ROMと加算器を用いた回路

琉球大学・工学部・情報工学科　教授　ファイヤー和田

私を呼ぶ時は、大きい声で「ファイヤー先生！」、「ファイヤー和田先生！」、「和田さん！」と呼んでください！

１）本日の内容

• SPWのHDS（Hardware Design System）を用いて、カウンターにより、２つのROM（Read Only Memory）をアクセスして、その出力を加算する回路を設計する。
• 今日の講義の目的はROMの理解と、ROMの使い方を習得することにある。
• ROMとは事前に中味にデータが書き込まれた部品であり、ROMの内部データをSiｇCalcで生成する。

２）BDEによる回路の設計

• nirai上でSPWを起動する

  nirai> spw

• File ManagerメニューのBDEボタンを押して、回路図作成のエディターBlock Diagram Editor （BDE)を起動する
• 結果的に下記のような回路図を作成する

  

1. カウンターブロックを置く

   　

   • メニューの Add>Blockで回路図ブロックを選択する。多数あるが、本講義では>Blocks>HDS>の中にあるものを使用する。
   • ダブルクリックして選択してゆき、>Blocks>HDS>Control>Counterを選択し、図のように置く。
   • Moduloの値を64とする
   • Counterの出力を６ビット'<6>'とする。したがって、０から６３の値までカウントできる。
     

2. ROMブロックを置く

   • >Blocks>HDS>Memory>ROMを図のように２個配置する。
   • ROMの出力を８ビット'<8>'とする
   • したがって、このROMは６４ワードX８ビットのROMとなる
   • Add>TextでROMの近くにSAW ROM、RAMP ROMとコメントを入れる
   • SAW ROMのブロックをダブルクリックして、赤いパラメータ画面を開き、
     以下のようにパラメータをセットする。

   • Library/File: 'digsys/rom8saw'
   • File format: 'ascii'

   • SAW ROMのブロックをダブルクリックして、赤いパラメータ画面を開き、
     以下のようにパラメータをセットする。

   • Library/File: 'digsys/rom8ramp'
   • File format: 'ascii'

   • ROMのデータの内容をもつファイル以下２つを利用するという意味である

   • digsys/rom8saw.ascsig
   • digsys/rom8ramp.ascsig

   
   

3. 加算器を置く

   　

   • >Blocks>HDS>Math>Addを置く。
   • 出力を８ビット２個の和なので、９ビット'<9>'とする
     
4. SIGNAL SINKを置く

   　

   • >Blocks>HDS>Simulation I/O>Sinkを４つ置く
   • 波形を落とすファイル名を４つ指定する。
     
5. Add>Wireで図のように結線する。
   
6. File>Save Asにより以下の名前で設計図を保存する

   New Filename  digsys/readrom.detail
   

BDEでのコツ

1. マウス右ボタンで、メニューが出る！グリッドON/OFFなど試すべし！
2. メニュー右上のHELPのドキュメントで英語のドキュメント（マニュアル）がみれる
3. メニュー右上のHELPのOn Contextにして、BDE上の部品（ブロック）をクリックすると、
   ブロックの詳細がわかる

３）SigCalcによりROMのデータファイルを作成する

1. File ManagerのSigCalcボタンを押して、SigCalcを立ち上げる
2. Gen>Sawtoothを選択してのこぎり波形を作成する
   • 以下のメニュー設定をする
     
   • 最大値６３、Frequency=0.1なので１０点ごとにノコギリ波を繰り返す
   • ROMの入力は０から６３の６４ポイントなので、Number of Pointsを６４とする
     
3. SigCalc上でS1ボタンで生成した波形を選択し、Edit>Convert Type>Fixed Pointで以下の設定で浮動小数点の波形を８ビットの固定小数点の波形に変更する。
   
   • Unsignedなので、負の部分は０にしてしまう。
   • 
     
   • 結果的に以下のように表示される
   • 

   　

4. Fixed PointのデータであるS1を選択し、File>Save Asで以下のファイル名でファイルを保存する。

   

   • digsys/rom8saw.ascsig　なるROMのデータファイルが生成される。
     
5. 同様に、Gen>Rampを選択して単調増加波形を作成する

digsys/rom8ramp.ascsig　なるROMのデータファイルが生成される。

4）Simulation Managerを立ち上げ、シミュレーションを行い、SicCalcにて動作波形を観測する

SigCalcでのコツ

1. S1ボタンを押して波形をすべて選択して、View>Selected Rangeで全てを表示
2. 波形の好きな部分をドラッグして、View>Selected Rangeでその部分を拡大
3. S1ボタンを押して、波形をすべて選択して、Edit Propertiesで波形の表示方法を変更
   Interporated -> Numericにすると値が表示される等

（実習）

• ROMの内容を変更して、波形を表示させる

以上

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