FAN2017@岡山大学

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進学すると学会出張に行けて旅先で美味しいもの食べれますよ!(過去の例
という研究室紹介を兼ねたレポート記事です。

今回は、事前にあきお先生情報で把握してた「ままかり」「きびだんご」、そしてはれんち先生情報の「牡蠣」、後は歩いて見かけた「黄ニラ」「デミカツ」あたりか。どれもこれも美味しくいただきました。


第27回 インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN2017)に参加してきました。このシンポジウムは、情報処理学会とかの特定学会が開催しているものではなく、電気学会、電子情報通信学会、人工知能学会等の合同開催みたいなスタンスで動いてて、「今年度はどこそこが主催ね」と持ち回りで開催されてます。今年度は機械学会主催だったこともあり、予想以上にそっち寄りの発表が多かったです。制御とかソフトが絡む話が多いですが、8〜9割は機械絡みかも。例えば「車椅子でのトラブルはハードそのもののトラブルというよりは、ヒューマンエラー。これをKinectで環境情報取得し、段差認識することで操作支援に繋げたい。そのためにセンサをこの高さ&角度で取り付けることで環境情報取得しやすくなった」みたいに、何かしらハード運用を含むような話が多い。

情報工学寄りな話もちらほらあったのですが、複数セッションに混ぜ込む形で入ってたのでまとめて聞くのは難しかったか。個人的に気になった発表は以下の通り。


1A2-3, 進化計算による大規模シミュレーションにおける実験回数の削減
例としては災害時の避難でしたが、大規模シミュレーションではそれ自体の計算コストが大きいだけでなく、「道路Aが通れない場合はどうなるか」「橋Bが崩落した場合どうなるか」といった要因全てを網羅的にシミュレーションするのはスパコンでも無理。なるべく低コストで、重要要因を絞り込むことができれば嬉しい。それを進化計算(GA)でやってみた。という話。GAでパラメータを直接最適化するというのではなく、どの要因が重要度が高そうかというメタGAとして最適化する話でしたが、やはり評価関数の設計で苦労してる様子。面白そうなんだけど、解ける問題なのかが良くわからないのだよな。
1A2-4, 学習係数調整による構造適応型リカレントRestricted Boltzmann Machine の分類精度の向上について
深層学習では構造最適化すること自体が難しいので、RBMで自動的に層を増やしたり、ニューロンを追加・削除する「適応型モデル」を提案済み。今回はそれを拡張して、学習率も自動調整させる試みをやってみたという報告。そっちはまだ上手くいってなくて、既発表のAn Adaptive Learning Method of Restricted Boltzmann Machine by Neuron Generation and Annihilation Algorithmが面白そう。というかSMC2016は去年参加したので聞いた話だな。
1A2-6, ロープのマニピュレーションにおける位相幾何を用いた計画法に関する考察
ロープの状態を正確に把握するのは難しく、それを数理モデルとして表現し、操作計画策定等してるという話。静止状態ではまだしも、実際にマニピュレータで操作してて、その際の「腕でつまみ上げた際の変化」を把握するのが辛いらしい。
1A3-3, 事前特徴抽出による部分空間法の改良
クラスタリングの一種である部分空間法は、クラスタを後から追加しやすいメリットがあるが、クラスタ間の重なりに無頓着なのでそこをどうにかしたいという話。PCAして「主成分じゃない成分(固有値が極めて低い成分)」を使うらしいけど、その指標だけだと辛そう。
1A3-4, 標本特徴空間を用いたスパース最小自乗ツインサポートベクトルマシン
SVM拡張の一つ、最小自乗ツインサポートベクトルマシンは比較的高速だがスパースじゃないため、サポートベクトル数が多い。これをスパースにしたいという話。
2B1-1, 動作予測に基づくアシストウェア制御のためのウェーブレット分散特徴量の応用
腰裏に設置してるセンサーでリアルタイムに腰の動きをモニタリングできるが、「どのタイミングでアシストするか」は「実際に該当行動が生じる1秒前から機能して欲しい」ということが分かっており、1秒後の動作予測をしたいという話。モニタリング情報に必要な情報が含まれてるかは微妙に謎だけど、面白い話だ。
2B1-4, ランダムフォレストを用いたカスタマーレビューの半自動分類
分類機を構築する際に、高品質で大量のラベル付きりデータを用意するのは辛い。これを半自動学習でどうにかしたい。SVMやNNだと予測確信度に基いてラベル付与できるが、ランダムフォレストでは用意されていないので、多数決結果で代替するという話。
2B2-3, 成長型自己組織化マップによる強化学習
SOMで状態推定する話をベースに、状況に応じてそれまでの学習結果を壊さないようにニューロンを増やすという話。ただし、SOMだと2次元空間制約が厳しそうな予感&ほぼ同等の話が既にあるらしい。
2B2-6, Quantitative evaluation of collective intelligence expressed in rating evaluation of computer chess
集合知の質的評価に取り組むことを目的とし、「2〜3人協力型のチェス」で検証してみたという話。ユーザ間の協力方法は「協力相手に手を提示し、選ぶだけ。その手を何故選んだか等の情報は自身で解釈検討する必要がある。選んだ手が割れた場合にはランダムで決定」というもの。これだけでもそれなりにスコアが上がるとのこと。