授業「プログラミング1」の変遷

Share on:

琉球大学(知能情報)アドベントカレンダー Advent Calendar 2024が空いてるので2日目の記事です!!


授業「プログラミング1」の変遷

プログラミング1の変遷

私がプログラミング1を担当し始めたのが2016年。このタイミングでPythonにしました。基本情報処理技術者試験では2020年度からPython追加されてるので、数年前からやってたことになりますね。とはいえ2023年の試験からは疑似言語に統一されているんだよな。

英語教科書指定は大分不満があっただろうなと想像します。でもこの教科書はそれなりに平易な英語で書かれてて、コース会議でも回覧して承認してもらったし、プログラミング系公式ドキュメントは殆ど英語で書かれてることを考えると最初から英語説明になれてた方が良いよねとか、諸々の判断でそうしていました。でも、今は同教科書の和訳版を指定しています。理由は圧倒的にそっちが安いから(白目)。

他にもコロナ以前(〜2019)はスライドベースの資料だったのが、2020年にスライド+膨大な説明文に変わりました。これは一時的に資料配付だけで済ますタイミングがあったための対応でした。しかしそれだとわかりにくいよなということで2021年からはJupyterBookでほぼ教科書書くぐらいに刷新。

そんなこんなでいろいろ変わってきています。ここ最近での大きな変化は、2023年度から「30分オンデマンド」を取り入れたことです。90分授業のうち30分を事前にオンデマンド動画で用意しておき、事前学習してもらい、当日授業は30分遅れ(1限目なので8:30開始が9時開始に)てからの開始。このようにした理由はいろいろあって、、、

  • 30分オンデマンド導入理由
    • 演習でもたつく学生は、好きなタイミングで動画停止や再履修可能。
      • 理解や作業の遅い学生にとっては、個々人が大きな時間を割くことで理解しやすくなる。
      • 理解や作業の早い学生にとっては、無駄な待ち時間が減る。
      • 事後的アーカイブだけだと、授業中についてこれなくなった場合には授業時間中の無駄が大きい。事前30分を十分理解できた状態で望むなら、残り60分はより付いてきやすくなる(だろう)。
      • 懸念点:当日は事前30分を終えた前提でやるので、やらない学生はよりドロップアウトしやすくなる。
    • 冒頭30分の自由時間で学生個々人に応じた対応ができる。
      • 教員やTAは予定通り90分対応するので、自由時間の30分を使ってわからない学生は相談対応が可能。実質的なアクティブラーニングになる。十分な学生らは時間をそれ以外のことに使える(待ち時間の有効利用。コミュニティづくりでも良い)。
      • 懸念点:事前理30分で分からない点を自由時間で質問しないなら、その後の60分についても分からないままである可能性が高い。
    • 1限目(早朝)なのを少し和らげることができる。(こっちの方が学生にとっては嬉しい?)

ぐらいのことを期待して導入しました。実際どうなったかというと、平均成績が10点程度向上。ただしこれは100点超えの人を含みます(私の授業ではレポート評価が多く、100点満点採点とは別に加点することがある)。

2023年度後期のプログラミング2でも似たような傾向があり、学生からの評判も良いので今のところは継続中。点数分布の推移を含めた年表はこんな感じです。Fの減少には寄与してませんが、単位取れる学生の点数は向上してる(B以上が増加)感じですね。