IPSJ80, day2
High Sierraになってからか、モニタの輝度自動調整がONになってて気持ち悪いのでOFFに。以前もそうしてたのがONに戻ったのか、OSアップグレード後の調子がよろしくないのかは思い出せず。
IPSJ2日目は、ビッグデータ解析実証実験(イベント企画)と一般セッションに参加してました。
実社会ビッグデータ利活用のためのデータ統合・解析技術の研究開発
[ セッション概要 ]
実社会データを統合・解析するというということで、実例6件の講演+パネル討論という流れ。統合・解析するプラットフォームがEclipse経由(?)でも提供されてるらしい。あちこちでビッグデータ解析やられてるけど、それらを横断した解析が重要だということで、そのためのオープンなプラットフォームが重要だという話。
個人的には、スマートシティ(スマートライフ)は、目的関数の設計どうしてるかが気になる。表情認識と組み合わせてsmart adsとか言われても、気持ちは理解できるけど、うーん。広告自体は良いけど、広告流すこと自体が主目的になってるというか「これは嫌だ」とわざわざ反応し続けてやっても対応する気がない某Twitter Japan広告とか考えると、何だかんだと顧客のことは二の次だというスタンスが抜けきれないのだよな。スキーやワイナリーやあれこれ具体事例交えて面白いのは分かります。
神奈川県藤沢市等いくつかの都市で実証実験してる事例(筑波大学、東京大学、慶應義塾大学、藤沢市)についても紹介がありました。
筑波大学の「データ連携のためのストリーム処理基盤」では、メタデータ推定や欠損データ推定という話。例えば、時系列情報解析(例えば車両のプローブデータ)はするけれども、非常時には車両が通れなくなる等様々な要因で欠損データが多い。そこをソーシャルデータで補完したいが、生データはノイズだらけだしそもそも時空間情報が付いていないことも多い。そこで「Twitter位置情報推定」「ソーシャルネットにおけるプロパティ推定」とかして補完した上で、実データへリンクしようという話。
東京大学の「ドライブレコーダデータからのヒヤリハット探索のための3次元可視化インタフェース」は、取扱に注意が必要なデリケートな問題でもある「交通事故」を減らすことを目標とし、ドライバーが蓄積した実体験に基づく印象(どこそこは注意とか)は重要だが、それをデータから発見・可視化したいという話。分析結果をバス運転手らへのヒアリングとマッチングすると、比較的上手く抽出できているようにみえるとのこと。なお、以外なことに、雨とかの天候情報は多くの関係者が主張していたが、結果的には影響がない(入れても入れなくても変わらない)らしい。ビッグデータは重要だが、分析パターンは大凡出尽くしたのでは? 次に情報処理学会が目指すべきはどこか?という問題意識は流石だよなぁ。
慶應義塾大学の「システム統合化基盤技術上の「シティアプリ」による社会課題解決」では、データを貯めるだけではなく、ライブで効果的に流すことが重要というポリシーで、その実例として「ゴミ廃棄量」を細かくリアルタイムで分析&結果配信したいという話。ゴミ減量G1グランプリ。ゴミ廃棄量は現時点では撮影動画をSDカード保存->後日オフライン処理してるけれども、それをライブ解析&配信したいと。ゴミ廃棄量はあくまでも一例であって、例えば何か蓄積したデータのどこかで不法等の何か問題があったとした場合、それが一ヶ月後とか相当後になってから発覚したとしても対応するのは困難。ライブで解析し、その結果を見れるようにすることが重要、とのこと。
自治体代表として参加していた藤沢市さんからは、担当者の経験に基づく「こうに違いない」を可視化できたのがとても重要。データ提供には相当苦労があるが、これからは必要な時代だと考え、いかにそうしやすくするかを考えることも求められているとのこと。
講演後の討論では、、、
- 大学や研究室、自治体らとの密な連携が求められ、結果として価値観を混ぜ合わせたことで良いものになった。今回のプロジェクトを通して腹を割った話し合いができるようになったのも良い。
- 大学としては学術論文を書くのも大切だが、実証実験も求められるということで幅が広くなった。それらが自然に繋げられると良いと思うが、そこのベストプラクティスはまだ無い。
- 世界と日本は大きく違う。例えばヨーロッパは大都市圏に人が集中し、そこで持続する都市モデルを作ることが目標。日本は人口減少に向かっているし、地方都市活性を目指すのなら、スマートシティと言っても目標が異なる。今の状況を踏まえて、ITはどういう未来を描くべきか、根源として何を目指すかについての議論が足りていない。
- 基礎・理論・応用何であろうと「こういうことに役立つ」ということが言えないと駄目。何年先でもいいからビジョンとミッションとそれを遂行するパッションが必要。
- パーソナルに対してフィットするデータ提供が必要では。ただし、個々人を見据えると一律には言えず、個々人に応じた提案が求められる。
- オープンなプラットフォームがあることで、組織毎に異なるプロトコルで好き勝手やるのではなく、それらを横断的に活用する土台作りにも繋がりやすくなる。
学生セッション[5Y 会場] アニメとアート表現
[ セッション概要 ]
一般セッション。客観的評価でも西山くんの発表良かった(発表者の中で、唯一座長以外の2名から真っ当な質問&コメント貰えた)のだけど、奨励賞受賞ならず。ま、仕方ないか。
個人的に良かった発表はCGによるレジン作品の制作支援かな。ただ、CGによる支援というよりは別アプローチが良さそうに思うのだけど、問題意識としては十分理解できるという意味で良かった。
そして打ち上げ
学会出張といえば美味しい料理!
事前に調べて狙い撃ちすることもあれば適当にぶらついて見かけたお店に入るのもまたいとをかし。まだ時間早いし特に希望はないということでぶらつき、結果的には生ハム(店名)に決定。どれも美味しかったですが、個人的にはレバーペーストが一押しだな。
遠藤研最速記録だった先生の最速論文発表記録を塗り替えてやりました(ドヤァということで、記録更新されたようです。何のことかというと、私自身が学生の頃は1997年(学部4年)の9月に学会発表デビューしたのですが、これが「3年次の3月に1回目発表」ということで大幅更新されたようです。スゴイ。初めての学外発表は今でも覚えてて、めっさ緊張してて何も見なくても話せる状態になるまで練習したのだよな。まだパワポもない時代で、OHPシート持ち込みですね(遠い目)。
この記録を塗り替えるのはそうそう無い気もしますが、学会に限定せず、学外発表という大枠でくくっちゃうと既に3年次の学生実験で優秀賞とかあるんだよな。これも私が学生の頃から考えるとスゴイ。いやはや頑張ってる人は頑張ってますね。おじさん今度ご飯奢っちゃおうかな。