No. 786/1090 Index Prev Next
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From: Hideaki Iwata
Newsgroups: fj.soc.copyright
Subject: Re: 「貸してください」記事に関して
Date: Thu, 14 Sep 2000 20:55:11 +0900
Organization: WAKWAK Internet service
Lines: 93
Distribution: fj
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ひで@自宅、です。
ISHIBASHI wrote:
> 「常識的に考えたらこうだ!」って河野さんが不満を言いたくなる
> 気持ちも分かるんですが、
残念ながら、私にはその気持ちが分かりません(^_^;;)
というのも、研究者というか学者ってのは、まずは「常識」を疑う
ことから始めるもんだ、って信じているからです。
「大体、常識ってのは何なんだよ!その定義からまずは明確にして
いこうぜ!」
って姿勢こそが必要な職業だと考えています。
更に、大学における教育ってのは、学生に対し、常識を疑うことを
教える場だと考えています。高校まではとかく、知識詰め込み型の
教育手法が問題とされています。しかし大学では、なぜ?どうして?
という部分を体系的、論理的、科学的に解明していく手段を教育する
場所だと信じています。
# もちろん、その為に必要な知識は無理矢理にでも身に付けてもらい
# ますけどね:-)
私の師匠の一人がいつもおっしゃっていることですが、
学部4年間は問題解決に必要な知識を得て、基礎的な問題解決能力
を身に付ける期間
修士2年間は、問題解決能力に磨きを掛け、さらに基礎的な問題発見
能力を身に付ける期間
博士3年間は、問題発見能力と問題解決能力を総動員して、新しい
研究を一人前にこなせる力を付ける期間
だと信じています。そういった意識が、ことこの問題に関しては河野
氏に欠落している様に見えます。
これは、彼の「見逃したTV放送番組に対する病的なまでの愛着」が原因
なのか、あるいは彼の「自分が欲するものに対し、まるで子供の様に
執着する未熟な精神」が原因なのか、は判りません。はたまた、全く
異なる原因があるのかも知れません。
# 他人に対する思いやりの欠如、って可能性もあるなあ。
しかし、研究者や学者である以上は、自分の感情や思いを切り離し、
現象の分析と原因の究明を行うことが不可欠なはずです。
更に、取りうる対応策の策定とそれら対応策を導入した場合のメリット、
デメリットの算出も重要なファクターとなるはずです。
そういった視点を、少なくともTV放送された著作物に対して排除するそ
の思想が、私には納得できません。
それゆえに「常識だ」などという発言も容認できない訳です。
> 現行法に規定が有る以上、裁判所はあく
> までも現行法に従って判断する訳ですよね。それを改善する為には
> 法律改正しかないという考え方は、やはりちょっと法律を勉強しな
> いと、普通の人は実感が湧かないのでしょうか。
そんなことはないと思いますよ。普通の人を河野氏のレベルにまで貶め
る必要はどこにもないでしょう(^_^;;)。
> まずは立法と司法
> は別だよ、三権分立なのだよという辺りからの勉強が必要なので
> しょうかねえ? ま、中古ソフト販売事件の東京地裁のような、現
> 行法の不合理をある程度考慮したと思われるような判決も有るには
> ありますが、この手の判決は極めて特殊な例ですし。
「不合理をある程度考慮したと思われるような判決」ならば、東京地裁
よりも大阪地裁の判決文の方が適切だと思いますよ。
その理由は和歌山大学経済学部ワーキングペーパー99-10
「ゲームソフトと著作権制度」で明らかにしたつもりですが、同判決文
の中で裁判長は、「何をもって映画の著作物とするか、という問題に対し、
司法の現場で個別の判断を行うのは、科学技術が発達した現在では限界
に達している。早急なる立法府の行動を求む。」に類する発言を述べて
います。
東京地裁の判断は、従来の複数の裁判で示された「映画の著作物か否かを
決定する要件」に対しては何の言及もせず、唐突に新しい判断基準を示し
ているだけです。通常の論理に従えば、従来の要件はこういった点で不備
があるから、新しい要件を本法廷は定める、とすべきところを、です。
従来の判断要件の矛盾や不備を指摘していない新しい要件の提示は、単な
る独善と見られても仕方ない、というのが私の結論です。
> 以前、fj.soc.law の方で、佐々木さんが「解釈論と立法論を混同
> しないで欲しい」と嘆いておられた時期が有りましたが、今回の噛
> み合わないまま延々と続く一連のスレッドを見ていて、佐々木さん
> のその時の嘆く気持ちが、今ようやく分かったような気がします。
ただ、そういった我々の姿勢を、河野氏は「自分の言葉で語ることができ
る参加者が少ない」と言って嘆いている訳です。
これは単に河野氏個人の倫理観や論理的思考能力の問題ですから、他の人
と一緒にするのは失礼だと考えるわけです。
ではでは。
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