今や私もNAL研の元住人となってしまいました。既に沖縄を離れてしまいましたが、自分の大学生活を振り返りつつ、新3年次以下も含めて後輩に向けたメッセージを書きたいと思います。
まず、私について少し自己紹介させていただきます。
私は琉大情報工に来る前は、某高専に居ました。ちょっとググってもらえるとわかると思うのですが、構内に飛行機の展示場があります。昔は航空高専という1校の高専で、教材として飛行機が引き継がれています。
ここでは私は医療福祉工学コースという専攻に所属していたため、情報工学の知識は情報工学科から来た他の学生に比べ少なかったと思います。
琉大では、OS、DB、モデリングというie3大激重科目をしっかり履修登録して色々と苦労しましたが、その末に前期のうちに無事に進路を決めることが出来ました。
さて本題ですが、大学生活の総括、研究室のこと、研究のこと、最後に大学院進学のことを書きます。
まず、大学生活のことから。
私は高専からの編入で琉大に居たのは2年間でしたが、自分でも忘れるくらいには入り浸っていました。講義もまともに取っていたのは4年前期まででしたが、結構いろんな知識を得られたなと思います。世間一般からはどうしても入学難易度の低い地方国立大学と見られてしまっている琉大ですが、外から入ってきた身として一言言わせていただくと、非常に学生の意識の高い大学でした。Twitterとかでは、レベルの低い大学は学生の意識が低い、と言われていますが、高専がまさにそのような感じでした。学校で学べることはたくさんあるのになぁと思う機会も幾度もありましたが、周りは閉じこもってばかりであまり外に出たがらない感じでした。
しかし、ここ琉球大学は島で唯一の国立大学だったりするので、例え入学難易度は事実でも、プログラミングコミュニティを主催する人、ワーキングホリデーなどで海外へ行く人、学生でありながらプロ並みの仕事をする人など積極的に行動を起こしている人がたくさんいました。
そういう人たちを前にして私はポジティブな意味で学べることが多かったです。
また、社会人になってから大学、大学院に入ってくる人や浪人して入ってくる人も多くいて、周りがおんなじような境遇の人一辺倒でなかったのも大学に入ってきたという実感が湧いてとても刺激的でした。
つぎに研究室について。
NAL研はわりと自由な感じでテーマ決めをできますが、やはり先生の専門でないことは助言ができないことが多いです。どの研究室でもそうだと思います。自分で調べてできる人は良いと思いますが、研究室で学びを得たいと思っている人は考慮すべきところです。この研究室の場合は自然言語処理をやっている先輩が多くいるため、この分野については知識や後ろ盾が多いです。機械学習についても過去に先生がアルゴリズムの研究をしていたことがあったと思うので、同様だと思います。なので、機械学習により自然言語処理を行う研究が盛んです。こういう研究がしたい人はNAL研に来ると研究しやすいかもしれません。
また、ゼミは週に1日で、終わったあとにお茶会があります。毎週ローテーションでお菓子を買ってくる人を決めてみんなで食べる感じです。先生が買ってきてくれることも多いため、美味しいお菓子に飢えてる人には毎週のゼミが大変有意義になると思います。
部屋は7階の712で、赤嶺研と一緒です。特徴として、今年度で終了した高良研の置き土産、防音室があります。カラオケをしたり、夜中に叫んだり出来ます。私は主に電話応対で使うことが多かったです。
つぎに卒業研究について。
私は今回で2回目の卒業研究だったのですが、高専時代の研究は引き継ぎで、今回は自分でテーマを決めました。テーマ決めで苦労する人もいますが、助言として常にアイデアを温めておく(メモなど記録しておく)ことが対策の一つだと思います。普段でも何かしら困っていることや解決したいことがあるはずです。その中で、問題解決に貢献できそうな自分のできること、やりたいことを見つけていけば良いと思います。
また、テーマ決めの際は一人で悩んでいても解決しないので、自分のやりたいことがあるならたとえ夢物語でも恥ずかしがらずにゼミ中に提案しましょう。所詮卒業研究は科目であり教員に評価されるものなので、そもそも一人で決めたら評価されないことだってあるのです(自分一人で決めたわけではないものの9月の高専発表時点の私の評価がそうでした)。NAL研では提案することで研究になる形に助言してもらえます。
いざテーマを決めても、次にそのテーマを実現するために何をどうしたら良いかわからないかもしれません。その際もゼミでどういうところがわからないかちゃんと言うことが大事です。ゼミで、と言いますが先生だけでなく、先輩にも相談することができるのがゼミです。先輩方は皆自分達より優秀です。それは自分と同じ失敗を過去に先輩もしていることが多いからなので、マンツーマンで相談するより良い方向に向くことが多いです。
引き継ぎや先行研究があった高専時代の場合、解決できなかったところが問題提起されているため、ある程度解決すべき問題が固まっていて、研究ですべきことに迷いが少なかったです。
今回私は自分で決めたテーマだったので、どこをどう解決したら良いかなど、結構決めるのに苦労しました。また、スケジュールを立てるにも見通しが効かないので、思うようには行きませんでした。尤も二回目の卒研だったので、少しゆったりしたスケジュールにしていたこともあって、最後に実験をするくらいの余裕はありました。作業時間についてはやってみないとわからない部分があるので、余裕を持ったスケジュールでも完成しそうな最低限の目標を定めて、他のやりたいことは優先順位を付けて終わったら作業に入るようにするのが良いと思います。もしスケジュールを修正したい場合は別のアプローチを考えてみたほうが良いかもしれません。
こんなことを書いていますが、私はスケジュールが遅延しても自分の提案したやり方を実現するためにシステムの開発をひたすら行っていました。これは自分の提案手法の方が根本的解決ができると考えたからです。それで自分に対する反省ですが、例え学会発表のチャンスを逃したとしても私がこのシステムを実現したくてそれに向かって頑張ったのだからそれでよかったと思います。目標が最初っから学会での評価や実績を残すことではなかったのです。残念ではあっても欲のかき過ぎは良くないでしょう。
また、研究を進めていくうえで改めて大切だと実感したことがあります。自分にダメ出しをしてくれる人を大切にして下さい。言い方の問題もあると思いますが、琉大に来て私の周りでキツイ言い方や余計なケチを付けてくる人は居ませんでした。そして、周りのいい人たちはやんわりと、時にはっきりと助言をしてくれるはずです。正直に意見を言ってくれる人は貴重です。
ときに自分の考えや案をどうにかして実現したくて、突き進んでしまうこともあると思います。しかし、自分の目標があってのことならその時はそれで構わないと私は思います。だから、それが終わったあとに反省して次に繋げられるようにダメ出し、そしてそれを言ってくれる人を大切にしましょう。
また、まわりも人間なのでダメ出ししたくなるようなところがあると思います。特に研究では他人の失敗からも学んで行くようにして下さい。そして、言ってもらっているだけではなく、自分もまわりに対して助言していくように心がけましょう。思わぬところで助けてもらえるかもしれません。
最後に大学院進学について。
私は自分のやりたい研究がまだあったのと、高専を出てこの専攻を2年しか学んでいなかったので、院進することにしました。就職が嫌だった理由としてはそもそも人に使わされたり、雇われたりするのが嫌だということと、高専の頃の就活指導をはじめとしてマイナビ、リクナビのああいう風にしろこういうふうにしろこれが社会の常識という話が聞き入れられなかったものの、これに頼らずに良い職を探す術を私はまだ持っていないと思ったからです。周りには人づてで仕事を見つけたり、就職したりしている人が居ました。人脈がとても大切だと思っている理由の一つです。
また、院進しようと思った時に頭になかったことが2つあったので紹介します。
一つは、院進すると学部生の世話も見なくてはいけないということ。自分のことで精一杯にならないようにしないといけないのと、後輩にちゃんと参考になる助言ができるか不安な面があります。
もう一つは、研究費のこと。お金のたくさん出る研究室は確かに良くみえますが、それだけの使命が課せられます。やることが増えて多忙になります。共同研究で外部から資金調達をしたとしても、共同でやるテーマの研究をする義務を背負うことになるのです。先生方も琉大にはカネがないと嘆いていましたが、その分自由でした。
この辺りも考慮して、院進について考えた方が良いかもしれないなと思います。
あと、院進する人向けに712に他大学の大学案内を置いたので、学年問わず見たい人は是非見に来て下さい。
書きたかったことは以上になります。我が強いところがあったり、天狗になることがあるので時に不快に思うことがあったかもしれませんが、私と1年間苦楽をともにしてくれた研究室の方々に改めて感謝申し上げます。今後とも私と研究室及び所属者のますますの発展を願って終わりとさせていただきます。
P.S.
ネタでVTuberおじさんになることを勧められてるけど、競合相手が増えてるしそもそもプライバシー的にもアレだから(正論)
でもバーチャルだしボイチェンしてネタも出来てソフトもモデルも用意できたらマジでやるかもしれないなー(チラッ
何事も挑戦!