「ロボットは東大に入れるか」キックオフシンポジウム参加記録その2
昨日の記事では第1部にしか触れることできなかったので、忘れる前に第2部についてのレポートです。
人工知能やロボットといったテーマについて研究者らをインタビューしていたらこんなことになったという、小説家の瀬名さんによる軽快な司会裁きでの進行となりました。いろんな種から膨らませつつ種同士の絡み合う様子まで含めてとても面白かったのですが、もう少しテーマ絞って時間くぎって討論的に深められるとベターだったかなという上から目線での感想になったり(ぉぃ
>瀬名さんからの最初のお題
(1)これまでの題材と異なる、東大入試ならではの面白さは何か。
(2)東大入試に取り組むことでどういうブレイクスルーが起き、それがどのような変化をもたらすか。
(3)ロボットで解けるとした時、教育はどうあるべきか。
これらの題材を出発点として様々な主張/期待といった話が膨らんでいったのですが、kosuke64さんによる記録に詳しいので、ここでは個人的に興味深かった点について整理する形でメモを残しておきたいと思います。
メモの都合上、それらしいことを話されていた先生方の名前を付けていますが、私の解釈なので間違ってたらごめんなさい。
ここでは2つのトピック、
・論点1:必要な表象を全て記述できるのか?
・論点2:情報爆発への対峙の仕方に「常識」で絞り込む?
について整理してみました。
どちらも問題提示として重要な issue があるんだという意味での紹介であって、それらをどう解決するのかについては「やってみないと分からない」という立場での紹介です。こういう問題に私自身立ち向かおうという意思表明を兼ねて。
>論点1:必要な表象を全て記述できるのか?
松原先生:
チェスも最初はとても人間らしさを強く含んだ問題だと思っていた。今でも
そういう部分はあると感じているが、一度「盤面評価」等の形で記述できて
しまうと後は計算機パワーの問題が主要因になるようになってしまった。高
速化/効率化等まだまだ議論の余地は多くあるが、計算機パワーでなんとか
なってしまいそうな状況。それに対し、東大入試で求められる多様な常識は、
それをどう記述すれば良いのかすら分からない段階。
新井先生:
細分化されたことで意識にも登らなくなっている観点やタスクが数多く見逃
されているはず。それを効果的に見える化できるように、適度な粒度・サイ
ズに分割しやすい題材として東大入試を選んだ。これをオープンな開発基盤
として提供する事でオールジャパンのアンブレラとして他分野の融合を図り
たい。センター入試に5年、東大入試に10年と区切りを付けて遮二無二取り
組むことで shake に繋がると思う。
安西先生:
確かにやってみないと分からないことはあるので、これまでになかった新た
なアイデアがでてくることもあるとは思う。いずれ。でも、これまでも様々
な表象を記述する議論であったり、データベースとして格納するといった議
論はずーーーっと昔から数多くやられているが一向に解決する様子が見えな
い。ロジックだと記述論理等があるがそれで本当に全て記述できるのか。(
経験から学ぶ)フィードバック系だと様々な系をくっ付けることは可能だが
それをどう接続するのが適切なのか。ここまで死屍累々な状況を鑑みると、
オールジャパンで取り組んでも全部が全部ダメでしたで終わってしまったり
しないか。
新井先生:
そこまで正面から対峙する必要(全ての表象を記述する必要)があるのかと
いう観点もある。例えば、学生を見ていると「経験から学び、抽象化してそ
れを次に活かしているとは*思えない*事例」も少なくない。
>論点2:情報爆発への対峙の仕方に「常識」で絞り込む?
安西先生:
初めて対峙する際、例えば初めてある問題について学ぶという時点では丁寧
に文章を噛み砕いていくしかない。それこそ自然言語処理のように。だけど
慣れてくるにつれてキーを簡単に見つけ出せるようになる。要約みたいなも
のかもしれない。そこに研究テーマはあるのか。
新井先生:
昨今どこにでも情報爆発は見られてて、それに対する解決策は「気の聞いた
ように処理してあげる」しかないように思う。今の若い世代の人らは体感的
にそういう問題意識を持っていて、これを解決しない事にはこれ以上の進展
が無いだろうという直感がある。身体性が持つある種の感性や感覚が渾然一
体となっている常識を解決すること自体が求められている。
安西先生:
研究としてやるとすると、コンテキスチュアルからキーを見つけるなりして、
そこから検索に繋げるような感じかもしれないが、それはどう実現するのか。