沖縄が突出して子どもの貧困割合高い理由?

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今年のデザインスクールのテーマ「子どもの貧困対策」について少しずつ勉強しているわけですが、全国平均16.3%と比べると沖縄県は29.9%と2倍近い数値になっています。地方だからというだけならここまでの差はでないはず。ということで集めた情報源を元にそれらしい理由を探ってみています。

今のところ一番しっくり来る説明は、子どもの貧困問題と大学の地域貢献で出てくる背景説明です(下記)。

  • 戦後27年間、米国の統治下にあった特殊事情。沖縄は日本政府の財政援助から除外され、日本本土との社会資本・生活基盤の格差、所得格差が生じた。
  • 孤児があふれ、父親や夫を失った家族は、母子家庭で支え合い生活をしていくために懸命であった。まともに義務教育を修了していない者も多かった。
  • 沖縄の人々の生活は米軍からの配給によるものだった。
  • 基地周辺の米兵を相手にする特飲街の形成は、基地の街として発展したが、共生を強いられた歪な発展であり、米国基地の存在と基地経済によって沖縄の地場産業を含む経済基盤が十分な成長が遂げられなかった。
  • 復帰後の沖縄の振興政策は、少なくとも1970年代は本土との「格差是正」を目標としていたわけであるが、公共事業、観光、基地の「沖縄3K経済」を推進する高率補助や外発的な圧力を受けることで歪な社会構造が形成された。これは格差是正を目指していたが、結果としては県外との格差だけではなく県内格差も顕在化させた。

ざっくりまとめると、戦後米国統治下に伴う結果(約27年間)と、復帰後の目先優先政策(約8年間?)の合計約35年間(1945年〜1970年代)もの間、教育・福祉問題が後回しにされがちで人的リソースへの投資がおざなりだった。加えて目先優先政策だったので3K経済ばかりが発展するという歪な発展を遂げた。ということかしら。1945年生まれの人は今72歳。教育機会と考えると+10歳ぐらいした現82歳〜47歳の35年間ぐらいが「教育機会が少ない環境下を強制された」世代なのかしら。(この見積もりは怪しいが)

加えて、米国統治下時代は特に死亡を含む暴力も身近だったわけで、行きていくのに必死だった人は少なくないのでしょう。そういう環境だったことが暴力の多さ(?)にも繋がってたりするのかな。