学生に求める力?

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色々あるんでしょうけど、プロジェクトを遂行する力という点からは次のようなことを達成する力を求めています。私は。

  • 学士: 指示されたことに取り組み、その過程から得られたことを体系化して報告書として整理する力。成功する必要はなく、同じ失敗をしないため、次に活かすための知見が得られれば良い。
  • 修士: 上記に加え、自分で目標設定・計画検討し、取り組む力。こちらも失敗しても良いが、自ら中心となって動く力が必要。
  • 博士: 上記に加え、最終的に2件以上成功すること。(査読付き論文2本が最低条件)

卒業研究で自分でテーマを選びたい学生は多いですが、うまいこと問題設定できる学生はレアです。それは悪いことでもなんでもなくて、そもそも見知らぬ世界に入っていきなり「その分野でだれも知らないような成果を出す」とかできる方がおかしい。異世界ラノベの主人公じゃないんだから。

まずは「研究の取り組み方」を体験して、独り歩きできる範囲を広げていく。その過程で知見を深めるだけではなく「自分なりの視点・考え方」を少しずつ得ていく。そうしてまとめたものが「卒業論文における序論や関連研究」だったりするわけで。一歩一歩歩きながら自分地図を作成していくことで見通しが向上し、より遠くのことまで視界に入ったり、それまで見落としていた細かなところに気づいたり。そのうち取り組みたい問題を自分で設定できるかもしれませんが、卒業研究のうちはそれも「指導教員とのやり取りを通して設定する・選ぶ」ことができればそれで十分です。ただし、何かしらやったことを成果として残そう。残せないのは駄目です。人間は忘れてしまうものだから。その代表的なアウトプットが「論文」です。