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From: ikoma@shpnar.sharp.JUNET (Takao Ikoma)
Newsgroups: fj.kanji
Subject: Re: Hankaku Katakana (In KANJI)
Message-ID: < 875@shpnar.sharp.JUNET> 
Date: 16 Sep 87 08:29:50 GMT
References: < 561@cskvax.csk.JUNET>  < 3559@etlcom.etl.JUNET> 
	< 1565@hagiwara.kuis.kyoto-u.junet> 
Reply-To: ikoma@shpnar.sharp.JUNET (Takao Ikoma)
Distribution: fj
Organization: Computer Div., SHARP Corporation, Yamatokohriyama, Nara
Lines: 70

In article < 1565@hagiwara.kuis.kyoto-u.junet>  sanewo@hagiwara.kuis
.kyoto-u.junet (Takanori Sanetoh) writes:

> なお、バイト幅と表示幅の不一致の問題については、たとえばビットマッ
> プにプロポーショナル・フォントを表示する場合を考えてみればわかるよ
> うに、本来、文字の幅というものは、文字のクラス(半角とか全角とか)
> によるのみならず、文字毎に違っているのがあたりまえであると考えられ
> ます。

> そう言う意味で、「半角カナの困難」というのは、各文字が固定された幅
> で表示されるという偶然、また、それらの表示幅がそれらを表現するため
> に用いられるバイト数に一致しているという偶然に依存してきたことに対
> する「ツケ」がまわってきたということなのではないでしょうか。

    (私もこの偶然の一致にはだいぶん借りがあるのですが...)

    以前から、全角/半角というものは、文字の表示属性として、すなわち、
単なるフォントの違いと同じレベルで扱うべきで、半角と全角でカナ、英数
字、特殊記号の同じ文字(たとえば、" A" と" A" )が違うコードで処理される
のはおかしいと感じ、そのような主張をしてきました。たとえば、ファイル
の名前で" abc" と" ABC" が別のものであるのは(すくなくとも私は)納得でき
ますが、" abc" と" abc" を区別するのは苦痛です。また、文字列のサーチで
は、半角/全角を区別してほしいケースはほとんどないと思います。親切な
ファイルシステムやエディタならば、これらを同一視してくれる(あるいは、
そのようなオプションを用意していてくれる)のでしょうが、(妙にできの
よい)アプリケーションやOSが(不出来な)デバイスの面倒を見すぎるの
は困りものだと思っています。

    たしかに、画面で1:2の比率で表示されるものを1行80バイトで
(たまたま)扱えるという利点もないわけではありませんが、全角/半角の
印字比率が1:2でないプリンタはたくさんありますし( :-<  )、じゃあ倍
角は4バイトの文字コードで表現するかというとそんなことはありません。
倍角というものを考えてみると、半角/全角/倍角という概念とコードの概
念が独立であることがよくわかると思います。要するに、半角=8ビット、
全角=16ビットという単純な話ではないということです。

    一般的には、8ビットの文字と16ビットの文字を混在させて使うから各
種ソフトウェアの日本語化(正確には漢字化)の問題が複雑になるのであって、
内部処理的には均一サイズ(16ビット)のコード体系で処理し、ファイルに
格納したり、伝送する部分など、空間効率が問題になる部分でのみ局所的に
コード変換(圧縮)すればよいと思っています。言い換えると、本来のデータ
としては均一サイズのコードの集まりであり、ファイル上、あるいはネット
ワーク上ではこれをパックした結果、8ビットと16ビットのコードが混在し
た表現になっていると考えるほうが自然だということです。

    日本語のマルチフォント表示/印字が現実的なものになってきた今日、全
角/半角といった概念を見直す(言い換えれば、全角/半角(/全角)という
表現上の問題と8ビット/16ビットコード系という文字コード体系の問題と
をはっきり区別する)時期に来ているように思いますが、いかがなものでしょ
うか?

    世の中にたくさんある端末やプリンタが、全角/半角という制約から解脱
するにはまだまだ時間がかかる(必ずしも解脱する必要もない?)と思います
が、だからといって、アプリケーションソフトウェアやコード体系がデバイス
の進化を待つ必要はなく(当面はデバイスドライバのレベルで吸収できるはず)、
ましてやデバイスの都合で後ろから引っ張られたくないというのが、デバイス
インディペンデント(でありたい)(元?)ソフト屋の意見です。

    ここで述べたのが現状に目をつぶった理想論であることは承知のうえです。
だからこそ、某国家プロジェクトのレビューで全角/半角なんて考えは捨てて
しまおうよ、と提案して一蹴されたときから...(以下、自主規制)。まあ、
事業プロジェクトが現実路線を選択したことは理解できないことではありませ
んが。

(しかし、全角の:−)は鼻の下(上?)が長く見える...;-)


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