[複雑研全体ゼミ補足記事] 4/30, Dial-a-Ride問題、AR応用

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今日は卒業生の下地くんが来訪してくれ、直接顔も知ってる後輩とそうじゃない後輩含めて一緒に食事してきました。仕事がいろいろ忙しいらしいようですが詳細は省くw

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。遠藤先生からの提案にもありますが、「短い論文1本紹介するだけ」だと俯瞰的な視点が不足し過ぎていることもあり、2週目からは何かしら少しテコ入れを予定。


今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・新垣隆伍: [1] Dial-a-Ride問題とシミュレーション
 ・濱聡子: [2] AR応用とロバストな重畳表示
での関連話を補足します。

[1] 公共交通サービスにおけるDial-a-Ride問題, 電子情報通信学会論文誌. A, 1998, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003312644
[2] 拡張現実感による協調作業環境の構築, 情報処理学会 第74回全国大会, 2012, http://www.iplab.cs.tsukuba.ac.jp/paper/convention/kaneko_ipsj2012.pdf


>Dial-a-Ride問題とシミュレーション

英語の論文も入手済みとの話だったので大丈夫かもしれませんが、関連論文についていくつか見つけてみました。

[3]は[1]と同じ著者らの続きで、リアルタイム乗客輸送を実現するために「不定期発車/車両定員制源/所要時間制限」といったより現実的な制約を導入した問題に拡張し、GAで解いているようです。GAに限定する必要が無ければ、さまざまなメタヒューリスティクスを使ったアプローチが提案されているようです。

一方で、どのようなことを提示できれば実導入に踏み切れるかという話もしましたが、例えば [4] では「シミュレーションの知識を持たない地方自治体の担当者と、地域に土地勘のないシステム担当者が協力して行う CSCW (Computer-Supported Cooperative Work)」という形でシミュレータを開発しているようです。[5]では利便性と採算性の関係について解析しており、[6]ではより限定した「需要が希薄な人工低密度地域において、費用に対してサービス水準の高い乗合運送サービスの供給方法」という観点からシミュレーションしているようです。

[3] Dial-a-Ride 問題におけるリアルタイム乗客輸送, システム制御情報学会論文誌, 2002, http://ci.nii.ac.jp/naid/10009533350
[4] オンデマンドバスの導入設計シミュレータの開発と評価, 人工知能学会論文誌, 2010, http://ci.nii.ac.jp/naid/130000259092
[5] デマンドバスはペイするか, 電子情報通信学会技術研究報告. AI, 2003, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003176807
[6] 公共交通需要希薄地域における少量乗合運送サービス導入方法に関するシミュレーション分析, 土木学会論文集, 2009, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejd/65/4/65_4_480/_pdf


>AR応用とロバストな重畳表示

AR技術の構成要素と応用例について、2011年時点でのサーベイが [7] に整理されているようです。5章にはその時点でのARの問題点についても議論されているようなので、一度目を通しておくと良さそうです。

2012年以降に絞ってみると、[8]では「都市環境」という(ARにしては)俯瞰的というか広域な視点での利用を想定している事例のようです。[9] はアブストだけでは良く分からない部分が多いですが、物理的な修正をする前のモデリングとシミュレーションを支援する話のように見えます。

[7] Augmented reality technologies, systems and applications, Multimedia Tools and Applications, 2011, http://link.springer.com/article/10.1007/s11042-010-0660-6
[8] Using Augmented Reality to Help Maintain Persistent Stare of a Moving Target inn an Urban Environment, Proceedings of the Human Factors and Ergonomics Society Annual Meeting, 2012, http://pro.sagepub.com/content/56/1/2575.short
[9] Augmented Reality in Collaborative Virtual Environment for Discrete Event Systems Modeling and Simulation, Virtual and Augmented Reality (SVR), 2012, http://dl.acm.org/citation.cfm?id=2377134