[複雑研全体ゼミ補足記事] 5/13, ZMP姿勢制御、人のイメージに近い区切り方
実験1/スクリプトプログラミングの仮採点結果の通知メールを送付しました。特に問題無ければそのまま採点確定になる予定ですが、質問・相談してくる人がでてくるかは謎です。
ちゃんと出す学生は出しますが、例年の傾向として「再受講している学生は出さない傾向にある」のは相変わらずです。単位を取ること、卒業することが重要じゃないなら時間的にも金銭的にも勿体無いので素直に別の道を歩めば良いのにと思うんですが、そう簡単な話では無いらしい。そういう人の受け皿が社会には必要だとは思うんですが、うーん。
以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。
今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
・稲福政樹: [1] ZMP姿勢制御
・福里宏晃: [2] 人のイメージに近い区切り方
での関連話を補足します。
[1] RoboCup用ロボットNAOの姿勢制御, IPSJ 情報処理学会第75回全国大会
[2] 崩れた表記に対応する日本語形態素解析器の開発, 情報処理学会第75回全国大会
>ZMP姿勢制御
まだ特定目的を意図していないようなので、姿勢制御全般について絞り込まずにいくつかピックアップしてみます。
[3]によると、目標の位置姿勢に移動する制御のために絶対位置を論ずるための「地図生成や自己位置推定を同時に行う (通称SLAM)」という立場と、周囲の物体との相対的な位置関係だけで目標姿勢に移動する立場というのがあるようです。[3]自身は後者の相対的位置関係の一例で、視覚センサを用いつつ逆運動学を線形近似することで計算量を抑えつつ高精度に近似する線形ビジュアルサーボ(LVS)を用いた事例のようです。
より近いものだと、ロボット学会にて2足歩行ロボット技術についての特集記事 [4,5] があるようなので、山田先生にお願いしてみると良いんじゃないかと。
[3] 線形ビジュアルサーボによる全方向移動ロボットの位置と姿勢の制御, 日本機械学会論文集C編, Vol. 77 (2011) No. 774 P 460-469, https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/77/774/77_774_460/_article
[4] 「2足歩行ロボット技術」特集について, 日本ロボット学会誌, Vol. 30 (2012) No. 4 p. 335, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/30/4/30_30_335/_article/-char/ja/
[5] 2足歩行ロボット技術の現在, 日本ロボット学会誌, Vol. 30 (2012) No. 4 p. 336-343, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/30/4/30_30_336/_article/-char/ja/
>人のイメージに近い区切り方
形態素解析というよりは上記の言葉の方が適切に感じたのでこう書いています。
[6] では「腐女子/地味変/DVD/w」みたいなそもそも日本語と扱うのが適切かどうか良く分からない「語」について、使用者の偏りという点から「自然な日本語の選別」をやってみているようです。
[7] も文学寄りの事例ですが、「おお、そうじゃ、わしが知っておるんじゃ。」と喋らせるとその人は老人という人物像を思い浮かべる。というように、話者の人物像と密接に結びついた話し方の類型(=役割語、ヴァーチャル日本語)についての講演。方言の延長線上にあるようなものも多いけど、その一方では「〜〜だワン」「〜〜イカ?」とか実世界では存在しないものも多く、そういうことについて歴史的、言語学的に取り組んでいるみたい。
[8] は、今回の「平仮名だらけの文」に近いケースだと思いますが、絵本のテキストを対象として KyTea 能動学習してみた事例です。
[9,10] は IME を想定した事例で、内部的には「区切る」部分が出てきています。[10]はGoogle IMEの中の人です。
[11] は論文賞を受賞したもので、「片仮名列から単語列への変換」というタスクを構造予測問題として定式化し、言い換え(e.g., アンチョビソース->アンチョビのソース)や、逆翻字(e.g., ジャンクフード (junk food) と言えば)という事例を利用している事例です。
[6] 頻出語ではなく使用者が多い語が自然な日本語である, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), C5-4,
[7] 役割語研究の現在, 金水 敏, NLP2013 招待講演2, https://ie.u-ryukyu.ac.jp/tnal/archives/3441#invited_talk2
[8] 絵本のテキストを対象とした形態素解析, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), A6-4, 参加メモ: https://ie.u-ryukyu.ac.jp/?s=絵本#A6-4
[9] N-gram と N-pos のアンサンブルによるクラウド仮名漢字変換, 言語処理学会 第18回年次大会 (NLP2012), A1-1
[10] Web上のひらがな交じり文に頑健な形態素解析, 言語処理学会 第18回年次大会 (NLP2012), C5-3
[11] 言い換えと逆翻字を用いた片仮名複合語の分類, 自然言語処理, Vol.19, No.2, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp/19/2/19_65/_pdf