卒業研究中間発表Web投稿〆切日、Project311メモ

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というわけで、今日は卒研中間発表の原稿〆切日です。そろそろ全員出したかな? うちの学生もどうにか仕上げて出せましたが、どういうコメント貰えるのか&それを踏まえてどう歩んで行くのかが見所です。

上記リンク先にある通り「中間発表」にはいくつかバリエーションがあって、全員必須なのは一般的な予稿2ページの作成&Web提出+質疑応答3件以上。希望者や研究室の方針次第で口頭発表。質疑応答3件になかなか満たない学生は、自分たちでかけずり回って「質問お願いします!」と学生自身がかけずり回るというのが恒例行事です。恒例行事といえば例年全員の原稿眺めてコメントするのが私の恒例行事なので、明日から少しずつやるか。1日10件ぐらいでやれば1週間かからないペース。

昨日リンクだけ紹介したProject311の発表資料を眺めてみました。プレゼン形式とポスター形式の2通り(?)あるっぽいのですが、取りあえず今日眺めたのはプレゼン形式の方。以下、気になった事例のメモです。

茨城県つくば市における地域情報発信の様子を振り返る試み」の「ツイッターが役立つのは、典型的にはつくば市のような中間的な被災地ではないか(要検証)」という観点は面白い。確かにクリティカルな場所へのアクセスとかいろんな意味で「中間的な被災地」が果たす役割を効果的に行えると良さそうに思う。

道路・交通関連情報の読み解きの一考察」の「メッシュ化してわざと粗くすることで状況を面的に把握する」というのは確かに。

Twitterからの被災時の行動経路の自動抽出およびその信憑性の検証」ではツイートされたテキストデータから「出発地/目的地/移動手段」を抽出してみたらしい。

大震災の解釈に際する地域差異と時系列変化-TWITTERデータの社会心理学的分析-」はツイート(テキスト)に現れる言語の抽象度具合からニュアンスを特定するために「言語カテゴリーモデル(LCM, Semin &Fiedler 1988)」という考え方でアプローチしてみているらしい。

Twitter emotion analysis in Tohoku earthquake crisis」は、ツイートを感情6カテゴリに自動分類して震災直後〜数日間の推移を見たという話。データの傾向を眺めるという点ではこういうやり方もあるか。

震災時のハッシュタグ活用について」は、ハッシュタグ付きツイートの内容分類したという話。主成分分析でカテゴリー設定し、RT上位5位を人で分類したらしい。高精度に自動分類できるなら、ハッシュタグを自動付与するとか把握するというような「ハッシュタグを使った情報交換」を前提にするのではなく、ハッシュタグ無しやりとりを検討しても良さそう。

Falconseedを使った分析プロジェクト」のFalconseedというのが何だろうと思ったら、膨大なCSVに対してgrep/sed/sort等をGUIベースでやるためのツールっぽい。確かにこういうのがあると助かる人は大勢いますね。

あと、東日本大震災ビッグデータワークショップ Project 311に「野良分析チーム」として参加したという参加者ブログも面白い。「人はいかにして帰宅を決断したか、Twitterによる首都圏の避難場所情報は有用だったか?」という視点からあれこれ試行錯誤し、ボツになったネタも並べてたり。こういうのを眺める機会ってあんまりないし。