No. 156/1090 Index Prev Next
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From: "yamada" 
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: ソフトウェアの法的保護(立法論)(Re: ソフトウエアの利用契約はいつ結ばれるのか)
Date: Mon, 19 Jun 2000 18:59:29 +0900
Organization: odn.ne.jp
Lines: 70
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> だってもともと著作権法は
> 著作物について一定の条件の下でみんなが使えるようにする
> いわば人類共通の財産にすることが
> 文化の発展につながるというポリシーの下
> 著作者に一定のメリットを認めることで著作者に利益を与え
> その代わり著作物を公開させることや
> 過剰な権利主張をさせないという制限を加え
> もって著作者と社会の調整をしている訳ですよね。
それは財産権全般の話なのではないでしょうか。佐々木さんがそうだと言うのではな
いですが、著作権にだけ、やたらと公共性を言う人もいるんで、こういう言い方は少
し気になります。

> そうするとソフトを普通に使う時に
> 「それが複写にあたるから著作権侵害行為となる」
> ってえのは
> まさに本を読むのが「著作権侵害だ」と言う程度に?な話な訳です。
本だって、まったく自由に使うことができるわけじゃないですよね。複製はもちろん
駄目だし、放送・送信や貸し出しにも制限があります。「読む」のが自由なのは、そ
れ
が、他人に、本を使うことの利益を分け与えないからじゃないでしょうか。放送・送
信や貸し出しまで含めると、著作権というのは、結局のところ、それを使うことによ
る利益を、他人に分け与える権利ではないかと思うのですが。

プログラムを「読む」のだったら、本と同様に、他人に、それを使う利益を分け与え
る
ことにはならないでしょう。しかし、「読む」より広い範囲の、「使う」ではそうで
はあ
りません。例えば、一つの機械の上でプログラムを走らせて、プログラムそのものを
送信せず、ユーザーインターフェースだけを送信して100人で同時に使うといったこ
とが、技術的に可能です。プログラムの場合、複製や、放送・送信、貸し出し以外に
も、他人に利益を分け与える形態がいろいろとあります。

> ただ現行法上は複写と解さざるを得ない。
> だから著作権法ではなく新規の法律で
> プログラムやその他の用語をきちんと定義して
> で、何が権利侵害となる行為なのかきちんと定義して
> 規律すべきであろう……と。
はたして、他人に利益を分け与える使用形態を、法律でいちいちつぶしていけるもの
でしょうか。使用する形態があまりに多様であるなら、使用すること自体を権利とし
て定め、どのような範囲での使用を許諾するかは、権利者と、使用者の契約に任せる
べきではないかと考えます。

> プログラム(ソースかオブジェクトかはともかく)に権利を設定し
> その権利の下で当該プログラムを配布する権利を認め
> 配布を受けた者は自分でそれを使用するのは自由だけど
> それを他の人に配布してはいけないって仕組みにすれば
> 配布を受けたものは自分で使う分には著作権侵害にならないし
> それについて
> 「1台だけ」みたいな不合理な制限を別個強要されることはないし
> 一方でやたらコピーが出回ることにも制限はかけられます。
配布のみの制限では不十分です。コピーせずにプログラムを使用させることは、難し
いことではありません。それをまったく規制しないまま、配布を受けたものがどう
使っても自由ということになれば、自分のコンピュータでプログラムを動かして、安
く他人に使用させる貸し出しセンターができるだけです。少なくとも、そういう場合
は、配布が行われたものとみなさなくてはまずいでしょう。こうなると、使用権に近
づいてきますが。

> > メモリへのコピー(使用)を規制する手段がまったくなければ、シェアウェアの
> > ような販売形態はどうなるのでしょうか。
> 試用販売と同じに考えればいいんじゃないんですか?
> 後払い・返品可と考えれば。
> メモリーにコピーすることを制限しなければ
> 権利が守れないってことではないと思います。
メモリへのコピーの制限にこだわるつもりはありません。他の枠組みで保護されるの
が理想でしょう。しかしながら、現状の、著作権法での複製の制限から、シェアウェ
アの保護を導き出すには、メモリへのコピーの制限ということになると思います。


yamada

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