No. 550/1090 Index Prev Next
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From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: Nスぺをダビ     ングさせて下さい
Date: Thu, 24 Aug 2000 00:04:45 +0900
Organization: WAKWAK Internet service
Lines: 155
Distribution: fj
Message-ID: < 39A3E80D.2A0387E6@af.wakwak.com> 
References: < m3og2ko7cv.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp>  < 8o0gpa$ab3$2@news.trc.rwcp.or.jp> 
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Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11548

ひで@自宅、です。
# 私もついに24時間接続だい!(^_^;;)

最初に誤っておきます。昔と同じく、長いです:-)

Toyohisa Kameyama wrote:
>  亀山です.
>  かなりの無理がありそうな...

そうかなあ。もちろん、本人は「無理」があるとは露ほどにも思って
ません(^_^;;)

てのは嘘で、「無理は承知」です:-)

# 人それを「無謀」という:-)

>  最も簡単なテスト
>      岩田さんが河野さん (私でも小倉さんでも良いですが...) に
>      mail を送ったとします.
>      その mail の内容は著作物の要件を満たすと仮定します.
>      そのとき. その mail の内容は著作権法的に公表したと言えるでしょうか?
>  岩田説をとると, mail を送った相手と "その他これに準ずる範囲"
>  であると言えなければ, mail を送った時点で公衆送信を行なったことに
>  なり, 公表したことになりますが...

ちょっと待ってください。まず、公衆送信の定義をはっきりさせないと。
法二条7の2を抜粋します。

七の二 公衆送信 公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は
  有線電気通信の送信(有線電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他
の
  部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している
場
  合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラ
ム
  の著作物の送信を除く。)を行うことをいう。

続いて第4条(著作物の公表)

著作物は、発行され、又は第二十二条から第二十六条までに規定する権利を有
する者若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、公衆送信、口述、展示若
しくは上映の方法で公衆に提示された場合(建築の著作物にあつては、第二十一
条に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者によつて建設された場合を含
む。)において、公表されたものとする。

さて、おっしゃるとおり、先の岩田説で行けば亀山氏の主張も成立する可能
性が生じます。ただ、特定少数に対しmailを送信する行為をもって「公衆送信」
と定義することに対し、私は反対します。

先の岩田説と多少の矛盾が生じますが(それは本人も良く判ってます:-)、
通常の郵便局経由の手紙が「公衆への提示」に値しないのと同様に、電子
メールに関しても、それが特定少数に対するものならば(つまり特定
多数を想定している二桁以上の人数が参加しているメーリングリストを
除く)公衆送信には値しないと考えます。

なぜこの様な矛盾が生じるんでしょうか?
私の結論は、「技術の進歩に法律の条文が追随できていないから」です。
第一に、電子メールという形態は著作権法の歴史から見れば、極最近
登場したメディアです。それ故に、現行法ではどうしてもカバーできない
部分が生じてしまいます。従って著作権法的に電子メールを考えるならば、
その伝達形態で分類するよりも、実質的な部分で既存の存在、つまり郵政省
手紙で考えるべきだ、と考えます。

# それはそうと、郵政省葉書って「公衆への提示」あるいは「公表」に
# 当たる可能性があるんじゃないだろうか?(^_^;;)
# この問題に関する文献等をご存知の方がいらっしゃったら、お教えく
# ださい。

郵政省手紙を考えてみます。全くの赤の他人に突然手紙を送るという事体
がどれほど発生していたでしょうか?
DMの様な手紙は、多数に発送して初めて効力が生じますから、「公衆に
提示された」=「公表された」とみなして特に問題は生じないでしょう。
少なくとも、著作物の形態を満たしている手紙を見ず知らずの他人に送付
する可能性は、まずありえないでしょう。

# 常識が通用しない事態以外には考えられない。

また、文通友人という形態も考えられます。
文通が成立する為には、まずは二人は知り合う必要があります。
仮に文通を始めたいと考える二人が何らかのメディアを通じて知り合った
とします。一方が他方に「文通を始めましょう」という内容の手紙を送った
とします。この手紙は、考えるに「著作物」の形態を満たしているとは
思えません。「著作物」の要件を満たす文面を手紙としてやり取りする
時点で、既に「親しい友人」になっていると考えます。

つまり、「文通にのみ依存した家族に準ずる友人(from 30条)」が
存在する可能性を私は否定しません。

これは、郵政省手紙をFAXに置き換えても成立しますよね。電子メールに
してもしかり。

結局、Internetを含む電子通信メディアの発達によって、人と人とが
出会う機会が増加&複雑怪奇化するなどという事態を、著作権法は
想定していなかった、というのが私の考えです。
それゆえに、ご指摘の様な「矛盾」が発生しています。

# 苦しい説明だ、ってのは自分でも判ってますが、岩田説の立脚点は
# 現行法には屋上屋な部分が多々存在する為、技術論から見れば様々
# な矛盾が生じている、です:-)

# で、その様な矛盾に直面した場合は、立法時(その条項が成立した
# 時)の立法精神に立ち戻って考えましょう、ってのが岩田説の基本
# です。

もう一点、別の視点を提示すると、仮に公表された著作物であったと
しても、著作者の権利の効力自体には差異は生じませんよね。
つまり、著作物の要件を満たしている赤の他人に対するmailを公表された
と見なしたとしても、著作権法的には「保護期間の計算方法」(57条)
以外に問題が生じるとは思えません。

# これはこれで重要な問題かも知れないけど、個人的には枝葉な部分
# だと考えてます。

さて、もともとの「TV番組を見逃しました。録画した方、貸して下さい」
という依頼をする行為の正当性です。
私が昔から主張している「合法的視聴方法」は以下の通りです。

1、何らかのメディアを通じて、「私はNスペの愛好家です。同好の
    方、文通してお互いの考えを語り合いましょう」との形式で
    友人を作る。
2、親しくなった同好の士の中で、特に親しい少数に対し、見逃した
    番組をビデオで保存していないか尋ねる。
3、幸運にも保存していたら、貸与を申し出る。

これで貸す側も30条の私的使用目的の複製に反しませんよね。

私>  最後に、プログラムの著作物に関する私的使用目的の複製に関してで
私>  すが、30条と49条の関係以前に、30条と47条の2との整合性の方が問題
私>  だと考えるのは、私だけでしょうか?

>  2 つの条文って, 適用範囲が違うのですが...
>  42 条の 2 はプログラムの複製物の所有者であれば, 私的使用目的以外でも
  ^^^^^^^^^^
>  複製を行なうことができます.
>  (たとえば, 会社や学校が業務のためのファイルのバックアップをとる
>  とか...)
>  
>  30 条では私的使用目的であれば, その著作物を所有していなくても
>  複製を行なうことができます.
>  (レンタルレコード問題はここから始まったと記憶していますが...

まず、42条の2じゃなくて47条の2ですよね。タイポだと思いますが、一応
指摘だけしておいて、と。
おっしゃる通りです。特に反論はありません。ただいずれの条項も「第五款
著作権の制限」に含まれます。所有者が個人であった場合、30条の私的使用
目的の複製と概念的にバッティングする可能性があるのではないか?という
のが私の意見です。

仮に47条の2における「プログラムの著作物の所有者」が個人(自然人)で
あった場合(法人であった場合も、法律論的には人とみなして問題ないかも
知れない。この辺の法律論はまだ調査してません)、プログラムの著作物
を複製したとして、それは私的使用目的の複製であるのとそうでないのと
の区別って付ける事ができるんですかね?
私は出来ないと考えてます。それ故に、47条の2と30条は概念的に重なる部分
がある、とみなしている訳です。
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