No. 232/1090 Index Prev Next
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Subject: Re: Nスぺをダビングさせて下さい
Message-ID: < 20000702090437cal@host.or.jp> 
References: < 8jkkmu$2aa5$1@news.tcn.ne.jp> 
	< 7808.962457183@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp> 
	< 8jlbi7$2m2f$1@news.tcn.ne.jp> 
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Content-Type: Text/Plain; charset=ISO-2022-JP
From: cal@host.or.jp (SASAKI Masato)
Organization: cal personal
X-Posting-Software: WSNews 2.027
Lines: 139
Date: Sun, 02 Jul 2000 09:04:37 +0900
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X-Trace: news1.dion.ne.jp 962501610 210.230.135.146 (Sun, 02 Jul 2000 10:33:30 JST)
NNTP-Posting-Date: Sun, 02 Jul 2000 10:33:30 JST
Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:11218

佐々木将人@函館 です。

調べてみたらこの種の話題って7〜9か月単位で出てきません?
前回1999年9月は
「台湾のCMをビデオにとって送ってもらう」
その前1999年2月は
「そちらの放送を録画してほしい、資材等は全部出す……と言われたが。」
だったんで
「傾向変わって来たなあ……」って思ったんだけど……。

いきなし「録画したテープの貸し借り」って
素にもどっちゃったねえ……。

きしもとさんFAQ書く気ない?

>From:KISHIMOTO Shinsuke 
> Date:2000/07/02 02:59:34
>Message-ID:< 8jlbi7$2m2f$1@news.tcn.ne.jp> 
> 
> 河野さんは、「黙認も許諾だ」と考えていると思いますが、やっぱ
> り違うと思うんですよ。黙認はあくまでも黙認であって、「許諾は
> しないが、現時点では訴えない」という状態にしかすぎないと考え
> ていますが、変でしょうか。

変じゃないと思います。
正確に言えば本当に許諾しているのかもしれないし
「その程度じゃ目くじらたてねえよ」かもしれないし
どちらかはわからない……ってことですわな。

そうするともし悪い方だったら……って考える訳ですわな。

> > > だって、法律に「複製する権利は著作者だけが持つ」ってはっきり
> > > 書かれているんですよ。
> > 
> > 今の話は、どちらかといえば複製と言うよりは使用権の問題でしょ?

いいえ。

もともと放送されているものを録画する行為は
著作権法2条1項14号の「録画」にあたり
したがって同条同項15号の「複製」にあたります。
そして著作者には21条により
「複製」する権利の「専有」が認められますから
本来は著作権者の承諾なしに録画することすら認められないのです。

しかし30条以下「著作権の制限」にあたる場合には
著作権者の承諾は不要だとされているし
その理論構成は
「30条以下が著作権の例外だ」ということではなく
「30条以下の場合はそもそも著作権の保護が及ばない」
とされています。

普通に録画する行為というのは
普通の人は
「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」
において使用することを目的とするから
30条1項に該当して「著作権者の承諾は不要」となる訳です。

したがってそういう目的ではない場合には
著作権者の承諾は必要となって
承諾なしに録画する行為は著作権(21条複製権)侵害になるのです。

以上の次第で自分で録画したテープを
やたらめったら他人に貸すようだと
そもそも30条1項該当だったのかい?
って言われても仕方がないという意味で
複製権に関する検討が必要になります。

それとは別に
そもそも30条1項による複製された物を
他人に貸すことが
2条1項19号の頒布にあたるかどうか
頒布にあたるとして26条1項の頒布権の侵害になるか
という議論も必要になります。

そしてこれらの検討の結果「著作権の侵害だ」ってことになった場合には
仮に今まで権利者がなんらのアクションをとっていなくたって
それは許諾とすることはできません。

> > もともといろんな人に見てもらえるように公共放送しているのに、
> > 一つ二つ(あるいは、全国規模で数百)の複製を問題にしてもしょう
> > がないです。

しょうがなくないです。
放送することは
その放送を録画することまで認めている訳ではないからです。

> > 現実問題として、友達の家に言って、一緒に、彼の持っているビデオ
> > とかテレビの録画を見たら犯罪だなんてことはないんです。だとすれば、
> > それとほとんど同等のビデオを借りるってのが犯罪になるとは思えません。

現実問題ではなく法律問題を検討しているのではないですか?
現実問題だったらたいていの交通違反は摘発を免れているでしょうが
それを「見つからないからやってもいい」という議論をしているのではなく
「法律としては違反になるのか否か」という観点での
議論をしているのではないですか?

ちなみに「一緒に見ても犯罪にならない」という主張は
厳格さを欠いています。
友達の家で一緒に見るのが許されるのは
まず第1にその物が著作権を侵害していないものであることを前提に
30条1項の私的使用にあたるかその他の条項にあたるかして
結果著作権侵害にならない場合に限られます。
そしていくらそれと同様だからといって
別の行為が別の権利を侵害していれば
それが著作権侵害行為になることはもはや言うまでもないでしょう。
端的に言えば見せる行為は22条及び22条の2にかかりますが
貸す行為は26条の問題です。
22条や22条の2について法が「承諾不要」と定めたり
著作権者の承諾をとったことは
26条について法が承諾不要と定めたことにはなりませんし
まして著作権者の承諾をとったことにはなりません。

ちなみに私個人はfjごときで「ビデオ貸してください」と言われて
貸してあげる行為が
「私的使用」を逸脱しているとは到底思えないという立場ですが

|From:        cal@host.or.jp (SASAKI Masato)
|Subject:     Re: 「業」の解釈 (was Re:仮面下宿代録は違法?)
|Newsgroups:  fj.soc.law
|Date:        Tue, 23 Feb 1999 21:32:23 +0900
|Message-ID:  
|
|以下余談。
|著作権法のコンメも見たけど
|著作権法30条1項の「家庭内その他これに準ずる限られた範囲」には
|個人的な結合の度合いの高いサークル等は含まれるが
|サークルでも規模の大きいところはだめだし
|個人のつながりが薄いと本数限定でもだめだとなっていました。

であることには注意が必要でしょう。

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「まさと先輩!」って呼ばれてみたい!?
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