共通教育「情報科学演習」〜OneDriveのことは考えたくない〜
せっかくなので琉球大学(知能情報)アドベントカレンダー Advent Calendar 20243日目の記事だ!
授業「情報科学演習」
2022年から共通教育の授業「情報科学演習」を1クラス担当することになりました。とはいえシラバス眺めてみると「クラス毎に大分中身が違う」のだよな。大別すると以下の3点にまとめられそうだけど、殆どの授業は前者2つがメインかもしれません。
- 情報リテラシー
- Office系ソフトの演習
- データサイエンス系の演習
これに対して高校では2022年4月から新しい学習指導要領が始まっているので、2025年度からは情報Iを履修した生徒が入ってきます。指導要領の解説から抜粋すると以下のようなことを掲げているらしい。
今回の改定では、「見方・考え方」を働かせた学習活動を通して、目標に示す資質・能力の育成を目指すこととした。(中略)共通教科情報では、「情報に関する科学的な見方・考え方」については、「事象を、情報とその結び付きとして捉え、情報技術の適切かつ効果的な活用(プログラミング、モデル化とシミュレーションを行ったり情報デザインを適用したりすること等)により、新たな情報に再構成すること」であると整理されている。(指導要領 情報編解説, p.7より抜粋)
また、データサイエンティスト検定のリテラシーレベルでは「社会におけるデータ・AI利活用」「データリテラシー」「データ・AI利活用における留意事項」という3つの観点でスキルセットを設計しているらしい。
あれこれ悩んだ結果、2022年度当初は分析者のためのデータ解釈学入門 : データの本質をとらえる技術 : Data hermeneuticsをベースに、演習を R (R Studio) で用意する形で実施したのだけどこれが辛くて。OneDrive周りの問題で環境構築がメタくそ辛い。当時は知らなかったのだけど、後からググると100ページを超えるスライド:RとRStudio のインストールと初期設定 Windows編があるぐらい、OneDrive周りでの苦しんでいるケースが散見されるぐらいには「二度とやるか馬鹿」という得がたい経験をしました。
💡 Tips
- 学生自身は自分が OneDrive 設定しているかどうかを把握していないことが多い。(分からなくは無い)
- OneDriveで同期設定していると、がしがしローカルファイルがクラウドに同期され(分かる)、ローカルストレージにはエイリアスだけが残る(意味が分からない)。
- ファイルオンデマンドと呼んでいるらしい。
- これをONにしていると、基本的には同期が済んだローカルファイルの本体は無くなり、エイリアス(リンク)だけがあるような状態になる。エイリアスを参照するとダウンロードが開始され、ダウンロード後に参照できるようになる。
- こいつのせいで「あるタイミングでは実行できるが、別のタイミングでは実行できない(暫く放置すると動くようになる)」ことが頻発する。
*naltomaスラング*!!
このような経緯があって2023年度からは Google Colab + Python にしました。Colab使える間はこれが安パイですね。
教科書は今でもまだ悩んでいるんですが、今のところは以下の良いとこ取りな感じ。