No. 1009/1090 Index Prev Next
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From: yamane@ic.src.ricoh.co.jp
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 30条と49条 ( 罰則関係 )
Date: 03 Oct 2000 11:40:58 GMT
Organization: Software Research Center, Ricoh Co. Ltd.
Lines: 54
Message-ID: < YAMANE.00Oct3204058@white.ic.src.ricoh.co.jp> 
References: < 39D882FE.C96E71C2@ma.kcom.ne.jp> 
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NNTP-Posting-Date: 3 Oct 2000 11:41:21 GMT
In-reply-to: H-OGURA's message of Mon, 02 Oct 2000 21:43:43 +0900
Xref: ie.u-ryukyu.ac.jp fj.soc.copyright:12015


In article < 39D882FE.C96E71C2@ma.kcom.ne.jp>  
H-OGURA  writes:
>  
>  でも、「少なくとも、立法と行政の場においては、審議会説が適正であると認め
>  られている。」というテーゼ自体が、根拠のないものですね。

この審議会報告を読ませていただいたのですが、「III 法第30条に関する録音・
録画に関する著作権問題について 1.法第30条の許容範囲を超える録音・録画
問題」の部分で「30条(第1項)に書かれている目的外使用は著作権者の許諾を
得なければすべて違法」というものがこの報告書を流れる思想であると決めつ
けるのは危険なように思うのですが…。

「2)」の例として「第三者へ貸与したりする」とあるのが「30条によって適法
に複製された複製物でも目的外使用は著作権者の許諾を得なければすべて違法」
という解釈を生んでいるのでしょうが、ここを「個人使用のために録音したテー
プを事後に事業のために使用したり、個人使用のために録音したテープを事後
に事業のために第三者に貸与したりする」と読むと、これはたしかに著作権者
の許諾を得ないと49条(?)によって違法行為になりますよね。

で、「3)」は「2)」には含まれず、「3)」として「30条について適法に複製さ
れた複製物の目的外使用であるが、30条以外の著作権の制限規定に該当すると
評価できる場合」が挙げられているのですよね。教員が自己の私的使用のため
に録音したものを授業で用いるのは、30条においては目的外使用ですが、頒布
を行っているのではないから著作権者の許諾は不要、と。

この「III 1.」の部分を以上のように読めば、ABCさんや小倉さんのおっしゃっ
ているものとまったく矛盾しませんよね。むしろ、以下に挙げる個所のように、
報告書の他の部分では、ABC さんや小倉さんらがおっしゃるようなことがはっ
きりと書いてあるので、上のように読むのが自然に思えるのですが…。

・「II 著作権法制と国際的検討の動向 1.現行法」の最後の
  「なお、本条の規定によって…」の段落
・「IV その他の録音・録画に関する著作権問題 2)」 の
  「また、教育映画などのように…」の段落

すべて、30条等により適法に複製された複製物の目的外使用について、49条ら
との絡みで論じています。

ということで、この報告書は、(そもそも報告書の主題ではありませんが、)30
条などにおいて適法に複製された複製物の扱いについては、どちらかといえば
ABCさんや小倉さんがおっしゃっていることを述べているように思います(が、
いかがですか? > ABCさん、小倉さん)。


あと、「III 1.」にある「3)の場合の詳細については、「IV.その他の録音・
録画に関する著作権問題」で取り扱うこととする。」というのは多少変だと思
います。「3)」の例として「教員が自己の私的使用のために作成した録音・録
画物を、自己が担任するクラスの授業において使用するときなど」とあるのに、
「IV.その他の録音・録画に関する著作権問題」にあるのは「授業の過程にお
いて使用することを目的とする複製」なのですから。
--
山根  淳@(株)リコー ソフトウェア研究所
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