(不定期コラム) レポートに限らず、相手に伝えるためには相手が理解しやすい形でアウトプットしよう(言い換えると相手の解釈コストを下げるように努力しよう)

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ここ最近通院もあってさぼり気味のコラム記事。12回目は期末テスト代わりに課されていることもあるレポートを取り上げてみます。といってもいろんな観点があるので今後も何度か出て来るキーワードだとは思いますが、今回は「相手に伝える」という観点からいくつか論じてみます。

その1、相手に伝わる共通言語で書こう。ここでいう「言語」とは日本語/英語とかの意味合いではなく、「相手に伝わりにくい/誤解を与えやすい言葉や表現は避けるべき」という意味です。例を挙げて説明してみます。プロジェクトデザイン最終発表会2013のお知らせにはいろいろ書かれています。何やら不備が合ったらしく修正が入るようですが、サンプルとして残してはどうかという提案を頂いたので修正前(7/29, 12:48時点)の原文を以下にコピーしておきます。

名嘉@工学部技術部です。

プロジェクトデザインI、IIの合同最終発表会が今年もあります。

プロジェクトデザイン最終発表会2013要項(閲覧には学科アカウントが必要)
https://ie.u-ryukyu.ac.jp/pd/?p=2009

日時:2013/8/9、8:40-18:10
場所:工1-322教室
発表:1グループ発表15分、質疑応答5分、計20分(最大時間)
Twitterハッシュタグ: #ieryukyu
Ustream:http://www.ustream.tv/channel/ie-ryukyu

受講生以外も多数のご参加をお待ちしております。

プロジェクトデザインI、II、PM演習受講生は
投稿の仕方などの案内があるので要項をよく確認しておいてください。
以上よろしくお願いします。

上記告知文に対して思いつく限り「このお知らせ内に直接は書かれていないこと」を例示して見ると、以下のようになります。

  • 「プロジェクトデザイン」が講義のことを指していること。
  • 「カテゴリー」が複数列挙されていることからいくつかのカテゴリに関連した内容であること。
  • 「I,II」という2つの連番のある講義であること。
  • 「工1」が工学部1号館を意味していること。
  • 「Twitter」を利用している学生数が相当数いそうなこと。
  • 「PM」が関わっているらしいこと。

上記以外にもありそうですが、このような「共通した背景で汲み取ってくれる言葉」を使って記述されている分には解釈できる範疇でしょう。これらの背景を知らない人からすると「何かしら発表会があるらしい。TwitterやUstreamで眺められそうだ」ぐらいしか読み取れないでしょう。そういう人向けにそのぐらいの理解で十分な告知文であればこのように書くのもありですが、そうではなくもっと伝えたい事があるなら「想定対象者毎に伝わるように書く」必要があります。解釈できない/解釈困難(=コストが大きい)な文書は読み飛ばされてしまいます。こうして書いてるコラム記事もそうかもしれませんがw

上記と似た話として「同じことを複数の用語で書かない(用語は統一して書こう)」という指摘をすることが比較的多いです。上記の例で言う所の「プロジェクトデザイン」という講義を書くのに、同じ文書内で「プロデザ/PD」とか他の書き方を混在させて書くと、読み手は「同じものを指してるのか、他の新しい何かについて述べているのか」を判断するためのコストを強いられてしまい、苦痛です。このぐらい簡単な周知文なら多少混在してても解釈しやすいですが、A4数ページ程度になってくると混乱の元になりがち。

なお、情報工学科的には「日本語表現法入門」という必修科目で理科系の作文技術あたりを教科書指定してるはずです。クラス毎に異なるっぽいので「はず」となるのだけれども、一応クラス毎にレポートの書き方については学べているはず。