日本認知科学会第29回大会 1日目
twilog
滞在中に少しずつ気温があがっていく予報だったので、少しでも雪を見れて良かった!
晩ご飯はプログラム終了時点で19時過ぎてたので、ホテル近場で見かけた「牡蠣の旨煮ラーメン」目当てに仙台廬山で食べました。昼食は軽くパンで済ませてたので餃子を追加。ラーメンそのものは普通だったんですが、宮城県産の生食用を使っているということもあってか牡蠣自体はものすんごく旨かったです。たまたまホテル近くにあったから寄っただけなんですが、こんな感じで惚れ込んでる客がいるお味だったらしい。確かに旨かった。
認知科学会の大会@仙台国際センター、1日目が終わりました。例年だと9月にあるようですが、国際大会が10月にあったらしく、今年は12月に移動したらしい。防災マニュアルが配布されてるのは初めてですが、こっち方面だとそういうのが当然という感覚になってるっぽい。「地震による避難するまではないと思うが、会期中に一度は起きるはず」とのこと。今の所まだ起きてません。
JAXAな野口さんの発表があったのに驚いた。やってることもアプローチも話し方もうまいなー。
会長講演の「統合的認知」は、キーワードとしてはいろんな所で耳にしてましたが具体的な事例やアプローチとしてみるのは初めてでした。イレギュラーに見える認知的現象も「認知的な個人差」として説明できるんじゃないかという話は目から鱗。視覚科学は取りあえず注文しとこう。
フェロー授与式で1時間取られてるのが謎だったのですが、受賞者らによる座談会になってました。「認知科学」という言葉自体が無かった頃の世情や、認知科学へのイントロダクション「LISPで学ぶ認知心理学」の著者安西先生自体も受賞者の一人ですが、安西先生へ書くように仕向けたのはもう一人の佐伯先生だとか。全員学会委員長担ってた時期があって各々どういうスタンスでやってたかとか、どんなテーマであれ「何それ面白い!」とか「積み重ねること」等々いろんな立場からの「私はこう考えている」という話を聞けて面白かったです。
プログラムは並列セッションなしで、以下のように進みました。
口頭セッション1: 身体・インタラクション
ポスターセッション1
口頭セッション2: 社会・協調
会長講演: 統合的認知
フェロー授与式
ポスターセッション2
以下、プログラム単位での備忘録メモです。ポスターセッションは話を聞けた分のみ。
初めての分野でもあり、當間解釈なので間違いも多分に含まれていると思います。ご注意ください。
<目次>
[ 口頭セッション1: 身体・インタラクション ]
- O1-1: 推論課題における身体的負荷の影響, 阿部慶賀(岐阜聖徳学園大学)
- O1-2: こっくりさん遂行中の二者間の脳活動の同調:無意識的な同調を探る, 久保賢太(独)科学技術振興機構ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクト)ら
- O1-3: コミュニケーションスキルと足踏みの自発的同期, 永井聖剛(産業技術総合研究所)ら
- O1-4: 社会的相互行為からみたラグビーの技と戦術, 東山英治(千葉大学大学院融合科学研究科/日本学術振興会特別研究員)ら
- O1-5: 行為の生成とその言語化は機能的にどこまで等価なのか?行為の先行遂行と後続観察課題を用いたNIRS研究, 齋藤洋典(名古屋大学)ら
[ ポスターセッション1]
- P1-7: 物語理解シミュレーションの試み:物語テキストからアニメーション自動生成を通して, 星名研吾(芝浦工業大学大学院理工学研究科)ら
- P1-10: 遊びロボットによる子供の性格推定に関する基礎的研究, 岩崎安希子(玉川大学大学院)ら
- P1-17: 実践知の記述手法-宮城県気仙沼市を対象とした大学生による復興支援活動をケーススタディとして-, 忽滑谷春佳(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)ら
- P1-20: 認知科学の入門的授業におけるモデル作成による認知処理の内省を促す授業実践, 神崎奈奈(名古屋大学大学院情報科学研究科)ら
- P1-22: 緩い対称性推論を用いた強化学習アルゴリズム, 甲野佑(東京電機大学大学院先端科学技術研究科)ら
- P1-24: 問題解決における状態空間の抽象化に関する実験的検討, 寺井仁(名古屋大学)ら
- P1-29: 『物語の森』―物語生成システムの統合的応用の一試行―, 秋元泰介(岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)ら
- P1-30: 視覚的表現を物語生成とつなげる方法の検討―ふたつの応用システムを素材として―, 小野淳平(岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)ら
[ 口頭セッション2: 社会・協調 ]
- O2-1: 目標伝染における知識の働き, 太田真梨子(青山学院大学社会情報学研究科)ら
- O2-2: 協調的な概念変化を目指す小学校理科の授業における個人の学習プロセス, 齊藤萌木(東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構)
- O2-3: “忘れて知識を正す”:社会的インタラクションから見る忘却の適応的性質, 本田秀仁(国立情報学研究所)ら
- O2-4: 宇宙への適応と自己の変化(1)-宇宙から発信したデジタルソーシャルメディアへの発言に関する言語解析-, 野口聡一(JAXA)ら
[ 会長講演 ]: 統合的認知, 横澤一彦(東京大学)
[ フェロー授与式 ]
[ ポスターセッション2 ]
- P2-1: 脳の情報処理の動態モデルを構成する, 福永征夫(アブダクション研究会)
- P2-9: イベント映像自動生成:映画のショット解析から導出される構図ルールとその適用, 野田佑帆(芝浦工業大学 大学院 理工学研究科)ら
- P2-10: スキル習得型の学習における反転授業の活用法の検討, 中村太戯留(慶應義塾大学/東京工科大学)ら
- P2-11: 理系の学生に見られる共感覚者の割合とその内容, 松田英子(東京大学総合文化研究科)ら
- P2-13: 旅行案内電話対話のモデル化における基盤化ネットワークの拡張と適用, 水上悦雄(情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所)ら
- P2-15: 食卓における協同調理行為がもたらすコミュニケーションの分析, 坂井田瑠衣(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)ら
- P2-19: 未知語処理における人間の読み行動, 坂本聡(中京大学大学院情報科学研究科認知科学専攻)ら
- P2-24: 問題解決過程の振り返り方の違いとヒントへの気付き方の関係:主観報告とビデオの比較, 千邑翔太(中京大学情報理工学部)ら
口頭セッション1
O1-1: 推論課題における身体的負荷の影響, 阿部慶賀(岐阜聖徳学園大学)
狙い 知的な振る舞いは身体にも支えられている 身体が推論・問題解決に及ぼす影響を解明したい 先行研究:触覚ブライミングの例。様々な身体的負荷条件下で坂道の傾斜を推定する例。 問題提起:メカニズムについては言及されていない e.g., 実際に体にかかる負荷の程度が影響しているのか、「思い」が影響しているのか。「重さ・大きさ」錯覚 [Charpentier, 1891] 同じ重さなら大きい方が軽く感じられる現象 ->実際には同じ重さだが、錯覚で主観的負荷を変えた実験設定に利用 実験1: 手ぶら時と重みでは差が見られるが、主観的負荷では差が見られない。 ->主観的負荷よりは実負荷の方が優先。 実験2: 主観的等加点測定法の導入 重さを伝えず基準となる物体を用意。 同じ重さになるようにユーザに調整してもらう。 ->主観的にはどちらも同じ負荷だが、物理的負荷の方が影響が大きい。
結論: 推論者が自覚していない身体的負荷や刺激が判断に影響 今後の課題 負荷への抵抗の能動性・受動性 身にまとう場合/持つ場合との差? 背負う場合/足かせ付ける場合との差? 錯覚をあえてばらして意識化させたらどうなる?
naltoma: 階段段数を推定するという「認知」を対象としているが、 「推定時の認知」と「実働時の認知」とではどのような差があるのか? (この発表そのものは「推論課題」が対象なので関係ないんだけど) Q: 「荷物を持ってください」とされてるが、被験者は何のために持たされている? A: 指示はせずに、研究目的も推測されない形でインストラクションをした。 Q: 持たせ方は? A: 両手で持つ。 Q: 持たせ方と視覚への入り込み方が影響していそうに思うが。 A: まだ詰められていない部分。検討する。Q: 先行研究では坂の角度をやっていた。今回は階段の段数や距離で異なる推定。 違う設定になっているため、認知自体は比較出来るものなのか? A: 被験者が未知の環境に連れて行く必要がある。 写真を変わりに使いたかったが、撮り方次第でも影響がある。 学生にとっては角度を推定するということ体験自体が少なく、 身近な体験である段数を設定した。 ただ、段数自体への設定の意味が悪いかもという話があり、実験2では距離に変更した。
Q: 実験2では距離を使っているが、距離の方が差が大きかったように思う。 推論課題として段数と距離とではどういう差があるのか。 A: 段数はきれいに区切ることができるが、距離は「被験者がどう思うか」が 強く現れる推定だと思う。その点でも段数は設定がマズかったように思う。
O1-2: こっくりさん遂行中の二者間の脳活動の同調:無意識的な同調を探る, 久保賢太(独)科学技術振興機構ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクト)ら
背景 何かの行動をする時、目的・意図に沿って行動することができるが、 無意識的な行動を取ることもある。無意識的な行動の源泉となる表象は「観念」と呼ばれる。 観念運動:観念を持つことで観念通りの行動を行う 誰かと観念が合うとき、2者間で何が起こっているのか? 脳活動に同期現象・機能的結合が生じる [Dumas et al, 2010] [De Vico Failanl et al, 2010] -> 脳活動の同期・同調は何を意味しているのか? 動きや目的の一致による同期の背景には、何が行われている?観念運動の代表例:こっくりさん はい/いいえで回答可能な問題を設定 観念を共有している例(今日の天気) 観念が非共有の例(事前に調べた片方が知らない問題や、1年前の天気など) 位相同期性解析:2者間の脳波コヒーレンス 同期が生じたトリガーの前5秒+トリガー後2秒を分析 x 10試行(知り合い5ペア)
脳活動の同期・同調は 他社の視点を取得する機能を同時に起動している? 一人でも観念運動は生じる 他チャンネル・大域との比較が必要
naltoma: 共有/非共有の質問が単に「共有しているか否か」という違いだけ ではないのが強く影響していそう。1年前の天気を知らないとして、 それをどう意識するかは人によって差があるだろうし。 Q: 全ての被験者は同質だった? こっくりさんの経験度合いや、初めて経験する人がいたかとか。 A: 「こっくりさん」を知らないとできない作業。 参加者は全て知っている人にお願いした。 経験の度合いは今回は考慮に入れていない。 存在を知っているだけでやったことがない人もいた。Q: 結論で「相手の視点を取得する行為」が重要とのことだが、 「こっくりさん」という課題自体が「何故動くのか」を推測していると思う。 相手はどんな風に動かすのかを推測していること自体が影響を及ぼしていないか。 A: 具体的にどのようなことを考えながら作業していたのかを詳細に把握しきれていないことは問題。 今回は、明確に分かるような課題を設定したことで見やすいように設定してみた。
O1-3: コミュニケーションスキルと足踏みの自発的同期, 永井聖剛(産業技術総合研究所)ら
目的 対面して足踏みさせたとき、どのぐらい足踏みが合うか。 そこからコミュニケーションスキルが見れるか。 自発的な行動マッチング 動作ミミクリ(顔さわり,足ゆすり,身振り): ラポール、アフィリエーション、仲間はずれ、etc. 表情ミミクリ: 自閉性傾向 ->コミュニケーション機能のない「足踏み」動作の自発的同期から観察出来るか? 動作同期: 協力実験1: 足踏み同期が生じるか? 初対面。「その場で足踏み指示」のみ。同期については何も言わない。 ヘッドフォンからノイズ音程時(音による同期をしないように) カーテンを用意し、目視可否を調整。 -> face条件: カーテンが閉じてる間は一致していないのが、開閉後は一致しているように見える。 back条件: 対面させず、片方のみ見えるようにすると、片方のみ近づく(一致はしない)。 実験2: 自閉性スペクトラム指数質問紙AQ日本語版を実施 スコアに基づいてスクリーニング:Low/Middle/High Low AQ群≒Middle AQ群 High AQ群: back条件では同じ現象が起きる。face条件では自発的同期が起きない。 同期の強さはAQ得点と相関
結論 コミュニケーション機能のない「足踏み」の「自発的同期」には、自閉性傾向に影響される。 Social Relevance 高い(対面) v.s. 低 (非対面) SR高 = ノンバーバル・コミュニケーションの前提 SR低では自閉性傾向の影響は全く生じない
naltoma: 対象とする「認知現象」に「限定」するための実験設計。 naltoma: 自閉性傾向の naltoma: Q: 自閉性傾向高い人が対面状況でうまくいかないというのは、 対面故に緊張しているのか、顔情報に注意がいって同期が取れないのか。 A: 自閉性傾向低い人は対面状況で目を見ているかどうかは全く関係ない。 1.5m程度の距離だと直接目を見るのは自閉性に関わらず恥ずかしい状況下。 緊張する、ぎこちなくなる、うまく対応出来なくなることの根拠になりそうだが、 詳細は今後検討していきたい。Q: 自閉性傾向の影響だろうということは分かるが、別の要因は? A: back条件で対応していることが一つ、 本当の自閉性の人でも「相手に合わせる」ことは「指示するとできる」ことを確認済み。 自発的にできるか否かがポイント。
Q: Highの人は引き込みみたいなことができる? 傾向が高い人は「同調的な行動ができない」というところが出発点になっているように見えるが、 どういう条件下で、何故できなかったのか? A: 今回の実験だけではまだ分からない。 研究の流れとしては自閉性についても自発的か否かで可否が分かれることが分かった。 また、back条件時でできることと、 face条件時にできることにどう違いが出るかをこれから検証していきたい。
Q: 対面時に、映像だとどうなる? A: 映像でも見ている人は歩みよれるが、映像は変化しないので少し歩み寄る程度。 双方での歩み寄りが必要。
O1-4: 社会的相互行為からみたラグビーの技と戦術, 東山英治(千葉大学大学院融合科学研究科/日本学術振興会特別研究員)ら
なぜラグビーなのか 知の身体性: 身体を通した環境とのインタラクションにより、知が形成 ラグビー:環境(敵や味方)も主体 先行研究:サッカーを社会的相互行為として記述 [高梨,関根,2010,2011]セットプレー:密集->ドロップゴール 何故この戦術がうまく機能したのかについて、事例分析。 要因探索 注目事例を決定 注目事例の一つ前の状態を想定 注目事例の負例を探索 注目事例と負例の比較から要因推測 一段遡って同手続きの繰り返し
結論:いずれの攻防も履歴が重要
naltoma: 戦術の失敗/成功分析から「どのような認知について何を」明らかにしたい? (時間オーバーで無し)
O1-5: 行為の生成とその言語化は機能的にどこまで等価なのか?行為の先行遂行と後続観察課題を用いたNIRS研究, 齋藤洋典(名古屋大学)ら
行為に関連する4種類の活動(行為生成、心的シミュレーション、言語化、観察)の機能的等価性 活動に関与する脳活動上はどの程度まで何が同じで、何が異なるか?対象:手で行う道具に対する行為(e.g., バスケットボールを投げる行為) 手の動作の遂行->言語化 先行研究:行為の言語化による脳活動 実際に遂行しなくても言語化すると(一部で)合致する脳活動が観測される 現在を中心に過去/未来を捉えるのではなく、言葉はいくらでも時間を越えることができる。 被験者に何かをさせるということに集中してるが、被験者になるべく課さない。
Action & Motion Hand-Gesture ボールを投げる動作を見せる。何をするかは指示しない。 練習->身振り課題->観察課題:過去の手掛かり観察:遂行先行群(どのようにジェスチャーするか?) 練習->観察課題->身振り課題:未来の手掛かり観察:観察先行群(同上)
結論 自己が先に選択的に遂行した手の運動イメージは、後続観察課題でも自発的に想起される。
naltoma: 比較的自由な状況下における被験者の脳活動を通して差異を観察しようとしている と解釈すると、その割には具体的なタスクを挟んでいるため目的とは異なるものを観察していないか? 目的を提示してない状況下での観察ということではあるけど、何かが違う気がする。 Q: 観察してる間は何を観察している? A: 例えば「ボール」の写真を見ているだけ。 Q: 言語化はその前後に行われる? A: 身振り課題時にジェスチャーしてもらっている。 Q: 先行して行った行動の影響を調べた事例は多くあるが、何が違うのか? A: 何もかも終わってるという時間設定をしている点。 Q: 先行して言語化、もしくは言語化していない部分での観察データは分析している? A: データ収集はしているが、今回は分析対象外。Q: 「過去から来て未来にいく」という話からするとかなり直近のケースだと感じた。 どのぐらい時間を延ばせた話として一般化できるのか。例えばPTSDのようなケースもある。 A: 「投げる」という動作は数億年ぐらいの歴史を引きずった動作だと思うが、 例えば「ふすまを開ける」みたいなものはここ最近の歴史。そのような視点で 時間を捉えている。
Q: 右手と左手で動作をしていたが、解析時には分けてやった? A: 現時点では両方とも混ぜ込んだ状態での解析。 分けることもできるが、現時点では分けていない。
ポスターセッション1
P1-7: 物語理解シミュレーションの試み:物語テキストからアニメーション自動生成を通して, 星名研吾(芝浦工業大学大学院理工学研究科)ら
Event Segmentation Theory [Zacks, et al., 2008] をベースに、 テキストからアニメーション生成に必要(で比較的抽出しやすい事象?)を抽出し、 テキスト上には現れない情報(例えば構図)を組み合わせることでアニメーション生成しているとか。 抽出した事象単語を微分した意味解析的な処理もしているらしい。 Q: 人物/時間/空間等の抽出候補はどうやって決めた? A: ESTをベースに、抽出しやすさを考慮して設計。Q: 具体的にはどう抽出している? A: 形態素解析し、係り受け解析やESTに基づく微分的積分的処理で 構図決定に必要な情報を抽出している。
P1-10: 遊びロボットによる子供の性格推定に関する基礎的研究, 岩崎安希子(玉川大学大学院)ら
ロボットとの関わり方を観察するのかと思ったら、 子供の動作全体を観察してて中でも「子供が意図的に親への振り返っているか」 で大きな差が現れ、「家庭生活に関するスコア」として有為な差が見られたとのこと。
P1-17: 実践知の記述手法-宮城県気仙沼市を対象とした大学生による復興支援活動をケーススタディとして-, 忽滑谷春佳(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)ら
記述する目的が良く分からなかったのですが、 マニュアル作成というよりは「暗黙知」のようなものをなるべく可視化したいっぽい。 手順としては「体験者自身の体験談として感じた【こと】」として事実というよりは 自分がどう思ったかということを中心に語られがちな点を【(物理的な)もの】中心に 書き直していくらしい。書き換え自体は一度変換したら終わりというものではなく 何度も繰り返され、その過程を通して「暗黙知」を見えるようにしたい、という感じらしい。【もの】中心に書き換えられた文が単独で列挙されるだけだと分かりにくいので、 それらの関係性も大切だと思うがそこはどうするのかと聞いたら上記のような話になったのだけど、 「一緒にその過程で学ぶ」ということなのかな。
P1-20: 認知科学の入門的授業におけるモデル作成による認知処理の内省を促す授業実践, 神崎奈奈(名古屋大学大学院情報科学研究科)ら
チラ見しかしてないですが、うちの学科だとロボコードでやってることに近そうな印象。 モデルを簡単に記述出来るシステムを用意して、 どういうモデルを構築するか、 そのモデルをどう記述するか、 その結果どうだったか、 結果を踏まえてどうモデルを編集していくか、 という話なのかな、と。(的外れかもしれないが)
P1-22: 緩い対称性推論を用いた強化学習アルゴリズム, 甲野佑(東京電機大学大学院先端科学技術研究科)ら
緩い対象モデル(Loosely Symmetric Mdel, LS)を導入することで、 マルチバンディット問題のようなケースで 「あるマシンが他(複数台をまとめて「他」とする)と比べてどうか」 を相対評価で算出できるようにすると、効率良く学習が進むという話らしい。 話を聞いた感じではアニーリングっぽいのだけど、選択するシステム側には 乱数的な要素を除外している(のでパラメータチューニング不要)とか。 それでマルチバンディット問題をうまく学習できるって謎いのだけど、 「他と比べてどうか」をリファレンス参照して求めているから上手くいっている ように見える、という解釈らしい。
P1-24: 問題解決における状態空間の抽象化に関する実験的検討, 寺井仁(名古屋大学)ら
複雑に絡み合った状態数も豊富な題材として「ルービックキューブ」を用意し、 どんな状態からでもゴールできるようになるまでの行動を観察することで 「共通してみられるアプローチ」を抽出してみた的な話。 ゴールの仕方そのものは人によって異なるが、ゴールへの辿り着き方には共通性が見られたとのこと。 だけど、抽象化されすぎて「このレベルでの共通性」が見られたとして何が嬉しいのかはちょっと分からず。例えば、最初は山登り法的にあれこれ試して一定の所までは辿り着くけど、 サブゴールの設定がうまくいかずに頓挫する、みたいな話は「うん、そうかも」 で終わってしまいそうだし。 何を目標としてこういう検討をしているのかを聞いてみたかったかな。
P1-29: 『物語の森』―物語生成システムの統合的応用の一試行―, 秋元泰介(岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)ら
まだ十分ではないものの物語の自動生成システム自体は動いていて、 それを使ってどんな応用があるかの検討という位置づけでの事例紹介らしい。 ストーリーの発展具合や構造の複雑さを「木の枝分かれ」として表現し、 「見た目」だけに着目してストーリーを発展させていくというもの。 子供には大受けだったとか。
P1-30: 視覚的表現を物語生成とつなげる方法の検討―ふたつの応用システムを素材として―, 小野淳平(岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)ら
P1-29と同じ研究室で、API構築しつつ「どう物語を生成するか」 についてあれこれ試行錯誤してるらしい。
口頭セッション2
O2-1: 目標伝染における知識の働き, 太田真梨子(青山学院大学社会情報学研究科)ら
高次認知過程の解明が目的 思考過程の意識成分 ゴール/サブゴールの設定 プランニング モニタリング ->これらを意識的に行うというのが前提? 無意識的認知過程 たいがいの認知的処理は意識的コントロールの範囲内にはない。 思考だけが無意識の影響から自由であるはずはない。 実験社会心理学の知見 自動行動=模倣ルート+特性ルート+目標ルート [Dijksterhuis, 2007]目標伝染:他者の行動観察+意図の自動的推論+意図の採用と行動 [Aarts et al., 2004] 目標設定にも無意識的プロセスが介入 行為の模倣ではない モジュラな過程なら他は影響しない 何がどのぐらい影響するか? 感情/動機は影響するらしい 認知/知識的なものは影響するか?
実験1 実験群: 昼食を刺身から焼き魚定食に変更(衛生的な要因) 統制群: 焼き魚から刺身定食に変更(?) ダミー課題 目的行動課題(従属変数) お礼のクッキーを食べる前の消毒液使用量?
今後の課題 どんな他者の目標でも伝染するのか? ダイエットでは見られない(進化的に意味のある動機のみ伝染?) 伝染しているのは目標なのか動機なのか? 目標の推論は意識的である必要があるのか?
naltoma: 「目標が伝染する」ということに着目した事例があること自体に驚いた。 Q: 実験では一つの目標を想定されているようだが、現実には複数の目標がある。 そこから何を採用しているのか、どう選択しているのか。 A: そういうことが何でもかんでも伝染するという危険性を減らしているのだと思う。 動機/感情系寄りのものは伝染しやすいという仮説は立てられそう。Q: ダイエットでは現れないとのことだが、 短期的なスパンではそうだが、ダイエットはかなり長期的。 A: ダイエットは確かに何ヶ月という単位のもの。 実験では「ジュース用意して好きなだけいれて」といったことでやってるので、 短期的な効果しか見れていない。
O2-2: 協調的な概念変化を目指す小学校理科の授業における個人の学習プロセス, 齊藤萌木(東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構)
科学的概念教育の成果について体系的な分析の理論的枠組みが不十分 概念変化と恊働学習 仮説1: 収斂説 [Roschelle, 1992] 多様な先行概念が正しい概念へと収斂していく過程 仮説2: 建設的相互作用説 [Miyake, 1986] 課題遂行とモニタリングの役割に交互に従事することで建設的に進む過程 -> 自身のメンタルモデルを言語化して説明できるレベルまで抽象化できたかを確認できる?4ステップに基づく学習を通した観察
今後の過程 他の学習者の概念変化プロセス
naltoma: 学習環境のデザインに繋げることが目的のようなのだけど、 今回の目標である「建設的相互作用説」導入下の課題遂行プロセスを 分析して、その先にどういうストーリーを描いているのかが良く分からない。 Q: メンタルモデルとして作り上げていくのは非常に時間のかかる学習過程だと思うが、 例えばトップダウン的に答えを教えて少しずつ正しいメンタルモデルを作り上げていくのも一つの手だと思う。 どういうことに役立てて行けるのか。 A: トップダウンの例だと、例えば先に実験してしまえば答えを認識させることができる。 その後でそれをモデルを説明させるという話? Q: 建設的相互作用で少しずつ作り上げていくことの良い点、アピール点を教えて欲しい。 A: 授業後の分析だけになっているので、証明はできないが、論じていけるようにしていきたい。
O2-3: “忘れて知識を正す”:社会的インタラクションから見る忘却の適応的性質, 本田秀仁(国立情報学研究所)ら
忘却は、基本的には負の機能として捉えられることが多い(心理学でも)。 負の機能しかないのか? 適応的にも機能する [Luria, 1968] -> 社会的インタラクションの場面においてどう機能するかを明らかにしたい対象: 1対1コミュニケーションに基づいて、知識を獲得して行く場面 マルチエージェントモデル 正しい知識、あるいは誤った知識をエージェントが獲得する際に「忘却」が与える影響の調査 small worldでは忘却により正確性が改善?
naltoma: シミュレーション上の各「知識」は独立したもの? これは何をどうシミュレートしていることになるのだろう? Q: small worldで記憶容量が大きい時は正確性が低いというのは、 「記憶容量が大きくなっても正確な場合が尾を引いて残っていく」 というような、例えば相手を説得しやすいエージェントがいるという解釈は無いか? A: 現状では解釈困難だが、検討していきたい。Q: 忘却項目の選び方について。頻繁に更新されるのが「?」になる? A: ランダムに選んでいる。固定されているものが変わりにくいというような設定は一切無い。 Q: 正しい知識が誤った知識より多い条件で始めているが、 逆の状態ではやってみた? A: 誤った知識が増えていくと思われるが、多様性が重要。 多様性があると、誤った知識が増えても正しい知識が残るという状況。 Q: small worldではハブの影響が強いと思うが、ハブの知識と全体との相関は? A: 今回はハブが生まれにくいネットワーク。 ハブの影響は今後見ていきたい。
O2-4: 宇宙への適応と自己の変化(1)-宇宙から発信したデジタルソーシャルメディアへの発言に関する言語解析-, 野口聡一(JAXA)ら
宇宙進出の意義を認知科学的観点から明らかにする 宇宙空間における自己の適応の過程や定位感の変化を 飛行士本人の発言記録から明らかにする 自己表現・発言形式に変化は生じる? ツイートデータ+作業内容+作業負荷量記録分かち書き分析 品詞出現頻度だけでも「形容動詞」から「形容詞」のように 硬い言葉から柔らかい言葉が増えている傾向が現れていたことが分かった。 通貨情報ツイート数の推移:地球主体->国->都市 語尾の処理における変化:感嘆詞「!」作業量と負の相関っぽい傾向 地上との「時差」の配慮:挨拶表現の推移->母国意識した時差から自分時刻に
今後の課題 認知的参照枠の変容と、身体的な定位との関係? フォロワーとの相互関係 自己表現や地上フォロワーの宇宙観の形成に及ぼす影響?
naltoma: (ありがち)言語に現れない点での変化はあった? 例えば、現れそうだと予想していたが、実際にはまだ観察できていない傾向とか。 Q: だんだんと親しくなるに連れて表現がカジュアルになったり、 特定のことを具象的に表現したり、自己中心的になったりする。 そういう観点からは、宇宙で起こることも結婚相手に起こることも似ているように思えた。 宇宙がユニークだという体験としては何か感じられたか。 A: 1つは宇宙体験が全てユニークだとは思っていない。 例えば南極越冬隊との類似点。海外旅行での時差。全てが特殊ではない。 似たような傾向を持つ例はあると思う。 何が宇宙で特殊なのかというと、地球から国、都市への認識の変化は宇宙特有だと思う。 忙しさと語尾の変化はサラリーマンとかでも見られそう。Q: 身体的な変容について、地上では交感神経が働き対処しようとする。 髪の毛が逆立ち血流促進するとかいろいろ。こういう身体的な反応は地球同様なのか? A: 社会心理学会で話した内容がそこに近い。 座禅で本人が静止/安定していると思ってても徐々に動いていく。 その動き自体も面白い。また座禅時にどこをつつかれたか分かるが、 座ってる時に急に頭に触れると驚きが強い。
会長講演:統合的認知, 横澤一彦(東京大学)
書籍: 視覚科学, 2010 注意 情報の取捨選択[James, 1890]、特徴統合理論 [Treisman & Gelade, 1980] 注意モデル化[認知科学, 横澤] オブジェクト認知:計算論的アプローチ、ジオン理論 危機感 共存してきた歴史:特徴統合理論、計算論的アプローチ、PDP(NN) 脳機能計測装置の普及 良くも悪くも取り込まれた? 先導出来ないジレンマ? 統合的認知:そもそも認知とは統合的? 分解的認知:受容屋の分析、脳活動部位の同定など 特定部位が活動しているということが、行動にどう結びついているか? 例えば、線分抽出する神経細胞はどう使われているのか?統合的認知(AORTAS):注意+オブジェクト・情景認知+身体と空間の表象+感覚融合認知+美感+共感覚 典型的な従来アプローチ:処理A->処理Bにおいて、独立性や海藻性を確認し、脳科学と共存。 統合的アプローチ:階層性や接続関係を前提(潜在的かも)とし、全体的な個人差等を分析。 トレードオフ関係 e.g., 視点依存性(オブジェクトに対する脳内表象が、視点によらず不変かどうか) -> 方向知覚が不正確な見えは、良い見えになる。 インプリシット結合 e.g., ラバーハンド錯覚(温度感覚は、視覚の影響を受ける気がする) -> 同期した触覚刺激があると影響を受ける(錯覚する)。 個人間変動 e.g., 共感覚(誘導感覚により励起される感覚) -> 未解明の部分が大きく統計的ゆらぎ大。時間的安定性(生涯安定)。個人特異的。 日本人の色字共感覚 [Asano & Yokosawa, 2011] 特異にも見えるが、個人差としても解釈出来ないか?
オマケ 脳の代わりに、人間組織を捉えてみる 例えば、極端な縦割りや細分化された組織化は問題あり -> 世代間統合(フェロー、サマースクール) -> 分野間統合(研究分科会再編、学会運営への参画促進) -> 地域間の統合(CogSciとの国際連携、東北初の大会開催)
naltoma: 特異(イレギュラー)な事例に見えるものを「構造上は同一であり、 その構造上での信号伝達バランスが崩れているだけで個人差として説明できるのでは」 という着眼点が面白い。 Q: 共感覚について。非共感覚だが強いというのはどのように判断できるのか。 色に意味が付いてるのはどう考えられるか。アルファベットは形の近さを聞いたことがある。 連続性についてアルファベットでどのぐらい研究されているのか。 A: アルファベットについては欧米で同じ色が付きやすいという話はある。 ただし、形状で決まってる割合は低そう。 共感覚的な傾向については、「平仮名の【あ】を基本色のどれと結びつくか?」を複数回繰り返させる。 連続性については、今回のデータを今年11月に発表したが、多分今回のデータが一番新しい。Q: 人間をトータルで捉えるためには知情意を分割すると同時に統合的に捉える必要がある。 そういう方向性についてはどう考えるか。 A: 方向性という意味では一緒だと思う。 重箱の隅をつつくような研究になりがちなのもあるという話かと思うが、 それはそれで重要だが、基本的な行動ですら局所的な脳内処理だけで認知過程が分かるとは思えない。
Q: 共感覚について空間配置の問題として有名な報告がある。 数の意味をとらえるというのがメインになっていると思うが、 空間的配置では数字の意味がデリケートになると思うがどうか。 A: その通りだと思う。数字の順番について空間的な配置を述べる人が居る。 まだ共感覚全体のことを把握しきれていない。 今回のは一つのデータとして色と日本語特殊性からやった事例。
Q: 文を作りだすことはできないが理解できるように見える症例で、 実際には同じもので統合された能力に問題が起きてる症例がある。 普遍的なもので、漏れ出た形で共感覚が出ているというのと同じように、 対象性があるという感触を感じる。 A: 分からないことが多いが、少なくとも 「共感覚者は文字と色の直接的な接続がある。 非共感覚は直接的な接続が無い」とは考えない。 殆ど変わらない構造を持っていて、バランスの欠如の問題。 途中のどこでバランスが崩れるかが最終的な個人差となって現れると捉えている。 全体のプロセスを見る必要がある。
フェロー授与式
授与者: 安西祐一郎氏, 佐伯胖氏, 長尾真氏, 三宅なほみ氏
座談会:過去/現在/未来
「認知科学」との出会い:いつ、どこで、その衝撃?
野田セミナー
学問としての「認知科学」:位置付け、特徴、成熟度?
認知科学選書?:このシリーズのことかな?
「認知科学」の近未来
残されているテーマで取り組みたい課題?
情報が溢れている中で、何か問題解決しようとしたら、何故それに必要な情報を抽出できるのか?
目標はどこから出てくるのか?
アート/美感覚的思考? 分析自体にもシンセティックな思考が入り込んでいる。
分析はどうしても後ろ向き、位置づけようとしてしまう。
アートは前の方に、何が可能かという前進思考。
non-cognitive cognitive science
授業への取り組み?
説明するのではなく、クラス分担して合わせると答えが出るというような授業作り?
学ぶ人自身が構成して作っていく。
少しずつ前進して、まともなものになっていく。
そのことの本質を科学的に捉えていけるか?
日本認知科学会の将来像?
naltoma: 無意識的な所に面白さが眠ってるのはそうだと思うけど、どういう実験設計例があるのかな。
ポスターセッション2
P2-1: 脳の情報処理の動態モデルを構成する, 福永征夫(アブダクション研究会)
単純な4つの数式モデルで「動態モデル」なるものを設計したという話なんだけど、 「非平衡開放系が全てに埋め込まれている」という前提か過程が盲目的すぎるのが気になる。 これじゃシミュレーションできないんじゃないのかなぁ。
P2-9: イベント映像自動生成:映画のショット解析から導出される構図ルールとその適用, 野田佑帆(芝浦工業大学 大学院 理工学研究科)ら
映画をショット集合とし、ショット単位で分析することで構図ルールを構築するという流れは分かりやすい。
P2-10: スキル習得型の学習における反転授業の活用法の検討, 中村太戯留(慶應義塾大学/東京工科大学)ら
講義では教師がいるからこそやれることに注力したいが、 一般的な講義スタイル(課題は宿題であって、講義中にはやらない)ではドロップアウトしがち。 それに対して「反転授業(flipped classroom)」なる方式が提案されているらしい。 授業の後半で課題のイントロ部分を実際にやり、残りを宿題とし、次回授業の冒頭で開設や質問受付する。 これに加えて、グループ化(友人らで互いに教え合える)などあれこれ組み込んでるようですが、 初回から反転授業やっても駄目で、基礎的な部分は手取り足取り事細かにやることなど結局は 「手間暇かけましょう」という話にも見えます。 その時点におけるドロップ率が減るのは良いとして、その後がどうなっているのかが知りたかった。質疑応答で出てた「細かい課題ログを残せることでゲーミング要素的な取り組みやすさもあるのかも」 という観点はなるほど。
P2-11: 理系の学生に見られる共感覚者の割合とその内容, 松田英子(東京大学総合文化研究科)ら
面白そうだったんですがタイミング合わず聞けず。
P2-13: 旅行案内電話対話のモデル化における基盤化ネットワークの拡張と適用, 水上悦雄(情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所)ら
実際には「対話戦略」的な所をモデル化したいとのことだけど、 一般的なグラフ構造的表現に留まっているらしい。オペレータの作業風景をモニタリングして初めて分かった事象やルールも 出てきているようだけど、事例やルール列挙で「出し尽くす」のでは行き詰まる ことが想像できるのだけど、うまい整理方法/体系化方法が見つからないとか。 タスク遂行型部分に限って言えば、比較的簡単なルールだけでかけるというのは意外でした。
P2-15: 食卓における協同調理行為がもたらすコミュニケーションの分析, 坂井田瑠衣(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)ら
目的が良く分からないのだけど、「豊かなコミュニケーションを成立させる要素」 としていくつかの「食卓」を用意し、観察した結果を分析したという話。 結論としては、たこ焼きパーティだと比較的初対面レベルなグループが親睦を深めるのに良さそうとか、 鍋はゆっくり話を深めるのに良さそうとか、一般的な話にしかなっていないような点が勿体無いというか、 その先を知りたくて質問してみたけど良く分からず。
P2-19: 未知語処理における人間の読み行動, 坂本聡(中京大学大学院情報科学研究科認知科学専攻)ら
テキスト文章を読んでいる最中の認知行動を対象とした、 「未知語に遭遇した時の行動」を観察分析したという話らしい。 想定してたタスクと大分違うな。
P2-24: 問題解決過程の振り返り方の違いとヒントへの気付き方の関係:主観報告とビデオの比較, 千邑翔太(中京大学情報理工学部)ら
2人1グループでワークショップ(体験学習)する場において、 一人サクラを潜り込ませてこっそりヒント教示するとか、 自動ログ化(ビデオ)導入するとか、 作業終了後の振り返り質問時に「再現させる」とかを 通すことで「報告の仕方」にどのような差異が見られたかという話。 「サクラと分かりましたか?」という質問すると、 後の質問に全てその影響が出てきそうなんだけど、そんなことはなかったらしい。 私が人疑いすぎなだけ?w