to 0.46875 0.03125 (1/32) <4,-1,t> S.SXXX -0.5 to +0.4375 0.0625 (1/16)
以上