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Subject: Re: 法律文書のホームページ公開は可能か
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From: cal@host.or.jp (SASAKI Masato)
Organization: cal personal
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Lines: 85
Date: Mon, 05 Jun 2000 20:48:07 +0900
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NNTP-Posting-Date: Mon, 05 Jun 2000 21:19:33 JST
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佐々木将人@函館 です。

読者の中に誤解があるといけないんで一応自己フォロー。

> Date:2000/06/05 01:36:56
>Message-ID:< 20000605013656cal@host.or.jp> 
> 
> > > 「特許関連は学術」じゃあ理由になってないです。
> > 
> > 当然文脈上、「特許関連の出願書類」のつもりですが。
> > 佐々木さんの出された4択から、その一つを答えただけですよ。
> 
> この議論の前提ですが
> 中村さんが基準にしている著作権法の解説書はなんですか?
> 私は以前岩田さんとの議論に使った半田先生の本ですが……。
> 別の先生のものですか?
> 
> > > 「特許の出願書類自体が学術である」まで言いきらないとだめです。
> > 
> > > > > ところで出願書類って
> > > > > 「文学」?「学術」?「美術」?「音楽」?
> > 
> > って聞いておいて、どうしてそういう結論づけちゃうんでしょう。
> > 変なとこで日本語に拘りますね:-)。
> 
> 解説書読めば当然の議論のはずですが……。
> (たいていの教科書では触れているはずだけど……。)

このあたり解説書を読んだ人の中には
もしかしたら目がテンになっている人がいるかもしれないんで……。

著作権法2条の「文芸・学術・美術または音楽の範囲に属するもの」
の淵源の1つは旧著作権法の下での判例の定義ですし
また国際条約
(文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)の2条1項
「文芸、学術及び美術の範囲に属する」
と同旨とされています。

そして一般的には
「特許」だとか「実用新案」だとかは
「技術」であって「学術」ではないから
著作物性は否定されると言われているのです。
(実用新案は判例が出ているし
 特許については半田先生が明文で否定しています。)
これは私の想像ですが
無体財産権は著作権と工業所有権とに分類され
それぞれ「Literary and Artistic Works」「industrial Property」
と称されているゆえんのものは
同じ無体財産権でも性質や指導原理が異なると考えているところに
あるのではと思うのです。
どっちがいいとか悪いとか高級とか低級とかいう議論じゃなく
ただ単に性質が違うのだ……と。
言うなれば工業所有権に関するものは著作権の守備範囲外であると。

そうすると特許を学術に含め得るとした岩波国語辞典の解説は
著作権法の解釈に関する限りそもそも妥当ではないのです。
だからもし特許出願書類が「特許に関する」と言った瞬間
「じゃあ著作権法の適用は絶対にないね」で
終わってしまう話なんです。

でも厳格に言えば著作物にならないのは特許の対象物であって
特許の出願書類自体は特許の対象物ではないのですから
特許の出願書類の著作物性は以上の議論では否定されたことになりません。

しかしながら(ここがポイントですが)
特許の出願書類に著作物性を認める場合には
特許に関するからではダメで
(それだと特許に関するのだから著作物にならないとすぐ切られます。)
特許の出願書類が特許物とは別に
そして特許の対象にならないからこそ
「学術」「文学」に属しないとだめで
いわば「特許出願書学」「特許出願書文学」にならないとだめだということを

> 「特許の出願書類が学術の範囲に属する著作物」と言いきらないと
> だめなのです。

で表現しているものなのです。

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