(FIT2026) 1日目
情報科学技術フォーラム(通称FIT)が始まりました。オンライン参加で気になった発表をこんな感じで残すようにしてるんですが、大きなイベントになるほど並列度が凄いことになってるので実際に目にしているごく僅かなんだよな。ま、原稿集も後で見よう。
RAG関係
- CF-002: 思考分解型AIマルチエージェントによる技術継承プラットフォーム構築手法 ― 判断工程分解に基づく階層型エージェント協調方式 ―
- 人の思考過程を細分化(著者自身の思考過程をトレースして整理)し、3階層エージェントとして設計。各種資料をHBAE方式(?)でデータベース化。HBAE方式は「HBAE(Hybrid Bifurcation/Adiabatic/Ergodic:分岐・断熱・エルゴード探索の統合)方式」のことを指しているらしい。汎用的な部分あるかもしれないが基本的にはドメイン毎に掘り下げ直すことが必要だろうという立場でやってる模様。
- 思考過程をトレースして整理した部分をうまく文書化すると良いのかな。
- CF-004: 知識転移によるAIエージェント向けRAG最適化
- ゴールは「あるタスクにとって最適なRAG構成」を一度見つけることではなく、再利用可能な組織知を抽出・転移する問題として定義しようという話。既存RAGパイプラインから過去の最適価値式を抽出してパッケージ管理。新たな対象タスクのメタ特徴を分析して相性推定して利用する。探索順序知識・構成選択知識・モデル適応知識の3層(3つの観点)で知識パッケージを再利用できるように構成。異ドメイン転移により初期立ち上がりと最終性能双方の改善を確認。試行回数の劇的な削減(94%減)と精度向上を両立。
- 知識パッケージの構築&利用方法はさておき、汎化させたい人が考えることを実直にやってみたという点で良いね。
プロンプト
- CF-007: 対人魅力調査における大規模言語モデルと人間の回答分布乖離:社会的望ましさバイアスのモデル間差異とプロンプト制御
- シリコンサンプリング(人間アンケート調査をLLMで代替)におけるバイアス検証する話。baseline・三人称化・逆転項目・プライミング・前文で比較。回答多様性で人間107種類に対し、Gemini 3.1で16.7、GPT-5.4では更に下がる。ただしGPTはプロンプト工夫(三人称化が有効)で人間水準まで変わる。Gemini/Claudeはプロンプト工夫しても傾向変わりにくい。温度設定にも頑健で傾向変わりにくい。モデル選択が最も影響強い。
- Geminiも傾向変わりにくいのはちょっと以外。ペルソナ設計が甘い気がする。一方、会場コメントでペルソナ設計通りに振る舞うかは別問題という話も。
イベント企画, トップコンファレンス2-1 ソフトウェア工学
- 講演(1) オンラインジャッジシステムにおけるエラー特徴の実証的研究
- オンラインジャッジシステム(OJS)利用者は、問題を解くことでアルゴリズムやエラー解決力を向上させることが期待されているが、不適切・不十分なフィードバックだとモチベーション低下に繋がる。
- 教育にどう活用するかという点で興味あるので後で論文読んでみよう。
- 後援(4) 深層ニューラルネットワークの修正と破壊の予測
- AIモデルの誤動作が深刻な事故・損失に繋がる可能性ある中で如何に品質保証するか。既存のDNN修正はパラメータを微調整/変更(代表例:サーチベース手法)。修正方法は他にも多数あるが、修正効果は事前に分からない。誤動作を修正できるか? 既存の正しい振る舞いが保たれるか? どの修正手法を使うべきか? => Repairs/Breaksの予測。
- 今日聞いた中での個人的ベスト発表。こういう方向に進むだろうなと思っていただけに実例あるのは助かる。
- 講演(6) モデルベース意思決定がまぎらわしいソースコードの読解に与える影響
- 心理学分野における個人の意思決定研究: モデルベース意思決定(対象のモデルを作って慎重に意思決定) <=> モデルフリー意思決定(経験から迅速に意思決定)。モデルベース意思決定の割合とソースコード理解のパフォーマンスの関係が分かれば、開発者の割り当ての新たな指標になりそう、という仮説から取り組んでみたらしい。
- どの業務を誰に割り振るかの判断基準の一つとしてこういうアプローチがあるのね。