16単位未満除籍というシステム vs. FD

Share on:

琉大には「1年間で16単位取れない学生は自動的に除籍する」という独自のシステムがあります。独自の、というのは知らなかったんだけども他大学には無いらしい。「このシステムによる除籍者の割合が、学部単位で比較すると工学部が圧倒的に多い」ということがずーーっと前から問題視されてて、

  • 大学全体として学習サポートルームを設置。
  • 違う側面として図書館がレポートの書き方講座等を設置。
  • 学科として単位落としやすい科目へのサポート体制を整える。具体的には数学系科目へのサポート「数学基礎演習1,2」。
  • 専門系科目へのサポートとして、OSの夏期講習や、先輩によるサポート。

とかあれこれやってみてるんですが、具体的に目に見える効果がどのぐらいあるのかと言われると「?」なんですが、ゼロではないのは確か、ぐらい。そのためにどこまでコストかけるの?という問題でもある。

1個人としては、大学はそもそも自主的にやる所なんだからやらない学生が除籍になろうが知ったこっちゃない、という考え方をしてます。相談に来るなら乗るよという形であくまでも学生の考えを尊重します。

一方で「高校まではそれとなくこなしてきたし、入学できるレベルの学力のある受験生を受け入れたのにも関わらず、入学後に除籍される(割合が他学部と比べて多すぎる)というのは何かおかしくない?」という気持ちもあるわけで。学部学科毎に難易度があるのは否定しないけど、難易度だけの問題なの? やらないから単位取れないの? やらないというのはこちらが授業料に見合った質の高い授業・課題・サポート体制を提供できていないという可能性は無いの? とかとか。

文科省経由でFDと呼ばれる組織的な改善が推奨されているはずですが、これが組織内(工学部内)ではなかなか進まないか、形だけで済まそうとすることが少なくないように感じます。主観的にそう見えるというだけで、個々人レベルではやってる先生少なくないだろうとも思うのだけど、もっと組織的にやれることあるんじゃないのかな。(組織的にやるつもり無いなら会議開くな、という話でもある)

個人的には、(できれば学部学科跨いで)教員間で授業レビューしたら良いと思ってます。教員同士が無理なら学外組織にお金出してレビューしてもらっても良いと思いますが。科目毎の達成目標に則した講義の仕方、課題の設計方法、科目間連携(カリキュラムとしての練度改善)あたりはまだまだ手を入れられるはず。多分。