No. 657/1090 Index Prev Next
Path: ie.u-ryukyu.ac.jp!hakata!aero.kyushu-u!newsfeed.media.kyoto-u.ac.jp!odins-alpha!odins-relay.odins.osaka-u.ac.jp!ryujin.center.wakayama-u.ac.jp!news
From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright,fj.soc.law
Subject: Re: fj 社会での公正
Followup-To: fj.soc.law
Date: 06 Sep 2000 19:33:37 +0900
Organization: Center for Information Science, Wakayama University
Lines: 71
Message-ID: < m366o9g67y.fsf@dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp> 
References: < 8p4eco$kn9$1@neelix.mmtr.or.jp>  < SEO.00Sep6123208@atlas.rc.m-kagaku.co.jp>  < 9384.968215468@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp> 
NNTP-Posting-Host: dolphin.eco.wakayama-u.ac.jp
X-Newsreader: Gnus v5.7/Emacs 20.4
Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11655 fj.soc.law:36993


ひで@和大、です。
法律論全般に及ぶ部分だけを抜粋して、fj.soc.lawに回します。
Followup-to に注意!

kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
>  河野 真治@琉球大情報工学です。
>  
> In article < 8p4eco$kn9$1@neelix.mmtr.or.jp>  , 
> 	"Kouichi Niimi"  writes 
>  > >      「fjを通して知り合った人が、私的使用として複製を融通する」
>  > >  というのは、まったく問題ないという立場です。いろいろ議論した
>  > >  けど、結局、この手の記事にたいする違法だとか違法行為を誘発す
>  > >  るとかの反応は、すべて間違っていたと思います。
>  > 今までの議論(もちろん河野氏を除いた)を通して、まだそういう主張
>  > ができるというのは、ある意味感服しますけど、法治国家に住んでい
>  > る以上、それ(河野氏が問題ないとしている行為)は許されないことで
>  > しょうね。
>  
>  その許されないっていう部分を、もっと明確にしてください。
>  
>      0. 違法ではないが、(新美氏に)許されない
>      1. それは違法であるが、可罰性はない
>      2. それは違法ではあるが、告訴されないので、公訴されることはない
>      3. それは違法であり、可罰性があるが、判例はない
>      4. それは違法であり、実際に、違法であるという判例がある
>  
>  さぁ、どれなの? 4以外は、これが法律的に問題があるとは主張できない
>  と思いますけど... 判例をみつけたのかな?

私は、0から4のいずれにおいても「法律的に問題があると主張でき
る」状態の必要十分条件に合致するとは考えられないのですが.....

# つまり、彼が提示していない5番目の選択肢こそが、必要十分
# 条件であると考えます。

その理由を記します。
まず、安易に「違法」という用語を使っています。
刑事においては「違法」という概念が「犯罪行為」に結び付く可能
性があり、可罰性があるか否か?という議論が発生するでしょうが、
こと民事に限って、可罰性の議論は不要です。

# 違法行為であるが可罰性は認められないから犯罪とは言えない、
# って記述は、法律論としては成立するはず。

一方民事に限定すれば、法律で定められた権利を侵害する行為を
「違法」という一言で簡単に表現することは避けるべきでしょう。
権利侵害行為に対しては、一般的には不法行為上の損害賠償請求権
(民法709条)や当利益返還請求権(民法703, 704条)が認められ
ています。著作権法では、さらに独自の損害賠償請求権と現状回復
権が認められています。

# 違法ではなく、不法行為、である点を注意。

また、この様な問題点に全て目をつむったとしても、上記河野氏の
主張を受け入れることは、法律論としては認められないと考えます。

判例がなければ「法律的に問題があるとは主張できない」のであれ
ば、全ての行為に対する法律的問題点の議論は、判例によってのみ
成立する訳です。
従って、全ての行為の法律的な問題点の有無は、裁判によってのみ
決定することになります。なぜなら、裁判とは個別のケーススタディ
でしかなく、一つとして同じ状況は再現する見込みがないからです。

# この考えを押し進めていくと、実は法律すら無意味な存在と
# なってしまう:-)

河野氏を説得することは非常に困難であると予想されます。
ひょっとすると資源の浪費に終るかも知れませんが、彼を説得する
方法について、皆様のお知恵を拝借したいと思います。

Next
Continue < 11213.968249394@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp>
< 39B8AF81.6079F4E0@af.wakwak.com>