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Subject: 十二国記 __
       小野不由美
From: kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO)
Organization: Information Engineering, University of the Ryukyus
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Date: Mon, 27 Sep 2004 15:57:53 +0900
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河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

いまさらって感じですけど、飛び石連休の間に読みました。まぁ、
SF とは言わないんだろうけど、ファタジーなんだから良いよね。

家内が先に読んでいたので「どの順序で読めば良いの?」と聞いて、

    『月の影 影の海』     陽子が王になる話
    『風の海 迷宮の岸』   奏麒が見つかる話(1)
    『黄昏の岸 暁の天』   奏麒が見つかる話(2)
    『風の万里 黎明の空』 3人娘の放浪の話
    『図南の翼』           12才の女の子が王になる話
    『華胥の幽夢』         短編集
    『東の海神 西の滄海』 延王の話

ってな順序で読みました。ま、それが正解ってわけでもないんでし
ょうけど。奏麒と驍宗の話は、まだ終ってないのか。

設定が面白い。うまい設定だとも思うな。現実世界とつながる異世
界ってのも良くある話だけど。海客とかの名前も面白い。アニメも
あるのは知ってたけど、部分的に見ただけだったので、結果的には
小説を先に読んだって感じになりました。その後でアニメも見まし
た。録ってあったんだけど見てなかった。

全体的に軽くて、それも読みやすい。この量で、そう書けるってこ
とは、やっぱりうまいってことなんだろうな。全体的に地図もそう
だけど、話の筋や人物配置が幾何学的なのもわかりやすさに貢献し
ているかな。でも、本のタイトルが全然覚えられないです。読み終
っても「なんでこのタイトルなんだ?」って感じ。

子供が木になるってのは、割りと今の女性の望みなのかも。そうい
うことをすると性のシステムが破壊されるだろうって思うんだけど、
そういうところにはつっこまないみたいね。

作者の方が書きながら、細かい設定を「あ、そういう風になってい
るのか」と発見しながら書いている感じもあるんだけど、(詳細に
神は宿るだっけか...) まぁ、限界はあるよね。

家内は「馬鹿が、ちょっとだけ馬鹿でなくなる話」とか言ってたけ
ど、その馬鹿さ加減が尋常でない。ちょっと読む気をなくすくらい。
でも、もちろん、わざとそういう設定なんだけど... それでも... 

    『月の影 影の海』     陽子が王になる話
    『風の万里 黎明の空』 3人娘の放浪の話

これは、慶国の話なんだけど、陽子が戦いまくるんだよね。「馬鹿
が..」という話なわけですが、陽子は肉体的に成長している感じ。
文が読めないが言葉はわかる(翻訳される)という設定は、ちょっと
無理があると思う。アニメでは、陽子の他に二人一緒に流されるて
くるという設定になってますが、割りと一直線な構成を持っている
小説の方が読みやすい感じ。三角形で動く風の万里は、陽子が王と
して苦労する話だけど、「やっぱり、力で解決かよ〜」と思いまし
た。鞘を甦らせる話ってのが、あるはずだと思うんだけど...

    『風の海 迷宮の岸』   奏麒が見つかる話(1)
    『黄昏の岸 暁の天』   奏麒が見つかる話(2)

奏麒がちやほやされるのが面白い風の海と、暗い話の黄昏の岸。黄
昏の岸は、まとまりがない感じ。ファンタジーでは、結局、物理法
則、現実社会の規則以外のどんな規則を持って来るかが重要なんだ
けど、少し、困っている感じだね。なるべく、シンプルにするのが
良いと思うんだけど... 

    『図南の翼』           12才の女の子が王になる話

これも一直線な話。12才の子が語る国と王の話ってのは、ある意味
で簡単で良いよね。政治ってのは複雑なものだけど、象徴はわかり
やすくないとだめなわけだし。

    『東の海神 西の滄海』 延王の話

フラッシュバックを多用した話。とはいえ、二つの平行線という
感じだね。両方があまり交わってない気がする。

とはいえ、ひさしぶりに、いっぺんに沢山読めたので良かったです。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科
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