(10)Z変換補足


1.Z変換概要

【離散フーリエ変換】

【Z変換】 

離散時間信号x(nT)の複素数zに関する変換

すなわち、x(nT)なる離散時間信号を複素数zの関数に変換できる

(例1)

(1) 時間nT=0, T, 3Tでの単位インパルス関数の和

 

(2)単位ステップ関数

 

●主な離散時間信号のz変換

(1)単位インパルス関数
(2)単位ステップ関数
(3)ランプ関数
(4)指数関数
(5)正弦波

●Z変換のおもな性質

(1)時間シフト
(2)時間領域畳み込み

〇COLUMN4

通信路の応答は、時間軸では畳み込み、周波数軸では掛け算になります。

z変換で通信路をH(z)で示すと、周波数の意味をあいをもつ伝達関数を表しており、畳み込みではなく、掛け算で計算できます。

 

●上記のように、z変換の世界では、K時間の遅れはz-kを掛けることになり、単位時間の遅延はz-1を掛けることになります。

したがって、単位時間の遅延を素子を以下のように示すと分かりやすいです。

 

2.伝達関数

●因果性を満たす、線形時不変システムの応答

インパルス応答がh(nT)で示されるシステムにx(nT)の入力信号を入力するとき、出力y(nT)は畳み込みで表現される。

これをZ変換で表すと、上記性質より

となり、伝達関数H(z)

が以下のように定義できる。

 

そして、教科書P205-207に示したように、伝達関数H(z)からすぐに、FIRやIIR型のフィルター回路を実現することができる。

以上