No. 804/1090 Index Prev Next
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From: Hideaki Iwata 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: fjにおける(
	というか極一般的な)
	合意事項案 (
	苦笑)
Date: Sat, 16 Sep 2000 16:07:03 +0900
Organization: WAKWAK Internet service
Lines: 94
Distribution: fj
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ひで@自宅、です。

Kouichi Niimi wrote:
>  新美@MOMOたろうです。

>  1. 原則
>   1) TV番組を家庭で録画する行為は、TV番組の複製に他ならない
>  ため、私的使用目的でない場合は権利者の許諾が必要である。
>   2) 一般的にTV番組は、権利者と放送局とが別々の場合が多く、
>  また権利者が単数であることがほとんど無い事から、権利者に許
>  諾を得るのは容易ではない。ただその場合でも窓口は放送局であ
>  る場合が多いし、権利一切を放送局が所持している場合もあるか
>  ら確認すべきである。
>  2. TV番組の録画
>   1) TV番組を録画する行為は、TV番組の複製を作成することであ
>  る。したがって、本来権利者に無断で行うことは許されていないが、
>  私的使用目的である場合はそれが許されている。(ビデオ等のカタ
>  ログに記されている「あなたが録画した…」はその事を指している)
>   2) 1)の理由により、TV番組を録画したビデオテープの扱いは録画
>  した本人、もしくはその家庭内ないしはそれに準ずる範囲の使用に
>  限られる。なお後者の場合は、原則的にはかなり狭い範囲となる
>  べきであるが、弾力的な判断も許されるかもしれない。(権利者の
>  判断次第ではあるが、実家の親に送るくらいの範囲くらいなら許さ
>  れるのではないか、と私は判断している)
>   3) TV番組を録画したビデオテープを、2)で示す範囲以外の者に
>  貸す行為は、貸した側が「私的使用目的以外で使用したとみなさ
>  れる」ため、注意が必要である。

うーん、ちょっと冗長すぎる気がしますけどね。

1、著作権法(以下、法)21条では、著作物を複製する権利(複製権)は著作者
    が専有する、と定めている。
2、TV放送された著作物は、私的使用目的に限り自宅のビデオ等で録画(複製)
    しても権利侵害とはならない(法30条より)。また、家庭内やそれに準ずる
    範囲内で同ビデオテープを融通しあっても、私的使用目的に合致するので権利
    侵害には当たらない。

でいいんじゃないでしょうかねえ。
その上で明記しておかないといけないことは、

3、TV放送された著作物の大半は、映画の著作物と認定される傾向にある。

でしょうね。そうじゃないと「なぜ38条を適用しないのか?」って反論が絶対に
出てきますからね。
この線で、「著作物の定義」とか「私的使用の目的」とか「公衆の使用に供する
ことを目的として設置されている自動複製機器」とか「指摘録音録画補償金制度」
とか「映画の著作物の要件」(こっちは多数の裁判例があるから割と楽:-)とか
の解説をすることは必要でしょうが、それらは注釈って形にしたほうが適当な気
がします。

4、法38条では、公表された著作物の複製物を非営利、無償で公衆に貸与する場
    合は、著作者の許諾を必要としない旨が書かれているが、映画の著作物だけ
    は、その適用を受けることができない、と明記されている。

5、従って、映画の著作物である以上は、非営利、無償であっても、公衆に貸与
    することは許されない。

6、文化庁著作権審議会報告によれば、「法第30条をはじめとする著作権の制限
    規定は、本来認められるべき著作権を制限するものであるという条文の性格
    上、厳格に解釈されなければなら」ず、“これに準ずる限られた範囲内”と
    は、「人数的には家庭内に準ずることから通常は4〜5人程度であり、かつ、
    その者間の関係は家庭内に準ずる親密かつ閉鎖的な関係を有することが必要」
    であると述べている。(「」内はいずれも昭和56年6月に文化庁に答申された
   「著作権審議会第5小委員会(録音 録画関係)報告書」より引用)

7、fjで知り合ったばかりの二人が、審議会報告によるところの「家庭内に準ずる
    親密かつ閉鎖的な関係」を有していることは、社会的に見て到底容認できない。 

8、また、平成3年12月に報告された著作権審議会第10小委員会(私的録音 録画関
    係)報告書では、「法第30条の許容範囲内での録音・録画によって作成された
    物を事後に私的使用の目的以外の目的に使用する場合」(例えば個人使用のた
    めに録音したテープを第三者へ貸与したりするなど)、著作権者の許諾を得ず
    に行われるときは権利侵害に当たる、と述べている。

9、fjで知り合ったばかりの二人は、上記報告書における「第三者」に相当すると
    考えるのが妥当である。

以上により、fjで行われたTV番組の録画テープ貸与の呼び掛けに答えた場合、貸す
側と借りる側に「家庭内に準ずる親密かつ閉鎖的な関係」が見受けられず、あるい
はその関係を満たしていても同一テープの貸与相手が二桁を超える場合は、私的使
用とは見なせない。よって、これら貸与を著作権者に無断で行った場合、著作権者
の権利を侵害したとみなされる。

でいいんじゃないでしょうかねえ。

# で、結局、これまでに複数示された従来の解説とほぼ同じになるのでした:-)
# lala氏がまとめたものや、Niftyとかでまとまっている奴とかとね。
# 何度やっても結論は一緒:-)人(たった一人)これを脅迫と呼ぶ:-)

>  4. その他
>   1) ラジオ番組に関しても同様の判断で良いのか?

駄目でしょうね。38条の適用要件に合致していたら、貸与したって権利侵害には
なりませんからね。
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