プロセッサ：データパスと制御

5章では以下の少ない命令を実行するプロセッサを設計します！
5章のとおりにプロセッサの設計するのは面倒なので、ここでは全体の動きを説明します。

サポート命令

区分	命令	例	意味	備考
算術演算	add	add R1,R2,R3	R1 <= R2 + R3	加算
算術演算	subtract	sub R1,R2,R3	R1 <= R2 - R3	減算
論理演算	and	and R1,R2,R3	R1 <= R2 and R3	各ビットごとにＡＮＤ
論理演算	or	or R1,R2,R3	R1 <= R2 or R3	各ビットごとにＯＲ
データ転送	load word	lw R1, 100(R2)	R1 <= メモリ[R2+100]	メモリからレジスタへの転送
データ転送	store word	sw R1, 100(R2)	メモリ[R2+100] <= R1	レジスタからメモリへの転送
条件分岐	branch on equal	beq R1,R2,25	if (R1=R2) go to PC+4+100	等しい時にPC相対分岐
条件分岐	set on less than	slt R1,R2,R3	if (R2<R3) R1<=1 else R1<=0
無条件ジャンプ	jump	j 2500	go to 10000	絶対アドレスジャンプ

命令フォーマット

命令の機械語フォーマットを説明する。この例では、各フィールドの値は10進法で示してある。
ＭＩＰＳの命令はすべて32ビット長

命令	フォーマット名	例						備考
命令	フォーマット名	6ビット	5ビット	5ビット	5ビット	5ビット	6ビット	備考
add	Ｒ形式	0	2	3	1	0	32	add R1, R2, R3
sub		0	2	3	1	0	34	sub R1, R2, R3
and		0	2	3	1	0	36	and R1, R2, R3
or		0	2	3	1	0	37	or R1, R2, R3
slt		0	2	3	1	0	42	slt R1, R2, R3
lw	Ｉ形式	35	2	1	100			lw R1, 100(R2)
sw		43	2	1	100			sw R1, 100(R2)
beq		4	1	2	25			beq R1, R2, 25
j	Ｊ形式	2	2500					j 2500

ここで扱う９つの命令は以下のような共通の動作をする。

命令は命令メモリに入っている。
メモリから命令をフェッチするために、プログラム・カウンタ（PC）の値を命令メモリに送る。
読み出された命令にしたがって、レジスタファイルからレジスタ値を読み出す。
そしてALUで演算をする。

JUMP、BRANCHがない時の動作

このプログラムを例にとって動作を説明する。

　

図１　分岐のないプログラムの場合

JUMP、BRANCHがある時の動作

以下のプログラムを例にとって動作を説明する。

図２　分岐のあるプログラムの場合

宿題４　：学籍番号､名前、日付を書いて提出のこと。

１）　図１に示すメモリ内の5命令を実行した時の各ステップ（PC=８、１２，１６，２０，２４）

におけるデータの流れとメモリ､レジスタファイル､インストラクションレジスタの値を記入せよ！

図１のようなダイアグラムが５枚必要である！

　

２）　図２に示すメモリ内の5命令を実行した時の各ステップ（PC=８から２４）

におけるデータの流れとメモリ､レジスタファイル､インストラクションレジスタの値を記入せよ！

図２のようなダイアグラムが１３枚必要である！

　

３）　ALUに加算の機能が含まれているが、それ以外に加算の機能が必要なところはどこか？

　

以上