Security

◆次世代型インテリジェント防犯カメラ(NISC)の高精度化に関する研究

ひったくり等の街頭犯罪は人気のないエリア・時間帯で発生することが多い。近年では1年間におよそ10,000件のひったくり事件が発生しているが,検挙率はその半分程度である。しかし、そのような潜在的に危険なエリアは無数にあるため、パトロールによって予防することは社会コスト的に困難である。したがって、本研究で開発する知的防犯カメラを危険なエリアに設置することで、低コストで効果的な防犯および犯罪抑止効果を発揮できると期待される。

下図は路上における歩行者と自転車の通行人の動きを監視・追跡したNISCの稼働画面である。AIを備えた行動監視エンジンにより路上における移動や挙動を逐次追跡する。もし、なんらかの異常な行動が発生すればそれを自動検知するとともに自動通報を行い証拠映像を記録・送信する。2020年の東京オリンピック開催時までに実証システムの開発と検証および配備を行えるよう研究を進めていく。

nisc
また、今後、多種多様な状況への適応が可能になるように、頑健性と検知精度の向上を進めていく。さらに、赤外線カメラを活用する等により暗所撮影等への対応を図っていく。これは夜間や雨天時における犯罪検知に必要な機能である。また、動画像解析アルゴリズムやAIシステム等の改良・高度化によって、様々な状況下に対応するとともにさらに正確な犯罪検知を実現していく。