Operating System Lecture No.3
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プロセスとカーネル
プロセスは、一つのコンピュータに、仕事のまとまりを作る。これは、あたかも、そのプロセスが一台のコンピュータを一人で使っているように見える。プロセスには以下の要素が付属している。- メモリ
- CPU時間
- コンテキスト
複数のプロセスが互いに、不法な方法で干渉しないように、ハードウェアとオペレーティングシステムが管理を行っている。
プロセスの作り方
ここでは、zsh からのプロセスの作り方を勉強しよう。
- コマンドの起動
- 停止
- 並列実行
- バックグラウンドで実行
- script の取り方
コンピュータとバス
ie.u-ryukyu.ac.jp system configuration CPU と外部の機器をつなぐ、バスとチップがある。
CPU から見れば、それはメモリにしか見えない。(I/O port を特別扱いするCPUもある)
CPU
レジスタの集まりと、それを操作する命令Intel EMT64 64bit mode
register が16本、rip (program counter)を含めて対称的に扱えるようになっている。128bit XMMレジスタが16本。
x86 の命令に関しては、このサイトが便利
x86 Instruction Set Reference
プロセス
Operating System上にはいろいろなプロセスがあり、それらを一つのCPUが順に実行していく。 コンピュータの基本的な要素は、計算を行なうCPUと結果を格納するメモリやディスクである。実際には要求される動作には様々なものがあり、それらが一つ一つ、CPUやメモリを必要とする。これを仮想的なコンピュータにまとめたものがプロセスである。それらを、実際のコンピュータの持つ物理的なCPUやメモリに配分する作業を担当するのがOperating Systemである。
num-core
#!/bin/bash if [[ "$OSTYPE" == "linux-gnu"* ]]; then # Linux ncores=$(nproc) elif [[ "$OSTYPE" == "darwin"* ]]; then # macOS ncores=$(sysctl -n hw.physicalcpu) else echo "Unknown OS" exit 1 fi echo "Number of cores: $ncores"
カーネルとシステムコール
仮想CPUを切替えるためには特別な命令を呼び出す (特権命令)。トラップなどと呼ばれることもある。これらはユーザ側からはシステムコールと呼ばれる。
システムコールの集合がOSのAPI(Application Specific Interface)である。ユーザからはAPIそのものがOSと言って良い。
実際に、特権命令がどこにあるか調べてみよう。
システムコールの例題 これをクリックしないでdown loadして動かす。
gdb の使い方
デバッガの使い方をマスターしようb break (そこでストップする) run run プログラムの実行を始める s step 一行実行 n next 一行実行 (関数呼び出しはパスする) c continue 実行を再開 p i 変数iを表示 w where 関数の呼び出し履歴 (up, down も使おう) fi finish 今実行している関数を終了するところまで実行 x/20x memory dumpアセンブラ関係
stepi 1命令のステップ nexti 1命令の実行 (関数呼び出しはパスする) x/20i 逆アセンブル x/1i $pc 次に実行される命令の表示 p $eax レジスタの内容の表示 info registers info threads引数を指定する
gdb --args ./command arggdb で system call を trace する
dynamlic link code を避けるには?
Intel64 用の.gdbinit PowerPC 用の.gdbinit Intel Mac 用の.gdbinit x86 の命令に関しては、このサイトが便利x86 Instruction Set Reference
lldb の使い方
b break (そこでストップする) run run プログラムの実行を始める s step 一行実行 n next 一行実行 (関数呼び出しはパスする) c continue 実行を再開 p i 変数iを表示 memory read &test_data meory dump regisegr read register dump (-a) bt (frame info) 関数の呼び出し履歴 (up, down も使おう) fi finish 今実行している関数を終了するところまで実行アセンブラ関係
stepi 1命令のステップ nexti 1命令の実行 (関数呼び出しはパスする) dissass 逆アセンブル p $eax レジスタの内容の表示 p (void*)$eax レジスタの内容の表示 16進 register read thread list引数を指定する
lldb ./command -- arglldb で system call を trace する
dynamlic link code を避けるには?
問題3.1
Kernel 側の実装について調べる。Linux Kernel Source syscall から、sys_call_table を引いて、system call のルーチンに飛ぶ。
kernel space は、すべてのプロセスに共通。user space はプロセス毎に分かれている。
プロセスの状態
プロセスうち、いくつかの処理は、特別な扱いを受ける。
* Interrupt CPUに信号が伝わった時点で行われる処理 * DMA (direct memory access) CPUを経由しないデータ転送 * Kernel Process Operating System 自身が必要とする仕事これ以外の処理は、平等に時間分割(Time sharing)されて実行される。
しかし、仕事のないプロセスにCPUを割り当てても意味がない。プロセスには決まった状態があり、そのうち、実行可能な状態のプロセスのみが実行される。
* new プロセスが生成された * ready 実行可能な状態 * running 実際に実行されている * waiting 何かを待っている * terminated 終了中これらの状態遷移を引き起こす操作には以下のようなものがある。
* new fork system call * running->waiting wait system call / I/O call (read/write) * waiting->ready 外部からの入力, I/O 終了 * ready->terminated kill, exit
コマンド top を動かしてみて、プロセスの動きを観察しよう。
サブルーチンとプロセス生成の違い
この二つの違いは、メモリ空間の扱いが異なることである。サブルーチン呼び出しでは、メモリ空間は元と同じであるが、プロセス生成では、異なるものが呼び出される。サブルーチンには、wait に相当するものがないのは何故だろうか? 考えてみよう。
プロセスとユーザ
su コマンドは何をするものか?sudo コマンドは何をするものか?
setuid bit について理解しよう。
プロセス空間の切替え方は?
ファイル入出力
プロセスの入出力は、システムコール、特に、ファイルを経由して行われる。プロセスがアクセスしているファイルには、プロセスごとに番号がついている。これをファイル・ディスクリプタという。
ディスクリプタには、open system callによって、ファイルシステム上のファイルを結びつけることができる。ファイルだけなく、他のプロセスとの間を結ぶソケットや、その一方向版であるパイプを結びつけることもできる。
Unix では最初の3つのディスクリプタは、ユーザが持つログイン・シェルの入出力に接続されている。
この切り替えはcloseと dupによって行われる。
問題3.2
プロセスが使用しているシステムコールを調べる。fork と exec
fork は、同じメモリ空間上で、異なるコンテキスト(context)を生成する。exec は、同じコンテキストで別なプログラムを実行する。Perl で書いた簡単な shell 相手のプロセスの待ち合わせ(join)は、Unixではwait というシステムコールを使っておこなわれる。
これらの図は、最近では UML を使って記述することが多い。特に、シーケンス図というのをここでは用いる。
例えば、
% ( du -s /usr/local ; /bin/echo end ) &とした時には、以下のようなプロセスの状態遷移が起きる。
問題3.3
Perl による shell の実行で、どのようなプロセスの状態の時間的遷移をUMLの sequence diagram で、記述してみよう。サーバの sequence diagram UMLはなんで書いても良いが、draw.io / OmniGraffle などで書いても良い。(手書きも良いがコンピュータ上ではちょっと...)
Astah を使ってみよう。