Archive for the ‘複雑研’ Category

続・企業との連携についての討論

火曜日, 12月 11th, 2012

パワーランチっぽくパンを用意してたんですが、実際には前後に食べてただけか。美味しそうなパンを大量に買ってきたのに写真撮るの忘れてしまった。。

昨日に引き続き、今日はお昼のランチタイムに仮配属生を中心とした討論をしました。「仮に卒業研究としてデュアルソリューションさんと一緒に歩むことに決めたとして、どういうテーマで進めて行きたいか」というようなことでアイデア出し、疑問点・気になる点について先輩らを交えて互いに意見を出し合うという流れ。遠藤先生による無茶ぶり的な質問攻めにタジタジという構図でしたが、今の「ゼミとか何かしら共通背景を持っていない時点」でやること自体に意味はあるんだろうということで、私は第三者的に交わるぐらいで眺めてました。

いろんなゴール設定やアプローチといったストーリーが考えられますが、取りあえず中核になりそうな部分についての共通認識は構築しつつあるのかな。口頭やり取りだけなのであやふやな部分だらけですが。次回はデュアルソリューションさんを交えての意見交換会をやる予定です。

明日は工学部後援会主催の就職説明会の2回目があります。わざわざ企業側が出向いてきてくれているので、就職活動中/これからの学生は目的を持って積極的に参加しましょう。(目的持たずに眺めるぐらいでも悪くないけど、どうせなら時間は有意義に使おう)

情報共有と今後の方針についての討論

月曜日, 12月 10th, 2012

デュアルソリューションさんから例示されてる情報を整理し、先方の希望や大学側としての希望を擦り合わせる第1回討論会を終了。前回体調不良のため不在となった遠藤先生と、仮配属生が決まったということで興味や希望の確認を兼ねて、暫くはこの会に参加してもらう予定です。私の方では「取りあえず会を重ねて企業との接点を作る」ぐらいが達成目標だったんですが、討論会の結果「明日のお昼にやってみたいこと紹介」することに。講義優先で構いませんので、頑張れる範囲でやってみてください。食べずにずっと講義なりなのも辛いだろうからサンドウィッチか何か用意します。

具体的な問題設定自体が無いので好き放題やってもらって構わないのですが、今の段階で何かしらのcommitを約束すること自体が難しいというのがあって今後の進め方も悩みどころ。先方からの「やって欲しいタスクそのもの」へのアドバイスや情報提供ぐらいなら問題無いんですが。

来週になりますが、IPA未踏プロジェクトの紹介(12/20(木), 16:00-19:00, 5階会議室)があるらしい。進化計算班のミーティングをこっちの参加に振り替えても良い気もするが、どうしよっかな。進捗気になる学生の確認ぐらいはすべきか。

[複雑研全体ゼミ補足記事] 8/13, RobocupSoccer Simulation2D

月曜日, 8月 13th, 2012

全体ゼミは取りあえず今日で終了です。

今日の全体ゼミ
 ・東川上: [1] RobocupSoccer Simulation2D
での関連話を補足します。

[1] 異なる戦略を実現するためのフォーメションの役割り -Robocup サッカープレーヤーエージェントに複数戦略導入を目指して-, FAN 2010, http://www.sd.tmu.ac.jp/fan2010/accept.html


>RobocupSoccer Simulation2D

 マルチエージェント環境における協調行動の一例として、サッカー・シミュレーションを題材に取り上げ、フォーメーションの良し悪しを評価してみたという話だったかと思います。

 サッカー・シミュレーションにおけるフォーメーションを検討してみる話は文字通り積もるほどあり、例えば [2] では「他者と協力して行動することが有利であるとは限らず、単独で行動した方が良い結果を生むこともある」という観点で「非協調行動」を導入した際のパフォーマンスへの影響を分析してみているようです。また、[3] では人間との対戦を通して「人間がどのように捜査するか」をモニタリングし、フォーメーションを変化させた様子等について分析をしているようです。

 具体的な題材賭してサッカーにおける協調行動を研究した結果、別の何かに応用できるのかという話もありましたが、そこら辺は [4] とか中心になって取り組んでるグループが唱えている趣旨や実例等も参照してみると良いかもしれません。

[2] チーム内での非協調行動のチームパフォーマンスへの影響の分析-RoboCup Soccer Simulation 2D において, 情報処理学会第72回全国大会, 2010, http://www.cyber.sist.chukyo-u.ac.jp/sirai/classes/seminar/IPSJ2010/pdf/ai/2V_9.pdf
[3] 人間プレイヤのポジションカバー行動の発現, 人工知能学会研究会資料, 2003, http://winnie.kuis.kyoto-u.ac.jp/sig-challenge/SIG-Challenge-17.pdf#page=31
[4] ロボカップ戦略:研究プロジェクトとしての意義と価値, 日本ロボット学会誌 2000, http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/Paper/2000/Asada00g.pdf

[複雑研全体ゼミ補足記事] 8/6, 災害時デマRTの傾向

月曜日, 8月 6th, 2012

今日の全体ゼミ
 ・谷津: [1] 災害時デマRTの傾向
での関連話を補足します。

[1] 災害時Twitterにおけるデマとデマ訂正RTの傾向, 報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告, 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008583012


>災害時デマRTの傾向

 震災後1ヶ月ほどの期間を対象として、RT回数トップ1千件について主観的(?)に傾向分析してみたという話だったかと思います。

 特に震災時を想定せず、広い意味での信憑性という点では [2] 以降の記事が出典含めて参考になると思います。

 災害時を想定した情報抽出・整理という点では、例えば NLP2012 では「災害時における言語情報処理 [3] 」というテーマのセッションが設けられ、以下に掲げた概要で発表の募集がありました。

2011年は,東日本大震災を初め,世界各国が記録的な災害に見舞われる年となった.こうした災害時には,インターネットが重要な情報源となる.しかし,それと同時に多くの情報が飛び交い,人手での整理が困難な場合も多い.本テーマセッションは災害時における言語情報処理技術の役割を見つめ,インターネットなどで溢れる言語情報をいかに整理し,必要としている人に提供するかに関する議論・アイディアの共有を目的とする.災害情報の抽出・提示・信頼性判定,言語情報を用いた災害予測,災害時におけるコミュニケーション支援,地理情報や画像情報等との融合など,災害時の言語情報処理に関するあらゆる課題を対象とする.

 上記を受けて集まったのが、A4,A5の2セッション、合計11件の発表になります。情報源としては Twitter が多くなっていますが、Q&Aサイト/報道文書/ブログなど古くからあるものを使っている事例もあります。そういう情報源に対して何をするのかという点では、欲しい情報の抽出/流言デマ特性解析 [4] /行動経路抽出と可視化/救助要請情報抽出サイト構築、などが目標として掲げられているようです。

 上記テーマセッションの提案者でもある、ANPI_NLP プロジェクト [5] で精力的に活動されていた楽天技研の村上さんや、京大のNeubigさんらを含んだ全体討論が、A5セッションの後半で行われました。當間が解釈できた範囲になりますが、その様子を [6] に書いてあります。また、當間&与儀さんで少しだけ手伝ったという話もしましたが、それは ANPI_NLP プロジェクトの件で、[7] のようにコーパス構築を少しだけ手伝いました。

[2] 【Credibility for the 21st Century】1. イントロダクション / 「情報信憑性」研究者やまもとのウェブサイト, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-1/
 2. ウェブ情報の特徴, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-2/
 3. 信憑性研究の歴史, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-3/
 4. 情報ソースの信憑性, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-4/
 5. 情報ソースの信憑性に係る様々な要素, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-5/
 6. 「情報ソース = 組織」である場合, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-6/
[3] NLP2012, テーマセッション, http://www.anlp.jp/nlp2012/#thematic_session
[4] 流言情報クラウド:人間の発信した訂正情報の抽出による流言収集, 言語処理学会 第18回年次大会, 2012, A4-2, http://luululu.com/paper/2012/A4-2.pdf
[5] ANPI_NLP, http://trans-aid.jp/ANPI_NLP/
[6] A5:テーマセッション3 : 災害時における言語情報処理(2), 全体討論, NLP2012, https://ie.u-ryukyu.ac.jp/tnal/archives/2042#A5-discuss
[7] 東北関東大震災とソーシャル・メディア(ショートバージョン), https://ie.u-ryukyu.ac.jp/tnal/archives/1548

[複雑研全体ゼミ補足記事] 7/30, 検索支援, 路肩検出

月曜日, 7月 30th, 2012

今日の全体ゼミ
 ・玉城: [1] 検索支援
 ・山入端: [2] (サイクリングマップ生成を想定した)路肩検出
での関連話を補足します。

[1] SNS 上に蓄積されたインタレストグラフを用いた類似 ロールモデルの発見と企 業検索支援サービス, 情報処理学会第74回全国大会, 6ZE-5, 2012, http://www.gakkai-web.net/gakkai/ipsj/74program/data/pdf/6ZE-5.html
[2] 平面投影ステレオ視を用いた路肩検出, 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, 2009, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007123826


>検索支援

 キーワードや辞書的な関連度検索ではなく、ユーザの好みから構築したインタレストグラフをベースに、類似したユーザを捜し出し、検索結果に繁栄させるという話でしたが、2ページ予稿ということもあって詳細が良く分からないままでの討論になってしまいました。
 「インタレストグラフ」自体は、特に情報推薦・情報フィルタリングの分野で行われているユーザプロファイリング [3] の一種としての造語のようですね [4]。プロファイリングをインタレスト(嗜好)のグラフとして構築し、グラフ間の類似具合で嗜好の類似度を測るということのようです。プロファイリング話なので、「インタレストグラフをどうやって作っているのか?」という風に調査するよりは、「ユーザの嗜好をどうやって抽出しているのか?」という視点での調査をした方が実りがありそうです。
 なお、このグラフ(ネットワーク)を利用した推薦としては [5] や、FAN2012での特別講演 [6] が参考になると思います。

[3] 情報推薦・情報フィルタリングのための ユーザプロファイリング技術, 人工知能学会論文誌 2004, http://nishilab-osaka-u.sakura.ne.jp/people/hijikata/arch/UprofText.pdf
[4] 意外と知らない「ソーシャルグラフとインタレストグラフ」の違いを徹底解説!, http://www.social-recruiting.jp/archives/398
[5] なぜ3人いると噂が広まるのか, 日本経済新聞出版社, 2012, http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532261554/
[6] 特別講演「大学発の研究シーズ,ネット広告業界最前線に挑む」, 吉井 伸一郎 サイジニア株式会社 代表取締役, https://ie.u-ryukyu.ac.jp/fan2012/


>路肩検出

 自転車が交通可能なマップを自動車等で撮影した動画から生成したいという流れでの路肩検出の話でした。
 自転車マップとしては、[7] のように運転者自身の安全運転度合いを自動評価する試みや、[8] のようにアンケートベースでマップ作成しつつ危険区域(狭さ、段差、見通し、交差点など)も抽出するという事例があるようです。
 マップ生成とは異なるアプローチとしては、3軸加速度センサーを用いてリアルタイムに道路状況を推定しつつ、注意喚起を共有するシステムを構築する [9] という提案や、ハンドル操作やブレーキングなどの走行状態をモニタリングすることで快走性を評価する [10] という事例もあるようです。

[7] 装着型センサを用いた自転車の安全運転実態マップ自動生成の試み, 映像情報メディア学会技術報告, 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008687500
[8] 地域で取り組む地球温暖化防止のための社会実験 : (その3)自転車利用に対するアンケート調査と自転車利用マップの作成, 日本建築学会研究報告, 2006, http://ci.nii.ac.jp/naid/110006973449
[9] 口コミと路面状況を共有できる自転車用安全運転支援システム, 情報処理学会研究報告, GN, 2009, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007993299
[10] 走行コンテキスト抽出による自転車の快走支援地図の設計と実装, 情報科学技術フォーラム講演論文集, 2008, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007641719

[複雑研全体ゼミ補足記事] 7/23, 樹木生成モデル、強化学習

月曜日, 7月 23rd, 2012

今日の全体ゼミ
 ・潮平: [1] 樹木生成モデル
 ・慶留間: [2] 強化学習
での関連話を補足します。

[1] Simulating tree growth based on internal and environmental factors, 2005, http://dl.acm.org/citation.cfm?id=1101406&dl=ACM&coll=DL&CFID=129906701&CFTOKEN=72882969
[2] 宮崎和光.,村田元,小林重信: “Profit Sharingに基づく強化学習の理論と応用”, 人工知能学会誌 Vol.14 No.5 pp.800-807 (1999), http://svrrd2.niad.ac.jp/faculty/teru/xol_s.html


>樹木生成モデル

 どういう木を生成/再現したいのかという話や、そもそも最終結果だけで良いのか途中経過が大切なのかなど、研究目的自体を明確にしようという話がありました。
 その例として、「ユーザの望む結果」を生成したいのであれば、その「望んでいるもの」を何とかして低コストでシステムに入力できると嬉しそうだという例を話しましたが、より具体的な研究例としては [3,4] のようにインタラクティブに操作していくタイプの事例があるようです。特に [3] では、「パラメータが多く、局所的な形状に関与するパラメータから大局的なデータを推測しながら設定するのは困難」というような主張をしているらしい。
 別の例としては、 [5] のようにリアルタイムアニメーションを前提とした3次元樹木モデルの構築と計算量削減を行っている例があるらしい。
 目的と目標次第で評価方法が変わってくるので、自分が目指している場所を明確にしていこう。

[3] インタラクティブな生長シミュレーションによる3次元樹木モデルの生成, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 2006, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008728953
[4] 実写映像に基づいた3次元樹木モデルの生成, 電子情報通信学会論文誌, 1999, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003183636
[5] 効率的かつリアルな3次元樹木モデルのアニメーションの検討, 電子情報通信学会技術研究報告, 2003, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003272748


>強化学習

 部分観測に制限された状態(POMDP)ではマルコフ決定過程(MDP)が成立せず、次状態が「観測できる現在の状態+実行した行動」だけでは一意に定まらず、MDPを前提としたシンプルな方法だけではうまく学習が進まない。その一例としてループ問題を示し、一つの打開策として Profit Sharing が紹介されていました。
 部分観測が引き起こす「現実には異なる状態/状況を同一視してしまう」のは、何故起きてしまうのだろう? 例では2次元格子空間で表現された7×7~15×15のマップ内が用意され、例えばロボットが観測できる範囲が周囲1マスのように制限されると見分けがつかない状況が生じる、という話でしたが、人間だとそうは「なりにくい」はず。例えば、シンプルな3Dダンジョンゲームだと同じように「見た目には同じ」という状況は多々ありますが、歩数覚えるなりマッピングするなりして迷わないための工夫をすることで解決しようとするでしょう。
 つまり、単純に「観測できる現在の状態+実行した行動」で次状態を考えようとするのではなく、「観測できる現在の状態」を少し拡張して「どうやって現在の状態に辿り着いたか」といった履歴を活用して「異なる状況」として認識したり、環境自体にマーキングして観測結果を操作するなどして、POMDP環境下でも効率良く学習しやすくできると嬉しそうです。
 この「観測情報から状態空間を自動で構築していく」という方向での事例としては、[6,7] のように行動獲得やプランニングといったキーワードで研究がすすめられているようです。

[6] ロボットの行動獲得のための能動学習, 情報処理学会誌 (1997), http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/Paper/1997/Asada97e.pdf
[7] 複数の学習器の階層的構築による行動獲得, 日本ロボット学会誌, 2000, http://www.er.ams.eng.osaka-u.ac.jp/Paper/2000/Takahashi00d.pdf

[複雑研全体ゼミ補足記事] 7/2, 交通シミュレーション

月曜日, 7月 2nd, 2012

今日の全体ゼミ
 ・与那嶺: [1] 交通シミュレーション
での関連話を補足します。

[1] A cellular automaton model for freeway traffic, Journal de Physique I, 1992, http://hal.archives-ouvertes.fr/docs/00/24/66/97/PDF/ajp-jp1v2p2221.pdf


>交通シミュレーション

 CAでモデリングする際の速度上限や格子サイズをどのように決めるべきかという話がありましたが、その一例として [2] では「車の最小車間距離(渋滞時のバンパー間距離)である 7.5m」をセルの長さとし、速度は0から最高速度までを整数化してv_max=5時に120km/hとなるように、実際の速度と対応させるという話が紹介されています。ただ、セルの長さを決めた上で速度 v を「単位時間あたりの移動セル数」決めると、その時点で移動速度が確定するように思うので、v_maxをどう設定するかというのはセルサイズと一緒に考える必要があるんじゃないかと想像しますが。

 都心部への自動車流入をコントロールする目的でのロードプライシング関連としては、利用の仕方に応じて課金具合を調整する [3] のようなデポジット制度が検討されているらしい。どういう状況で行動(駐車場/公共交通/徒歩/来ない)を変更するかについてもアンケート調査し、「来訪行動変更モデル」を構築する所までやってみているようです。実施前のアンケート調査主体なので、実際に施行された後でその回答通りに行動するかどうかは別問題として残るとは思いますが、一つのユーザモデルの作り方として参考になるかも。

[2] セルオートマトン法による道路交通シミュレーション, 人工知能学会誌 2000, http://ci.nii.ac.jp/naid/110002808261/
[3] デポジット制度による受容性と柔軟性の高い都市部自動車流入マネジメント施策の研究と実証, 道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート No.18-2, 2009, http://www-vip.mlit.go.jp/road/tech/jigo/h18/pdf/report18-2.pdf

[複雑研全体ゼミ補足記事] 6/25, UI全般の事例、自動運転/運転補助

月曜日, 6月 25th, 2012

今日の全体ゼミ
 ・西島本:視線インタフェースのデザイン [1]
 ・岩元:Traffic Light Mapping and Detection [2]
での関連話を補足します。

[1] 視線入力システムによるメニュー選択方法の有効性 : 若年者と高齢者の比較, 人間工学 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/10028058275/
[2] Traffic Light Mapping and Detection, Proc. of ICRA 2011, http://research.google.com/pubs/pub37259.html


>UI全般の事例

 具体的な方向性が決まっていないようなので、視線に限定せず UI 全般についての
事例紹介です。
 操作時のインタラクションを工夫するという事例としては、[3,4] のような疑似力覚や専用デバイス導入したものもあるようです。特に [3] は教育(学習)利用を想定してて、記憶の定着向上に向けたものらしい。[1] の視覚的なデザインとしての効果を高めるも「メニュー内の項目選択」のように制限して効果を測定しているように「ある特定状況下における効果」を測定するのは一つのアプローチですが、実応用を考えると多面的な視点が必須なので「どういうゴールを描いているか」を提示するのが先かなと感じます。勿論 [4,5] のように「新しいメディア」みたいな側面を重視する方向もありですが。
 ゼミ中の話題に出た「デバイス毎にコンテンツを最適化する必要があるのは面倒」という点での関連事例としては [6] のようなものがあるらしい。コンテンツといっても CSS/HTML に特化した例ですが。全く異なる視点の例としては、開発環境を提案する [7] というのもあるらしい。

[3] 擬似力覚を用いた概念マップ作成支援, 人工知能学会全国大会 2012, https://kaigi.org/jsai/webprogram/2012/paper-451.html
[4] メディアラボ第5期展示 「感覚回路採集図鑑」, 2009, http://www.miraikan.jst.go.jp/info/090924133793.html
[5] タンジブル・ビット : 情報と物理世界を融合する,新しいユーザ・インタフェース・デザイン, 情報処理 2002, http://ci.nii.ac.jp/naid/110002764323/
[6] 多様な閲覧サイズのためのWebページレイアウト最適化法の提案, 電子情報通信学会技術研究報告. NS 2009, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007131194
[7] ユビキタスコンピューティングにおけるGUI-でバイス複合型のアプリケーション開発手法, 日本ソフトウェア科学会 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/110002764323/


>自動運転/運転補助

 自動運転/運転補助についてどういう問題例が考えられるか(というよりは他にどういうことに使えそうかという質問でしたが)という点については、例えば [8] の交差点内での衝突回避など、「予防安全」という観点からの取り組み [9]。
 [10] のように運転スキルを評価するという事例。
 また、[11] のように道路電気・通信設備なども含めた社会システムとして検討してるところもあるらしい。

[8] ポテンシャルフィールドに基づく交差点右折時の歩行者衝突回避に関する研究, 自動車技術会学術講演会前刷集 2011, http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201102204186113173, http://technopark-tuat.com/tip/wp-content/uploads/Techno_park_MATSUMI_jp.pdf
[9] 予防安全装置の開発 (Active Safety Devices Development) / 東京農工大学 永井正夫研究室, http://www.tuat.ac.jp/~nagaimu/kenkyu_its0.html
[10] 高齢者の認知特性を考慮した運転能力評価システムの開発, 日本機械学会論文集C編 2011, https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/77/784/77_784_4591/_article
[11] 安全・快適ドライブをサポートするITS (ニュースレター), 電気学会論文誌D(産業応用部門誌) 2011, https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejias/131/10/131_10_NL10_1/_article/-char/ja/

[複雑研全体ゼミ補足記事] 6/11, Mario AI, プライバシー情報検出, 感情表現抽出

月曜日, 6月 11th, 2012

今日の全体ゼミ
 ・岩瀬:Mario AI [1]
 ・長浜:プライバシー情報検出 [2]、感情表現抽出 [3]
での関連話を補足します。

[1] Super Mario Evolution, http://julian.togelius.com/Togelius2009Super.pdf
[2] プライバシー情報検知のための知識の準備と学習 : 自然言語情報の開示制御技術DCNLの実現(2), 情報処理学会研究報告 2009, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007160945
[3] 感情表現の抽出手法に関する提案, 電子情報通信学会技術研究報告 2004, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003278750


>Linear Genetic Programming: 線形遺伝子GP

 Mario AI [1] で、Genetic Programming (GP) で木構造ではなく1次元配列表現で遺伝子表現することで進化しやすくなるという事例があったはずという話をしましたが、Linear Genetic Programming (LGP; 線形遺伝子GP) [4,5,6] でした。
 [4] では概要や提案時の論文が掲載されてるだけでなう、ソフトウェアも提供されてるようです(ただし多くは .exe ぽい)。また、[5] のようにLGPに特化して書籍化されたものもあれば、[6] のように他の最適化手法と比較されてる例も多々あるようです。

[4] 遺伝的プログラミング / IBA Labo., http://www.iba.t.u-tokyo.ac.jp/rs/gp.html
[5] Linear Genetic Programming (Genetic and Evolutionary Computation) [ハードカバー], Springer-Verlag 2006, (amazon) http://goo.gl/QMj2V
[6] A Comparison of Linear Genetic Programming and Neural Networks in Medical Data Mining, IEEE Trans. on Evolutionary Computation 2001, http://www.cpdee.ufmg.br/~joao/CE/ArtigosProgGen/NnGPcomparison.pdf


>プライバシー情報検出

 プライバシー情報検出 [2] について、想定している状況次第で「プライバシー情報」の定義や扱い方も違いそうだと思いながら聞いていましたが、古くは [7] のようにOECDガイドラインをベースにした話があったり、比較的最近だと [8] のようにリスクの拡大や、位置情報サービスを例にとった保護モデルの例が紹介されてたりするようです。

[7] ネットワーク上での情報統合によるプライバシー侵害とその対策, 電子情報通信学会技術研究報告 1998, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003276315/
[8] ユビキタス情報社会のプライバシーとその保護技術(センシングネットワーク), 情報処理 2010, http://ci.nii.ac.jp/naid/110007700779


>感情表現抽出

 感情表現抽出 [3] について、抽出だけでなくその先(例えば Negative/Positive 分類とか)についての事例について調べてみました。[9-12]は言語処理学会第18回年次大会から「感情」というキーワードが含まれているものをピックアップしてみています。
 [9] では「機能(陳述/発話/質問など)」という観点で分類するという例(ただし[9]自体は分類体系を検討するのが主題で自動分類まではしていない)や、[10] のように語義・意味役割を付与したコーパスを構築し、傾向分析するという話などがあるようです。
 もう少し具体的な題材を見据えた事例としては、[11] の話し合い構造化(賛否表現分類)による「合議」を目的としている例や、[12] のうつ検出のために感情変動を推定するという例があるようです。

[9] 何をつぶやいているのか?: マイクロブログの機能的分類の試み, 言語処理学会 第18回年次大会 2012, http://www.anlp.jp/nlp2012/program.html
[10] 日本語テキストに対する述語語義と意味役割のアノテーション, 言語処理学会 第18回年次大会 2012, http://www.anlp.jp/nlp2012/program.html
[11] 賛否表現評価ラベルによる合議目的の話し合い構造化の試み, 言語処理学会 第18回年次大会 2012, http://www.anlp.jp/nlp2012/program.html
[12] うつキーフレーズと感情変動に基づくブログからのうつ検出手法, 言語処理学会 第18回年次大会 2012, http://www.anlp.jp/nlp2012/program.html

複雑研全体ゼミの補足記事を公開してみるテスト

月曜日, 6月 11th, 2012

 複雑研全体ゼミ終了後に、関連事例・研究について作文したものを研究室内MLで post & share しているのですが、「折角時間かけて作文してるなら研究室紹介とかも兼ねてブログで公開したら良いんじゃね?」と思ったのでこっちにも掲載してみるテスト。

 複雑研全体ゼミって何よという人向けの解説は以下を参照。実際の補足記事は別記事としてポストします。


 複雑研(遠藤・山田・當間・赤嶺研)では、配属したばかりの学部4年次向けに4研究室合同でのゼミ(通称全体ゼミ)を実施しています。初めて研究活動に携わるということで、指導教員と相談の上興味のある論文等を選択し、それを持ち寄って紹介・解釈(プレゼン)/討論するという輪読形式で進めています。数年前までは「複雑系入門」を使ってたのですが、ここ最近は前述の通り「指導教員と相談の上興味のある論文等を選択」しているので、テーマ・分野がかなり広がっています。関連事例について作文しようと思った切っ掛けは、各分野における一つの研究例を見るだけじゃなく、それを出発点としてどういう広がり方があるかを紹介することです。

 例年だと、「発表+質疑応答ベースの討論」をするところまでが学生交えたやりとりで、最後に教員からプレゼンの仕方について気になる点をコメントするという流れでした。今回は、プレゼンテーション・パターンという「創造的プレゼンテーション」の秘訣を言語化したものが公開されていることもあり、Presentation Patternsに学ぶプレゼン・ハックのススメに準ずる形で「学生自身も他の人のプレゼンを評価・コメントする」方式を試してみています。

 例えば、1回目のコメントはこんな感じで、聴講者毎に一つのパターンを担当してもらい、その観点から良し悪し気になる点を挙げてもらっています。(「それ以外のコメント等」がほぼ毎回空欄ですが、質疑応答については別途議事録担当者にメモってもらっています。)必ずしも全てのパターンが有用とは限りませんが、良し悪しについて話をしやすくなってる分、プレゼンの資料作り・話し方といったプレゼンテーション・スキルについては去年までと比べると比較的良いように感じます。たまたまそういう学生が揃ってるというだけかもしれませんが、少なくとも互いに指摘しやすくなってるのは大きなメリットです。

 先週で全員が1回ずつ発表し終えたので、今週からは「前回貰ったプレゼンに対するコメントを踏まえ、少なくとも1件については具体的な改善を試み、実際にやったことを説明する」ことと、論文の読み方に準ずる形で「前回照会した論文と今回セレクトした論文同士の関係性について説明する」ことを追加してやって貰っています。この読み方については2月には紹介済みで、それを踏まえて実際にやってみようというのが趣旨です。

 この関係性についての説明を「やれ」と言ってやらせるのも良いんですが、一つの具体例ということで全体ゼミ時の時間内には質問できなかった項目について取り上げ、それを紹介する文というのを作文してみています。作文した内容は研究室MLにてpost & shareしているんですが、実際に紹介した論文に目を通す学生が出てきたり、他の先生からの関連事例についての補足も出てきたりしているので作文している意味はあったのかなと。