大学/工学部として組織的な地域連携に向けての第一歩?@宮古島編
大学としての地域連携として良くあるのは地元企業や(県市町村とかの)官との基礎調査/共同研究/実証実験/技術(専門知識)相談、もしくは授業公開/出前授業あたり?
多くの場合は「大学から(実質的には教員個々人から)はこういうことがやれますメニュー」を用意して、それを広報して相手が来るのを待つという受動的なものばかりなんですが、そうではなくて現場や民間が何を求めているかをまずは理解しよう、それを離島から始めようみたい、まずは個々人の繋がりから初めて、ゆくゆくは組織的な対応を取れるようにしたい、な話が始まってます。その一環として宮古出張中です。
個人的には宮古に来ること自体が初めて。先月末に開通したばかりの伊良部大橋を通って伊良部島、下地島も当然初めて。1日目の所感としては「まだまだキビが主体になってる」ということ。石垣あたりだといろいろ製造業/サービス業への移行が進んでいるのだけど、宮古島方面はまだまだ。とはいえ、沖縄本島も数十年前は(那覇市内でも)あちこちにサトウキビ畑あったりしたんだよな。
大学側もそうですが、時間取ってくれた先方らもこういうヒアリングは初めてのことで「何をどうやるんだ??」という状態からの始まり。これを切っ掛けに継続して互いにやりたい・やれることを擦り合わせてイイネ!ということで。
ヒアリング1カ所目は宮古島市商工会議所さん。目下の目標は(3つある通りの中でも特に)西里通りの活性化(現状実質的に飲食店街になってる)、現在全く使われてない3000m滑走路のある下地空港の利活用(空港としての利用orそれ以外でも)、それらに関連した話として仕事ができる事業所の誘致、各種エネルギー(バイオエタノール/太陽光/天然ガス)の島内循環・利活用、マンゴー等の6次産業ブランド構築、といったところらしい。ただし問題もあって、エネルギーの利活用みたいな話は本土企業と連携してること自体は良いとして、島内に技術者がいるわけじゃないし育っているわけでもない点。いなくなったらそれまで、というようなものがあちこちにあるっぽい(多分)。そういう点では宮古島にはサテライトキャンパスを用意したばかりでもあるので、これを利用して遠隔授業/資格講座みたいなことをするというのも一つの手かも。
商工会議所を出て、昼食前に伊良部島/下地島あたりも回りながら下地空港の様子、全島EMS(エネルギー管理システム)を眺めつつ、次の場所に移動。
午後1カ所目の多良川酒造さんでは、15分程で宮古TVが制作した作業工程ビデオを視聴してから実際に工場や貯蔵洞窟を見学させて頂けました。「楽しんでもらう」ことにも注力しているらしく、これの一環としてあちこちオモシロ楽しく紹介してもらえました。大学のオープンキャンパスとかでも「こんなに楽しいんだぞ!」というのを全身で表現するぐらいの気持ちで話せると良いのかも(そっち?)
多良川酒造さんで予定以上に延びたこともあって一つキャンセルして、1日目最後のエコアイランド推進課@宮古島市役所さんへ。バイオエタノールは1リッターあたり120数円ぐらいまでコストが下がってきてて、もう少し下げられそうとのこと。ただし、島内ではまだ拒絶反応というかまだ受け入れられ難く、扱ってる営業所も1カ所のみ、年間生産量の3分の2は沖縄本島に輸出してる(それでも元が取れる)ぐらいらしい。MICE誘致に関連して、来年度頃に3000人規模の施設完成予定?っぽい。電気自動車は小型EVが地元有志ら(工作クラブ)による2台目が作られ、製作キット提供できるとか。ただし1台200万とかで教材利用ぐらいになりそう。太陽光屋根貸し事業は今年度で一旦終わり?のようですが、事業化推進に向けた話をもう少し続けたいとか。風力は前に台風で折れたこともあって、積極的には動いていないらしい。高卒〜大卒したばかりぐらい(10代後半〜20代前半)が島内にほぼいないので、地元活性化に繋がり難いとか。この点でもサテライトキャンパス利用して遠隔授業なりを提供するのはありか。(学生らは島から出たがるだろうとは思うが。。)
これまであれこれ実証実験がやられているが、実験で終わってしまっているのが大きなネックで、これからは事業化を見据えた話をしたい。「現在困っていること、将来困ることになりそうなこと」を見据えた対応をしたいとのこと。天然ガスは水温も比較的高温(69〜72度)らしく、温度差発電とかも考えられるかとか。
本番(?)の夕方は市役所の方々とご一緒できて、人生初の生オトーリに。私が人に飲ませるという行為をする機会があるとは思いもしませんでした。(飲んではいない)