異なる分野の人らで協同(グループワーク)することが異なる視点への気づきを促進する

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デザインスクール関連記事その2、異分野の人と協同することのメリット・デメリットについて。


前回の記事(デザインを学ぶ)に続いて今回も参加者によるアンケート結果からの話題。京都版と違い、沖縄版で新しく導入した「社会人x京大生x琉大生x高校生」という構成により、世代・地域を越えたグループワークを通し、問題発見および問題解決についてワークショップ形式で学ぶという他流試合な形式による新たな視点・考え方・表現方法等を体験できたことを良かったと回答してくれた人がとても多かった(2番目に多かった)です。選択肢を用意した上での回答ではなく、自由記述だったにも関わらずの結果なので、これは大成功と考えて良さそう。

京大版でも同等の枠組みにはなっているんですが、高校生を取り込めたという点での下に広げられた点が良くも悪くも大きな違いで、沖縄についての知識不足が否めない京都メンバからすると沖縄観光/街並/おもてなしについての沖縄メンバ(社会人・琉大生・高校生)視点をどう引っ張りだすかが一つのポイントだったかと思います。逆に沖縄メンバからすると、県外メンバ(京都+α)がどういう所に沖縄らしさを感じるのかがグループワーク&フィールドワークを通して気づけたのではないかと。

このような他流試合を強制したグループワークにより得られる「こういう視点や考え、捉え方もあるのか」がより俯瞰的な考え方に繋がるのだと想像します。また、想像するだけじゃなくてそういう「他の人の視点を説明できる」ようになるためにはどういう討論の仕方、ヒアリングの仕方があるのかという考えにも繋がるのだろうと思います。石田先生の話されてた例で言うと、

「ある交通事故を見せられた時に、土木学の人/機械学の人/情報学の人/心理学の人/etc.でその状況をどう認識するか、どこに問題を見出すかは異なる。そして必ずしも現場の問題というのは一つの専門分野に根ざした問題ではなく、複数領域に跨がっていることが殆ど。一千問領域の視点で見出した問題設定自体が適切でないなら、その問題を解いても解決を先送りしているだけに過ぎない。何か一つの専門家であることが前提だが、他人の土壌からの見方・認識の違いをうまく引き出し、全体としてより良い問題設定をすること、その上で解決手段を検討することが求められている」

ということか。

一方でワークショップにおけるデメリットとしては、やはり2日間は短すぎるのではないかなという点。「デザインの仕方を体験する、視点に触れる」ぐらいが目標であれば十分機能してるとは思うのですが、発散させた討論を収束させ、さらにそれをプレゼン準備までする必要があるため全体としてとてもタイトなスケジュール。これが「良い意味でハングリー」に繋がれば良いのですが、「悪い意味で消化不良」に陥らないかのさじ加減が難しそうです。京大版では3日間だし、それでも短いという人もいるし。


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