Granular computing な一日 / KES2013, day1
KES2013の1日目が始まりました。今日はキーノート2件、口頭発表セッション2件という流れ。鞄とラミネートされた参加証も貰いましたが、これが必要になる状況というのは良く分からない。といいつつ、学生の頃に貰った鞄が使いやすくて今もずっと使ってたりしますが。USBメモリで論文集配布するのは持ち歩きの面でも探しやすさの面でも楽で嬉しい。けど、これも一人一つ配布するというのはあまり必要性を感じないな。ということで参加費はもう少し削る工夫をして欲しいなー。
国際会議というと他国からも大勢来るのでガイドによる誘導等がしっかりされているという印象が強かったのですが、今回は比較的そうでもなかったです。迷いにくい場所ではあるんですが、プログラムにミスがあったり、論文電子化されてるのは良いけど欠落や逆にキャンセルされたものも掲載されてたり、ブックレットと電子媒体とのマッチングが謎で探せない(結局キーワード検索することにした)とか、ちょっとしたケアレスミスがここまで目につく会議も珍しい。
参加者は受付の様子を眺める限りでは100人もいないのかも。人数多ければ良いというものでもないけど、座長さんが声かけて来ないと「発表者しかいないセッション」が少なくないっぽいのは悲しい。個人的には無理してinvitedしないと集まらないならそれは需要が無いということで見送った方が良いんじゃないかと思う人です。あちこちで学会乱立しても仕方ないし。研究会みたいにその道の専門からが集中的に討論できる環境の重要性は分かるのだけれども。
Keynote1,2
- Keynote1: From Data to Knowledge Networks and Their Granular Hierarchies,
Prof. Witold Pedrycz, University of Alberta - Keynote2: Risk management in interactive intelligent systems Prof Andrzej Skowron, Warsaw University
Keynoteは2件ともGranular computingに関連した話。実世界の複雑な現象は本質的に階層的で分散処理されているのだからそれに見合ったモデルが必要だという話で、ファジィ集合のtype-2やら、ラフ集合とかそれの拡張したものらを部品として使いつつ、階層型に組み合わせたモデルでより抽象的なデータやパターン(=知識)を表現出来るだろうというような主張なのかな。表現を変えると、より複雑な表現を行えるニューロンを使った階層型ネットワーク、に見えます。という意味では、granular computingでどう処理/学習していくのかが気になるのだけど、何かしら一般的な話はあるのだろうか。
Invited Session: Recent Advances in Knowledge Engineering and Soft Data Paradigms
午前の口頭発表はinvited sessionで、1番手は”An Introduction of Tag Ratio Model and the Classification Examination for Recommender systems”というタイトルで山内くんの発表。は、見事なまでに質疑応答で沈没。最初のシンプルな質問にちゃんと答えられなかったのが致命的で、そこから脱線というか遡った質問に繋がってしまって本当にしたかった討論はやれなかったのはちょっと残念。研究室での対策不足ということですな。
2番目の”Computational Techniques for Characterizing Cognition using EEG Data – New Approaches”は、EEGの時系列データからグラフ構築して、とある認知タスクに対して関係性の高い(強く発火しやすい)部分をマイニングしたというような話。珍しい話ではないと思うのだけど、こういう話を聞くと「そこから知能の分析/解析にどう結びつけるのだろう?」という疑問がわきます。計測出来てるのはごく一部分であって他がどれぐらい関与しているかはよくわからないし、発火した=関与しているとも、発火していない=関与していないとも断定しにくいものだとも思うし。認知的な意味では前にまとめたやつが疑問のままで残ってるな。
お昼はフラミンゴカフェでただ飯(学会参加費に含まれてる)しながら反省会。質問自体は理解してたけど、どう回答すべきかで悩んでしまったらしい。
Chance Discovery and its Innovation
午後は通常セッションに潜入。
予想外に面白かったのは1番目の”Data Jackets for Synthesizing Values in the Market of Data”の「jacket」という問題点の考え方。DVDとかで「ジャケ買い」という言葉がありますが、基本的には中身が見れない状態でパッケージ(ジャケット)を眺めて吟味するしかないという状況においてそのDVDがどれぐらい良さそうかどう判断すべきか。ということを「Data」について同様にJacketsとして看做して「データセットの中身は見れないが、部分的に説明なりが用意されたジャケットからデータセットの良さをどう評価したら良いか」というような問題意識から取り組んでる話らしい。けど、その後のブレインストーミング/イノベーターあたりの話との関係は良く分からず。
2番目の”A Long-term Data Collection System for Life Pattern Sensor”はライフログ的な意味で気にしてたのですが、電気使用量から生活パターンを予測できそう->ライフサポートが行えるんじゃないかというような話。ちょっと想像してたのとは違ったな。
4番目の”Interactive Visualization for Monitoring Support of Multiple BBS Threads”は、2chのような多数スレッドが膨大&streamに流れ続ける状況において、「欲しいデータを探すというような最優先タスク*ではなく*」、「あるキーワードに関連する話題をモニタリングしたい」というような副次的タスクをどう支援するかという話で、タスク設定してお試し検証してみたらしい。
晩ご飯は山内くんメインタスクが終了ということで景屋にて打ち上げ。関門海峡での穫れたてがあるとのことで今日は秋刀魚の刺身、サンマの塩焼き、どぐろの塩焼き、生タコ、焼うどんを頂きました。タコ美味しいよタコ!