No. 71/1090 Index Prev Next
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Subject: Re: 法律文書のホームページ公開は可能か
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From: cal@host.or.jp (SASAKI Masato)
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Date: Tue, 30 May 2000 21:41:44 +0900
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NNTP-Posting-Date: Tue, 30 May 2000 22:42:32 JST
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佐々木将人@函館 です。

> From:Mitsutaka Nakamura
> Date:2000/05/30 01:24:25
>Message-ID:< 8gu5lp$nhh$1@netnews.rim.or.jp> 
> 
> > 「思想又は感情を創作的に表現した出願書類・届出書」
> > というのは、ちょっと受理したくないなあ……。(笑)
> 
> それは「思想又は感情」ってとこを変な意味で受け止めているのでは
> ないでしょうか? 特に「思想」は「政治思想」的なものに結び付きやすいですが、
> 単に「考え」と捉えれば、発明を書く特許等はまさにそのものでしょう。

いやいや。
「創作的に表現した」ってことは
定型的ではないってことでしょう?
出願内容や届出内容は独創的なものでないと困るけど
その独創的であることを説明する文書自体が独創的だと
届出を受けて処理する側は定型的な処理ができないんだから
面倒くさいことになってしまう……。
届出書類がえてして一定の様式や記載事項を定めて
時にはその様式を守らないとそのことだけで却下してしまうのは
「内容はともかく形式や表現自体は定型的であってくれ!」
ってことからやん。

上記の私の表現ってえのは、
例えば別の表現をとるとすれば
「災害の報告書を叙事詩で出すのは勘弁してほしいなあ。」
ということになります。

でだ、はからずも
著作物か否かの判断基準の相違をどこにおくかの違いが
「単に考えと捉えれば」って表現に現れていると思うのですよ。

端的に言っちゃうと
「単に考えと捉えるくらいで著作物としてはいけない」
ってえのが判例の線なんです。

この判例については数年前に岩田さんとも議論になっていますが……。

> また、上記「私信」ってのは、どういう内容の私信だったのでしょうか? 
> 特許の出願書類なんかと同じような内容だったということでしょうか?
> 届出書類(機能文的なもの)が著作物であることを否定する材料にはなっても、
> 特許の出願書類等が著作物であることを否定する材料にはならないと思うのですが。

ぜひ一度見てみてください。
判例タイムス926号p207以下に
で、私の記憶に間違いなければ関連記事が別の号に載っています。

事案を説明するとある団体の内紛の際に
体制側に属する差出人が「立場上支援はできないけど心情的には……」
という立場で反体制側の受取人に送った心情的支持を内容とした手紙を
後にその受取人がその団体についての書籍を出版した際に
その手紙をその書籍に掲載した結果
差出人から損害賠償請求をくらったって話。

なもんでプライバシー権侵害をも理由にして請求しているし
そっちは認められている訳。
そのくらいの手紙だから
単なる事務連絡だとか事実の報告などにはとどまらないもの、
(ここだけ引用順を変えています。)
> 特許の出願書類なんかは、著作者(発明者)の独自の個性が現われているのは
> 言うまでもないと思いますが。文書はもちろん、説明のための図形とかも
> 入っているわけですし。一つのアイディアがあったとして、それをどう
> 説明するか、文章にしても図にしても構成にしても個性が現われると思います。
という基準で考えれば個性バリバリで著作物であること疑いなし。

だから読んでみると
「なんでこれが著作物にならないの?」
と思うこと請け合い。

でも、
高松高裁判決はこの手紙の著作物性を明確に否定している訳さ。
そこから判例批判にいくもよし
なんらかの特殊性を示して「他の事件では同じ結論にはならない」
と行ってもいいけど
少なくとも高松高裁判決は
「単に「考え」と捉えれば」とか
「個性が現われる」くらいでは
著作物にはならないという判断をしていることは否定できないと思いますし
この点を避けて通るわけにもいかないと思います。

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今度はlisp.gcだよ。
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「まさと先輩!お花見行きませんか?」って誘われてみたい!?
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