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From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 30条と49条 (罰則関係)
Date: 19 Sep 2000 13:53:51 +0900
Organization: Center for Information Science, Wakayama University
Lines: 95
Message-ID: < m3n1h52d9c.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp> 
References: < m3pum22c0g.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp>  < 20000919021858cal@host.or.jp> 
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Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11839


ひで@和大、です。

cal@host.or.jp (SASAKI Masato) writes:
>  佐々木将人@函館(休暇中)です。

>  ここがOUT。
>  言及していないのは「言及していない」という効果まで
>  「専有する」とも考えられるし
>  「専有しない」とも考えられる。
>  どちらの根拠にもならない
>  (もしくはどちらの根拠にもなり得る)
>  が正解。

ふむふむ。確かにおっしゃる通りですね。

>  よって
>  > J.結論:
>  >   以上により、中間層が存在するとの仮説に従えば、30条に違反した者には
>  >   刑事上の罰則を適用することはできないが、不法行為に当たる以上、民事上
>  >   の責任を追求される可能性が常に存在する。
>  これもOUT

うーむ。

>  加えて30条違反てえのもおかしい。

これは確かにおっしゃる通りです。「敢えて言えば」ってレベルなんで、
「30条違反」って言い方は成立しない、って結論には同意します。

>  21条なりに該当するように見えても
>  30条に該当する場合には21条なりには該当しない判断をしなさい……
>  てえのが30条の意味。

そうですね。

>  (30条は違法性阻却事由ではなく
>   そもそも著作権の範囲を制限した規定だとするのが通説。)

これも一応、理解しております。

>  30条に該当しなきゃ30条は出てこないだけのこと。

おっしゃる通りです。(その点は理解した上で、だったんですが:-)

>  違反を問えるのは普通は
>  「……しなければならない」(作為義務)
>  「……してはならない」(不作為義務)
>  という義務規定であって
>  「……できる」という形の規定に違反することはあり得ません。
>  ……「……してもいい」し「……しなくてもいい」んだから……。

という点は十分に承知した上で、先の論を構成してみたつもり
なんですけど、やっぱ駄目ですかね。

で、先の話をこの線に沿って再度述べると次の通りになります。

1、
先の記事で示した30条の三条件はいずれも、複製時の複製者の状態
を表している。しかし、「私的使用目的の項目」は、30条に則って
複製された複製物(以降、複製物)の事後に対する扱いをも規定し
ていると著作権審議会報告書では述べている。

2、
複製時に三条件を満たしている状態であれば、複製行為自体は佐々
木氏もおっしゃっている通り「著作者の権利を制限」した状態とな
り、複製後に使用目的を異にした場合の明文規定は49条となる。

3、
49条では「頒布した場合」となっており、先の記事における「中間
層」が仮に存在するとするのならば、中間層への貸与や譲渡行為に
は、49条は適用できない。

4、
以上から明らかな通り、複製物を30条に示した目的外に事後に使用
した場合の中で、49条の適用を受けないケースが存在する可能性が
ある。

5、
亀山氏が御紹介されている「著作権法逐条講義」によれば、119条自
身により119条の適用が除外されているケースは「公衆の使用に供す
ることを目的として設置されている自動複製機器を使用した場合」
のみである(伝聞ですいません。私はまだ確認してません。)。

疑問:
以上の議論から結論を求めるとすると、中間層に複製物を譲渡あるい
は貸与した場合でも、30条に定められた著作者の権利の制限から外れ
た行為となる為、119条が適用される可能性が生じる、となる。
つまり、49条で定められた「みなし」以外のケースでも、119条が適
用されることになる。この理解で本当にいいのだろうか?

# 私の目的は現行著作権制度の問題点を洗いだそう、なんで、ほんと、
# 荒探しになってます:-)
# お暇な方、一緒に考えて下さい。お願いします。

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