No. 869/1090 Index Prev Next
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From: "Nakagawa" 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 30条と49条 (罰則関係)
Date: Fri, 22 Sep 2000 01:11:20 +0900
Organization: PLALA
Lines: 76
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中川@つくば です

30条の、大変すっきりとした説明で、専門外の私も、一つ疑問が
解けた気がしますが、一方で、私的利用に限定した条項がありながら
以後の利用法に対する規定がないのは不思議にも思います。

以下のいくつかの解釈は、考慮の余地があるのでしょうか?
(法律用語には疎いので、法律用語が使われていても、
 日常用語の意味であるとお考え下さい)

1.30条の立法趣旨からして、それは、著作権の実質的侵害となる
 複製行為を制限しようとするものであるから、
 そこで複製された著作物は、私的利用の制限が当然に
 ついたものである。

2.個人的もしくは家庭内およびそれに準ずる範囲での使用を
 目的とした複製は著作物を有効利用するためのものであり、
 著作物に対する価値を増加させるものであって、
 仮にそれが禁止されていたとしても、複数個の著作物を
 手に入れる事は考えがたい。一方、私的利用を越えた
 複製物の貸与などは、実質的に著作権者がもつ頒布権の
 効果を減殺させるものであり、頒布権の実質的侵害となるため、
 当然に制限される。
 (この場合、著作権者が頒布を停止している著作物については
 目的外使用が認められる。テレビ録画も、ビデオ化の予定が
 なければ同様)

3.私的利用のために録画しようという、個人の動機については、
 理性的人間として、ある期間の意思の一貫性が要求される。
 従って、複製直後に容易に人に貸す行為が行われるとするならば、
 複製の際に私的利用以外の目的を予定していたといわざるをえず、
 私的利用のみを考慮していたという主張は採用できない。

3の極端な例として、
後で見るために録画しながらテレビを見ていたら、
 (私的利用目的の録画)
あんまりつまらないので、二度見ることも無いだろうと思いつつ、
 (無目的の録画)
気がついたら最後まで録画していて、
 (複製の完了)
次の番組も面白そうなので、今の録画の上に重ねて録画しようかな、
 (目的消滅で複製物破棄)
と考えたとたん、上司のことを思い出して、あげちゃえ、
  (私的利用範囲の逸脱)
と考えるような人に対して、
法は、複製時点では私的利用を考えていたという主張を認めるのでしょうか?
これほどコロコロ変わっても、複製は適法と判断できるのでしょうか?

テレビ録画の貸与という例を挙げると、
私的利用以外の利用も許されるのは自然に思いますが、
30条がありとあらゆる著作物の複製に関する規定であることを考えると、
分野によっては、著作権者に酷な規定になり得ると思います。

著作物の性質によって法解釈に差をつけるとすると、
49条の頒布・提示ぐらいしか思いつきませんが、
現在の著作権法では、それ以上に差をつけるのは困難なのでしょうか?

fjでのこの議論は、テレビ録画のビデオを貸してほしいという投稿に対して
大変に威嚇的なフォローがつく事があるというのが発端です。
フォローが威嚇的なのは良くある事にしても、
その内容が決して適切ではないと、私も感じていました。

その一つに、「貸してほしい」の記事での録画内容は、
多くが、借りない限り(少なくともすぐには)見れないものであり、
映画のように、テレビで見そこなったら買えば良いものは、
有意に少ないと感じられます。
それは、著作権法では何の意味もない区別かもしれませんが、
著作者が本来守りたいと思っている著作権の軽重を、
おおまかにではあれ、推測しての行動であり、
それは(法から離れた)著作権を正しく尊重する態度でもあります。

それに対して、一律に適法・違法を指摘するのは、
著作権の啓蒙であるように見えながら、
著作権者が望む著作権への、
利用者の理解を混乱させるものではないかと考えます。

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