[複雑研全体ゼミ補足記事] 7/2, 交通シミュレーション

Share on:

今日の全体ゼミ
 ・与那嶺: [1] 交通シミュレーション
での関連話を補足します。

[1] A cellular automaton model for freeway traffic, Journal de Physique I, 1992, http://hal.archives-ouvertes.fr/docs/00/24/66/97/PDF/ajp-jp1v2p2221.pdf


>交通シミュレーション

 CAでモデリングする際の速度上限や格子サイズをどのように決めるべきかという話がありましたが、その一例として [2] では「車の最小車間距離(渋滞時のバンパー間距離)である 7.5m」をセルの長さとし、速度は0から最高速度までを整数化してv_max=5時に120km/hとなるように、実際の速度と対応させるという話が紹介されています。ただ、セルの長さを決めた上で速度 v を「単位時間あたりの移動セル数」決めると、その時点で移動速度が確定するように思うので、v_maxをどう設定するかというのはセルサイズと一緒に考える必要があるんじゃないかと想像しますが。

 都心部への自動車流入をコントロールする目的でのロードプライシング関連としては、利用の仕方に応じて課金具合を調整する [3] のようなデポジット制度が検討されているらしい。どういう状況で行動(駐車場/公共交通/徒歩/来ない)を変更するかについてもアンケート調査し、「来訪行動変更モデル」を構築する所までやってみているようです。実施前のアンケート調査主体なので、実際に施行された後でその回答通りに行動するかどうかは別問題として残るとは思いますが、一つのユーザモデルの作り方として参考になるかも。

[2] セルオートマトン法による道路交通シミュレーション, 人工知能学会誌 2000, http://ci.nii.ac.jp/naid/110002808261/
[3] デポジット制度による受容性と柔軟性の高い都市部自動車流入マネジメント施策の研究と実証, 道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート No.18-2, 2009, http://www-vip.mlit.go.jp/road/tech/jigo/h18/pdf/report18-2.pdf